土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
ISSN-L : 0289-7806
2001 巻, 688 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 北村 隆一
    2001 年2001 巻688 号 p. 1-3
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 研究展望
    小林 潔司, 松島 格也
    2001 年2001 巻688 号 p. 5-17
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 個人の限定合理性に基づく行動モデルに関する既存の研究成果について概括する. さらに, ベイズ選択モデルをとりあげ, そのモデルの背後に想定されている合理性条件に関して批判的に検討する. さらに, 個人の認知能力や情報処理能力に限界が存在する場合を対象として, 限定合理的学習モデルのプロトタイプを提案する. 以上の2つのモデルを比較することにより, 限定合理的モデルの役割と意義について考察し, 限定合理的モデルに関する今後の研究の方向性と残された研究課題をとりまとめる.
  • 態度追従型計画から態度変容型計画へ
    藤井 聡
    2001 年2001 巻688 号 p. 19-35
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 合理的な計画のためには, 人間行動の普遍性についての知識が不可欠であること, ならびに, 人間行動には量的普遍性が存在するとは考え難い一方で質的普遍性なら存在し得るであるとの認識のもと, 人間の質的普遍性を記述する種々の行動理論を概観する. それに基づき, それらの行動理論がどの様な形で合理的な計画に貢献しうるかについて考察を加える. そして, 理論実証主義, 行動変容研究, 手続き公正と信頼形成の研究, ならびに, 市場理論から社会理論への転換の重要性を指摘するとともに, 人々の態度を与件とした態度追従型計画から, 人々の社会的・公共的な意識・態度を喚起する態度変容型計画への転換が必要であることを主張する.
  • 秋山 孝正
    2001 年2001 巻688 号 p. 37-47
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    個人単位の交通行動モデルの作成において, 合理的な行動仮説に基づく現象説明によって全体を理解しようとするアプローチが多く見られる. 近年このような要素還元主義に対して, 複雑系としての社会現象の解明が提案されている. 本稿では, 人間の知識を利用した計算機技術としてソフトコンピューティングと人工知能的アプローチを取り上げる. いずれも観測された現象認識を基本として, 計算機上で知識による意思決定を実現しようとしていることから「知的情報処理」とまとめられる. ここでは, 交通行動モデルに適用可能な各種の知識情報処理技術を紹介するとともに, 行動記述の視点からそれぞれの特徴を整理する. また最後の創発現象を表現する人工生命の方法を用いた行動シミュレーションの可能性について言及する.
  • 上田 孝行, 福本 潤也
    2001 年2001 巻688 号 p. 49-62
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本稿では, 行動モデル研究に関して筆者らが持っている問題意識を,『観測と被観測の関係』に着目しながら話題提供することを意図している. 取り上げる話題は次の三点である. 第一に, 既往の代表的なモデル作成方法を, 観測と被観測の関係を捉える一つの有力なアプローチである逆問題の考え方に依拠して整理する. 第二に, 観測のための統計情報の利用可能性が広がった場合に, モデルを用いた影響予測や政策評価の信頼性・妥当性の向上を通じて生じる情報価値を, 社会的厚生のタームで把握する問題について議論する. 第三に, 被観測の立場にある主体の選好を行動モデルを通して把握し, それに基づいて政策評価を行う場合に生じうる論理的・倫理的問題について議論する.
  • 森田 哲夫, 中村 文彦, 秋元 伸裕, 高橋 勝美
    2001 年2001 巻688 号 p. 63-73
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年, 数多く実施されている交通計画分野の社会実験を対象に, 地元の市民や企業・行政等の「地域」が計画を発案する地域発案型アプローチからみた社会実験の評価, ならびに行政の一部局ではなく営利を目的としない非行政組織の役割についての考察を行った. その結果, 社会実験において地域発案型アプローチの有効性が認められ, 同アプローチの特色を発揮させるためには, 行政から独立した組織が計画に関わること, 今後は我が国においても非行政組織による計画の発案が求められることが明らかになった.
