土木学会論文集
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2001 巻, 669 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
  • 菅田 紀之, 尾崎 〓
    2001 年2001 巻669 号 p. 1-16
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリートの疲労特性の把握および疲労強度改善のために行った各種コンクリートの試験結果を取りまとめると共にひずみ変化等の検討を行った. また, 繰返し荷重を受けたコンクリートの細孔構造の変化について検討を行った. その結果, 湿潤状態のコンクリートの疲労強度は既に知られている程度に乾燥状態よりも小さくなること, 骨材界面の遷移帯を強化することにより湿潤状態における疲労強度の改善が期待できることを示した. また, 乾燥状態におけるコンクリートの疲労損傷は繰返し載荷初期より遷移帯において起こり, その損傷が徐々に進行し破壊に至る. 湿潤状態では, 疲労破壊直前まで遷移帯の損傷は少なく, 遷移帯に損傷が発生するとその損傷が急速に進み破壊に至ることを明らかにした.
  • 竹内 康, 小梁川 雅, 牧 恒雄, 丸山 暉彦, 木村 慎
    2001 年2001 巻669 号 p. 17-25
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 1997年から98年にかけて建設省土木研究所 (PWRI) で行われた実物大コンクリート舗装の静的載荷実験データおよび平板FEMによる応力解析結果から, 路盤支持力係数 (K値) と Boussinesq 路盤の弾性係数の換算式について検討した. その結果, コンクリート版での曲げ応力の解析を行うためには, Vesic によって導かれたK値から弾性係数を求めるための換算式に1.50を乗じる必要があることがわかった.
  • 睦好 宏史, 牧 剛史, Wael A. ZATAR
    2001 年2001 巻669 号 p. 27-38
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    鉄筋コンクリート橋脚の地震後の残留変位を制御する手法を確立するために, プレストレスを導入したRC橋脚の模型供試体を作製し, 正負交番載荷実験, 仮動的実験, 地震応答解析を行い, その基本的耐震性状を明らかにするとともに, 復元力モデルを提案した. また, 非線形残留変位応答スペクトルを求め, プレストレス導入率が残留変位に及ぼす影響を定量的に明確にした. プレストレスをRC橋脚に適切に導入することによって, 地震後に要求される残留変位を制御できることが明らかとなった.
  • 山口 明伸, 西村 次男, 魚本 健人
    2001 年2001 巻669 号 p. 39-49
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    各種FRPのクリープ破壊機構を定量的に解明し, その長期耐久性の評価手法を提案することを目的として, 繊維の破壊確率理論に基づくクリープ破壊モデルの構築を試みた. 本モデルは, AFRP, CFRP, GFRPの3種類のFRPロッドを対象としており, まず, それらの構成材料である各種繊維およびマトリックス樹脂の時間依存的破壊特性を実験的に明らかにすると共に, 各種繊維単体の破壊特性をワイブルの確率理論に基づき定量的に評価することを試みた. さらに, これら構成材料の影響を考慮した各種FRPロッドのクリープ破壊モデルを構築し, 実験データとの比較によりその妥当性を検討した. その結果, 本モデルにより, 各種FRPのクリープ破壊の定量的な評価が可能であることが明らかとなった.
  • 大下 英吉
    2001 年2001 巻669 号 p. 51-69
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, コンクリートのクリープ性状に及ぼす間隙水の水分移動の定性的・定量的な影響評価を行うことを目的として, 供試体内部における間隙水の拡散現象および外部への浸出現象を統一的に評価可能なクリープモデルの構築およびそれに間隙水およびセメントペーストの粘弾性挙動を導入したクリープモデルの構築を行った. そして, クリープ性状に及ぼす間隙水の水分移動の影響に関する実験的および解析的評価を行い, その影響を明確にした. さらに, クリープ性状に及ぼす間隙水の水分移動の影響および間隙水とコンクリート骨格の粘弾性挙動の影響および両者の相関性に関する評価も行い, コンクリートのクリープ機構の解明を実施した.
  • 佐川 康貴, 松下 博通, 岳尾 弘洋
    2001 年2001 巻669 号 p. 71-83
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    既存のコンクリート構造物に対する補修, 補強が注目されている中で, 炭素繊維シートを用いた接着工法が数多く研究され, 適用事例も増加している. 鉄筋コンクリート部材を炭素繊維シートで補強した場合, 補強効果は面接着による付着応力に依存し, その破壊性状は鉄筋コンクリート部材とは異なる性状を示すものと考えられる. 本研究では炭素繊維シートとコンクリートの付着性状を明らかにするとともに, 補強効果に影響を与える因子として特に炭素繊維シートの引張剛性に着目した. さらに, コンクリートに損傷を与えることなく補強後の部材の耐力を高めることができる方法として, 炭素繊維シート接着端部のみを積層する「増し貼り定着」を提案した.
