土木学会論文集
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1997 巻, 566 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 和田 安彦, 三浦 浩之
    1997 年 1997 巻 566 号 p. 1-12
    発行日: 1997/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    透過性石積み浄化堤と内水域から成る沿岸海域浄化システムの汚濁物質除去過程を現地調査結果から明らかにし, その汚濁物質除去過程を生物による分解除去係数と物理的除去係数を用いてモデル化した. また, これらの汚濁負荷除去係数への水温, 水質及び石積み堤透過流速の影響について検討し, 係数値同定とシミュレーションモデル構築において考慮した. さらに, 物質循環モデルに浄化システムを組み込み, 汚濁の著しい大阪湾を事例に, 本浄化システムの水質改善効果を予測した. これより閉鎖性の港湾の一部に本浄化システムを設置することで, 港湾内の水質を改善できることを明らかにした.
  • 中野 加都子, 三浦 浩之, 和田 安彦
    1997 年 1997 巻 566 号 p. 13-24
    発行日: 1997/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究はリサイクルを環境負荷低減化型に改善するために, LCA手法を用いて収集・再資源化システムの違いが環境に及ぼす影響の評価を行ったものである. ここでは実際の都市における調査によって得られたインベントリ分析による環境負荷量を地球環境と関連づけて地球環境に与える環境影響度を算出し, 地球環境に与える影響を推計することによって, モデル都市において収集頻度, ステーション数を変更した場合の評価を行った. これにより, 本ケーススタディにおける環境への影響の低減化策を示した.
  • 和田 安彦, 三浦 浩之
    1997 年 1997 巻 566 号 p. 25-34
    発行日: 1997/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    都市域の水環境改善を目的に, 雨水貯留施設を用いてノンポイント汚染源負荷の流出制御を行うための制御方法を検討した. 貯留施設の貯留容量をファーストフラッシュ用の一次貯留分とピーク流出用の二次貯留分に分ける2段階貯留方式を用い, それぞれの貯留容量, 貯留開始流量を適切に設定すれば, ノンポイント汚染源負荷の流出量削減に効果があることを明らかにした. また, 2段階貯留方式は大規模雨水貯留施設を用いた合流式下水道改善としても有効であった.
  • 福岡市アイランドシティのケーススタディ
    中嶋 芳紀, 河野 幸次, 松本 亨, 井村 秀文
    1997 年 1997 巻 566 号 p. 35-47
    発行日: 1997/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    福岡市博多湾東部に建設中のアイランドシティ整備事業をケーススタディ対象として, 湾整備事業のライフサイクルアセスメントを行った. 評価対象範囲は埋立工事, 土地造成, 上部構造物の建設・運用までとし, 環境負荷の評価方法はエネルギー消費量 (LCE) 及び二酸化炭素排出量 (LC-CO2) を指標とするインベントリ分析とした. 土地造成 (護岸・岸壁工事, 浚渫・埋立工事) と上部構造物について, 計画書, 設計・工事仕様書等を基礎として, 別途算定した工程別・資材別原単位を用いた積み上げ計算を行った. ただし, 工事用機械や基礎資材の製造原単位のうち, 個別のデータが入手できなかったものについては産業連関法による算定値及び各種文献値を採用した.
  • 永淵 修, 井上 隆信, 海老瀬 潜一, 浮田 正夫
    1997 年 1997 巻 566 号 p. 49-60
    発行日: 1997/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    1992年, 1993年にRダム湖の流域で詳細なフィールド調査を行い, 4種の水田施用殺菌剤の河川への流出特性および流出量を明らかにした. 水溶解度の大きいピロキロンの流出特性は, 散布直後の晴天時と降雨時にピークを持ち, 他の殺菌剤は降雨時に流出するパターンであった. また, 散布量が把握できたピロキロンの流出率は15~20%であった. ピロキロンの流出特性について, 水田内および河川内での挙動を検討し, 田面水中の濃度変化は一次反応速度式に従うことを明らかにした. この結果を分配平衡モデルであるファガシティモデルに組み込み, 大部分が水相に存在することを確認した. これらの結果を物質収支式に代入することにより, ピロキロンの散布後の晴天時の流出量が全流出量の50~60%に達することを確認した.
