土木学会論文集
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2002 巻, 702 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 北村 隆一
    2002 年 2002 巻 702 号 p. 1-2
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 屋井 鉄雄, 清水 哲夫, 坂井 康一, 小林 亜紀子
    2002 年 2002 巻 702 号 p. 3-13
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 交通行動データを用いた実証的な分析を通じて, 非IIA型離散選択モデルの適用時に問題となる, 選択肢数が多い場合の推定の安定性, および選択肢集合の設定方法の妥当性を論じたものである. 分析の対象として, 東京都市圏の通勤鉄道経路選択行動, および日帰りの自動車観光目的地選択行動を取り上げ, 選択肢間の類似性に関する考え方とその定式化を行い, 構造化プロビットモデルと Mixed Logit Model の適用により10肢程度までのモデル推定を可能とした. さらに分析を通じて, 選択肢集合に含まれる選択肢効用レベル, および選択された選択肢と代替選択肢の類似性により推定パラメータが異なる様子を明らかにした.
  • 森川 高行, 倉内 慎也
    2002 年 2002 巻 702 号 p. 15-29
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 個人行動モデルの多くが依って立つ新古典派経済学が想定する合理性が道具的合理性という不必要に強い仮定をおいているとの認識から, それを緩和した手続的合理性, 表現的合理性という新たな概念を導入し, 各々の定義やそこに仮定されている行動側面を概観する. 次に, 手続的合理性の一つである限定合理性に着目し, それを論じる上で意思決定方略が極めて重要であることを示す. そして, 道具的合理性を仮定している加算型の方略を含む様々な意思決定方略を内包した個人選択モデリングの方法論を展開し, 従来の離散選択モデルと同様に扱い得ることを示した.
  • 高齢者の活動・交通実態把握
    西井 和夫, 佐々木 邦明, 今尾 友絵
    2002 年 2002 巻 702 号 p. 31-38
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    伝統的なパーソントリップ調査に基づく交通需要予測手法の見なおしが議論され, 従来型の交通調査に代わる手法の検討がなされている. この議論においては, 大規模ではあるが個々のデータの精度が低い調査に基づく予測手法から, 小規模であっても, 個人の行動とそのメカニズムを明確に抽出できる調査への転換こそが, 課題対応型の交通政策にとっては有効であるとの認識がある. 本報告では, 京阪神パーソントリップ (PT) 調査プリサーベイの付帯調査として行われたアクティビティダイアリー (AD) 調査を用いて, AD調査の課題対応型交通需要予測への有効性を検討するものである. とくに交通計画の課題として重要度を増している高齢者の交通行動を対象事例として, その活動・交通行動を分析し, 交通計画に有益な情報の抽出を試みた.
  • 上田 孝行, 高木 朗義
    2002 年 2002 巻 702 号 p. 39-50
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    大都市圏には, 災害に対して非常に脆弱な地区が存在している. それらの地区は都心部に在り, 潜在的には都市開発による高い収益が期待できるにもかかわらず, 個々の区画は建物への建替えが依然として進まず, 都市防災上は大きな問題の一つとなっている. 本稿は経済動学の分野で開発されてきた投資タイミングモデルを発展させて, 災害脆弱地区の開発が進行しないメカニズムを描写するモデルを提示し, それに基づいて災害脆弱地区の都市整備を促進する施策の効果を分析する. また, 便益帰着構成表アプローチを用いて, 社会的純便益が建物利用者の享受する防災機能の向上から区画所有者が負担する建設費用と営業費用を差し引いたものであり, 開発タイミングが便益の大きさを規定することを示す.
  • 高木 朗義, 武藤 慎一, 上田 孝行, 稲垣 貴政
    2002 年 2002 巻 702 号 p. 51-63
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    閉鎖性水域における水質改善政策は, 汚濁物質の除去とともに, その流入抑制も併せて考える必要がある. 本稿は内陸・沿岸地域における各経済主体の水質に関わる行動と閉鎖性水域における汚濁物質の蓄積現象を捉えた応用一般均衡モデルを構築し, 閉鎖性水域の水質改善政策に対する地域間, 主体間の便益と費用の帰着構造を分析することにより, その経済的な評価を行う. さらに, 応用一般均衡モデルを制約条件, 主体毎の汚濁負荷削減量を政策変数, 社会的厚生の最大化を目的関数とした均衡制約付数理最適化問題 (MPEC) を定式化し, 遺伝的アルゴリズム (GA) を用いて, 目標水質水準を達成するために必要な各主体の汚濁負荷削減量を検討する.