  • 研究展望
    江尻 良, 奥村 誠, 小林 潔司
    2001 年2001 巻688 号 p. 75-87
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 1980年代後半以降に蓄積された社会資本の生産性や経済成長効果に関する計測結果を総括することを目的とする. その際, マクロ生産関数, 費用・利潤関数, VARアプローチによる社会資本の生産性の推計結果, 新古典派経済成長論に基づく成長率収束性, 内生的経済成長論に基づく成長率発散性に関する研究事例に着目する. さらに, 規模の経済性に関する取り扱いに焦点を置きながら, これまでの研究成果の問題点と今後の研究課題についてとりまとめることとする.
  • 小林 潔司, 大本 俊彦, 横松 宗太, 若公 崇敏
    2001 年2001 巻688 号 p. 89-100
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    建設工事請負契約約款に基づく公共プロジェクトの建設契約は将来生起するであろう事象を完全には記述できない不完備契約という特殊性を持っている. 本研究では, 建設請負契約の当事者間に信義則が確立しており, かつ契約内容がある一定の条件を満足していれば, 建設請負契約により社会的に最適な方式で公共プロジェクトを遂行できることを理論的に明らかにする. さらに, 信義則が機能しない場合に生じる建設請負契約方式の限界とその場合における望ましい契約方式について考察する.
  • 山岡 俊一, 藤田 素弘, 松井 寛
    2001 年2001 巻688 号 p. 101-114
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コミュニティ・ゾーン形成事業は1996年に創設されて以来全国各地で整備が進められ, 実践期に入った. 多くの調査・研究により様々な効果があったとの報告とともに, いくつかの課題も指摘されている. それらの中でも本研究では, コミュニティ・ゾーン形成事業の「社会的公平性」の課題に着目し, 全市民が受益可能なコミュニティ・ゾーンの環境質としての価値を評価することを試みた. 今後展開されるコミュニティ・ゾーン形成事業に対する全市民的立場に立った経済評価をCVMを用いて行い, 更に居住地の整備状況によって異なるであろう市民の本事業に対する賛否態度を意識構造分析を通じて明らかにした. 以上の分析より, 市民は市域全体の地区交通環境向上を目的とするコミュニティ・ゾーン形成事業に対して程度の差異はあるものの全体として賛成の意向を示していることが分かった.
  • 花房 比佐友, 吉井 稔雄, 堀口 良太, 赤羽 弘和, 片倉 正彦, 桑原 雅夫, 尾崎 晴男, 大口 敬, 西川 功
    2001 年2001 巻688 号 p. 115-123
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 交通シミュレーションモデルの再現性を検証するための機能を持ったデータセットの構築を目的とした. 東京都西部の吉祥寺・三鷹付近を対象区域として調査を行い, 観測誤差を修正した後に, 車両登録番号の照合処理により車両軌跡を推定した. さらに, 車両軌跡を集計したサンプルOD交通量を拡大して, 時間帯別OD表を作成した. データフォーマットは各交通シミュレーションモデルに対応可能なように, 汎用性のあるものとした. このデータセットは現在,「吉祥寺ベンチマークデータ (以下吉祥寺BMデータ)」としてインターネット上で公開されている.
  • Dilum DISSANAYAKE, 森川 高行
    2001 年2001 巻688 号 p. 125-133
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    発展途上国では, 自家用車や二輪車の保有率はかなり増加しているものの, 複数の自家用車・二輪車を保有している世帯はごく限られているため, 送迎を中心とした過大なトリップチェインが形成され, 道路混雑を一層深刻なものとしている. そこで本研究では, 世帯内の複数旅行者によるトリップチェインの形成と交通手段選択行動をネスティッドロジットモデルの枠組みでモデル化し, バンコクで収集したデータに適用した. 構築されたモデルを用いて, 都市圏における自動車利用に対する「アメとムチ」型の交通政策を行った場合の交通量削減効果の分析も行った.
  • 李 偉青, 中前 栄八郎, 三好 孝治
    2001 年2001 巻688 号 p. 135-144
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ラスタ地形図からの等高線の自動抽出とその固有の高度を求めることは困難な作業である. 本論文では, 等高線間の連続性に注目した自動抽出アルゴリズムを提案する. すなわち、一つの等高線のすべての点は同一標高値を示し, すべての隣接等高線の高度は異なりほとんどの巾広の等高線はそれ自身の高さを示す数字をもっている. これらの情報を活用することによって, 等高線の形状と高度を自動的に検出し認識することができる. 提案手法の有用性が幾つかの実用例で示されている.
feedback
Top