  • 津野 洋, 西村 文武, 宗宮 功
    1997 年 1997 巻 566 号 p. 61-69
    発行日: 1997/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    活性炭, ゼオライトを微生物付着担体として用い, 吸着機構と生物学的変換機構の両機構を反応器内で活用しうる生物活性炭反応器と, 生物ゼオライト反応器とを結合させた処理法を開発し, 汚泥乾燥スクラバー廃水の処理への適用を試みた. 操作因子として単位担体量あたりの負荷率が重要であり, 4mgN・(gZ・d)-1までかけることができること, また脱窒槽においては7mgN・(gGAC・d)-1の範囲までは, 酸化態窒素負荷率に対する有機物負荷率の比が2mgC・(mgN)-1以上のケースにおいて90%以上の酸化態窒素除去が得られることを示した. また無酸素槽のORPを-150~-250mVに制御することの重要性が示された.
  • 高見 徹, 丸山 俊朗, 鈴木 祥広, 三浦 昭雄
    1997 年 1997 巻 566 号 p. 71-80
    発行日: 1997/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は有害性物質の沿岸生物への影響を評価するために, スサビノリ糸状体から放出される殻胞子と発芽体を用いた毒性試験法の開発を目的とした. 殻胞子は成熟した糸状体を明期10時間, 水温15℃, 1/20PES培地で培養7日後の明期開始後3時間以内に全日放出数の80%が放出される. 殻胞子の着生基質はガラスプレートが最適であった. ガラスプレートへの殻胞子の着生は自然沈降法が最適であった. 殻胞子の着生率と発芽体の生残率は, 放出時期と数が異なる殻胞子を用いた場合でも高い再現性を示した.
  • 李 寅鉄, 関根 雅彦, 浮田 正夫, 中西 弘
    1997 年 1997 巻 566 号 p. 81-93
    発行日: 1997/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    瀬戸内海の水産資源量解析において, 貧酸素水塊の取り扱いや漁獲圧および負荷量削減などによる環境変動が海域の生態系に及ぼす影響を評価する生態系モデルを構築し, 沿岸海域での水産資源管理について検討した. 貧酸素条件による水産資源量の計算結果より, 瀬戸内海の東部海域ではプランクトン食浮魚が多く, 西部海域はベントス系が多い傾向などが説明できた. 貧酸素による水産資源への影響は底魚が30%減, ベントス70%減となり, 大阪湾などで影響が大きかった. 水産資源の転送効率は, 1次から2次生産へ21%, 2次から高次生産へ5%程度であり, 生物の再生産性は備讃瀬戸と播磨灘で高かった. 負荷量削減によって, 播磨灘, 大阪湾などで, 底魚やベントス系の資源量が増加する傾向が見られた.
  • 西牧 研壮, 小山 昭夫
    1997 年 1997 巻 566 号 p. 95-102
    発行日: 1997/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    放射性核種の地中処分の安全性に関して重要な核種である60Co85Srのイオン交換体への分配に地下水中のCa++Mg++イオンが大きな影響を与える. 本研究ではCa++Mg++イオンが同時に存在する環境下での放射性核種の分配を理論的に検討し, 分配係数を簡単な数式で表現した. 次に Amberlite IR-120B, グリーンサンド, KUR砂の3種類のイオン交換体を用いてカラム実験を行い, Ca++Mg++の平衡定数とCa++Mg++共存下での60Co85Srの分配係数を求めた. 実験結果と比較することにより, 上記の実験式の有効性が確認された.
  • 水谷 潤太郎
    1997 年 1997 巻 566 号 p. 103-108
    発行日: 1997/05/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本文は栄養物質循環の歪みを矯正して持続可能性を改善する課題に取り組むための基礎となる, 全国の総窒素・総リンの物質循環図を提示するものである. 食料統計, 飼料統計, 廃棄物統計, 下水道統計, 公共用水域水質統計, 流量年報, 肥料統計など関係するすべての分野のデータを網羅し一覧できるようにした. 分析の対象年度は1992年度 (平成4年度) である.
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