  • 家田 仁, 土谷 和之, ファン レビン, 岡村 敏之
    2002 年 2002 巻 702 号 p. 65-79
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 輸送力増強などの供給者側の施策や, フレックスタイム制の普及; 生産年齢人口減少などの社会環境の変化が, 通勤鉄道の混雑緩和にどの程度寄与するのかを定量的に把握するために,「鉄道需要の時刻集中特性予測モデル」を構築した. このモデルは, 混雑による外部効果や勤務制度に関わる変数を明示的に取り込んでいるという特長をもっている. 構築されたモデルを首都圏の鉄道ネットワークに適用した結果, 高い現状再現性が得られ, モデルの適用可能性の高さが示された. また, シナリオ分析を行った結果, 需要動向を最も楽観的に想定し, かつ1998年現在事業中の路線が全て完成したとしても, 運輸政策審議会の掲げる「ピーク時の平均混雑率150%」という目標を達成するのは困難であり, 一定程度の新規整備が必要であろうことが示唆された.
  • 上野 幸太, 横内 憲久, 桜井 慎一, 岡田 智秀
    2002 年 2002 巻 702 号 p. 81-87
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ウォーターフロント開発において, 水域沿いにプロムナードと称される遊歩道の整備がみられる. それを計画・設計する際は, 前例や採算性などを考慮した機能的・効率的な手法がとられているように思われるが, プロムナードが有する本来の意味を解明し, その意味を遊歩道に付与させることで, 空間自体を高質化 (プロムナード化) させることも重要であろう. そこで本研究は, ウォーターフロントの遊歩道が有する役割を捉え, その役割が発揮できる空間領域を形成するための空間構成を把握するものである. これを求めるために, 現地調査を行った結果, ウォーターフロントの遊歩道が有する3つの役割と, その役割が発揮できる空間領域が形成される空間構成 (D/H, 建物のデザイン等) を把握した.
  • 常田 賢一, 池野 秀一, 榊原 和成
    2002 年 2002 巻 702 号 p. 89-102
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    日本では料金所での渋滞解消, 利用者サービスの向上および管理コストの節減を目的として, 自動料金収受システムの実用化が図られつつある. 本研究は料金所ゲートにおいて発進制御機を設置しない無人非制御方式に対する車両の通行特性を明らかにすることを目的として, 料金所ゲートでの通行速度を指定した「速度指定型走行実験」および運転者が任意の速度で通行する「速度フリー型走行実験」を実施した結果を報告する. 本研究の結果, 料金所ゲートにおける有人制御方式, 無人制御方式および無人非制御方式の3方式による通行車両の走行特性の差異および料金所ゲートの車線幅員等が無人非制御方式における通行車両に及ぼす影響を明らかにした.
  • 秋山 孝正, 土田 貴義, 小川 圭一
    2002 年 2002 巻 702 号 p. 103-115
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 巨視的なシミュレーションモデルの計算概念を基本とした上で, 交通状況の推定に微視的要素を取り入れ, 個別車両の走行挙動を考慮したシミュレーションモデルの構築をおこなう. 具体的には, 阪神高速道路を対象に, 各区間の巨視的な推計結果をもとに, 高速道路本線上での個々の走行車両の挙動を記述するモデルを作成する. これにより, 個々の走行車両の速度変化や旅行時間を得ることができ, 巨視的な交通状況の変化に整合した微視的な走行車両の挙動の推定が可能となった. また, 作成された個別車両挙動の記述モデルを用いて, 平日朝の時間帯における走行車両の挙動の推計をおこなった. その結果, 巨視的な交通状況の時間的変動に対応して, 料金所の流入時刻により走行軌跡はいくつかのパターンに分類できることがわかった.
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