交通安全における高齢者の自動車利用の問題点に関しては, 全体的な傾向はあるものの, 高齢者の個体差が大きく, 加齢による問題としてだけ把握することは難しい. 本研究では, 高齢者の自動車利用を考える上で, まずはじめに年齢の違いによる自動車利用状況, 交通事故の特徴, 自動車走行環境に対する評価の違い等, 70歳以上の高齢者層について全体的な特徴を明らかした. ついで, 自動車の運転特性は個人間で大きく異なることから, 認知, 判断, 操作といった一連の運転操作特性を把握するため, 同一の被験者に注視点調査ならびに警察庁方式CRT運転適性検査を行った結果から, 一連の運転行動と, 走行環境に対する評価特性との関連について分析し, 高齢者に適した自動車利用環境について考察を行った.
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