  • 白濱 昭二, 服部 篤史, 宮川 豊章
    2001 年2001 巻669 号 p. 85-97
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    現在, プレストレストコンクリート部材に用いるコンクリートあるいは鉄筋に関して, 高強度を有するものが実用化されている. しかし, PC鋼材については高強度のものが開発されているものの, 今だ一般化されるには至っておらず, 従来強度のものが使用されているのが現状である. 本研究では, 高強度PC鋼材と, 100MPa級の高強度コンクリートを含めた強度の異なるコンクリートを組み合わせたプレストレストコンクリート部材の曲げ載荷試験を行い. その実用化について検討を行った. さらに, ファイバーモデル法による試算を行い, 高強度コンクリートを使用した場合の導入プレストレスに関する検討を行った.
  • 福留 和人, 長瀧 重義, 坂本 守, 鈴木 達雄, 喜多 達夫
    2001 年2001 巻669 号 p. 99-108
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    セメントおよびフライアッシュを最適含水比に近い水粉体比で練り混ぜると練上り直後は, 湿気のある粉の状態となるが, 振動を与えると流体状に性状が変化し, 密に締固めることが可能となる. この現象を利用してフライアッシュ硬化体を製造すれば, 単位水量, セメント量および水粉体比を大幅に低減できるため, 経済的に品質の均一な硬化体を製造することが可能となる.
    本研究では, フライアッシュ硬化体の配合設計および品質管理手法の検討を行った. 検討の結果, フライアッシュの流動特性から配合を選定できること, 流体化時間に基づく品質管理が可能であることを見出した.
  • 藤掛 一典, 上林 勝敏, 大野 友則, 水野 淳, 鈴木 篤
    2001 年2001 巻669 号 p. 109-123
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    衝撃荷重を受ける鉄筋コンクリート構造物の耐衝撃性・安全性を合理的に検討するためには, 高ひずみ速度下におけるコンクリートの力学的侍性を把握することが重要である. 従来, コンクリートの動力学的特性を調べた実験的研究は一軸応力下におけるものがほとんどである. しかしながら, 実際の鉄筋コンクリート構造物の内部応力が一軸状態にあることは極めて特殊な場合であり, コンクリートは一般には複雑な多軸応力状態にあると考えられる. そこで本研究では, 新たに急速三軸圧縮載荷装置を開発し, 実験に用いるコンクリートの圧縮強度, 側圧ならびに載荷速度をパラメータとする急速三軸圧縮載荷実験を行い, 多軸応力下におけるコンクリートの力学的性状に載荷速度が及ぼす影響を定牲的・定量的に調べている. また, 有限要素解析法に組み込んで使用できるひずみ速度効果を考慮した直交異方性構成モデルの定式化を行っている.
  • 藤掛 一典, 上林 勝敏, 大野 友則, 江守 克彦
    2001 年2001 巻669 号 p. 125-134
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    高速の引張載荷を受けるコンクリートの軟化領域における挙動は, 未だ十分には把握されていない. これは, コンクリートが脆性材料であるために引張軟化領域では破壊が極めて急速に進行し, かつコンクリートの引張変形量が微小であることから引張軟化挙動を計測することが極めて困難であるという試験技術上の問題に起因していると考えられる. 本研究では, コンクリートの動的軟化挙動を計測するための試験方法について検討するとともに, 載荷速度をパラメータとする急速一軸引張載荷試験を行い, ひずみ速度がコンクリートの引張軟化挙動に及ぼす影響について検討を行っている. さらに, 試験結果に基づいてひずみ速度の影響を考慮したコンクリートの引張特性の定式化を行っている.
  • 上林 勝敏, 藤掛 一典, 大野 友則, 水野 淳, 鈴木 篤
    2001 年2001 巻669 号 p. 135-148
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    実際の鉄筋コンクリート構造物中のコンクリートは, 複雑な荷重の作用や鉄筋等の拘束によって多軸応力状態にあると考えられる. したがって, 衝撃荷重を受ける鉄筋コンクリート構造物の耐衝撃性・安全性を合理的に検討するためには, 高ひずみ速度・三軸圧縮応力下におけるコンクリートの軟化挙動を把握することが重要である. 本研究では, 試験に用いるコンクリート円柱供試体の圧縮強度, 作用側圧ならびに載荷速度をパラメータとする急速三軸圧縮載荷試験を行い, これらのパラメータがコンクリートの三軸応力下におけるひずみの局所化および動的軟化挙動に及ぼす影響について検討を行っている. またさらに, 試験で得られた破壊領域内の軸方向圧縮応力-平均軸方向圧縮ひずみ関係に基づきその定式化を行っている.
  • 三方 康弘, 井上 晋, 小林 和夫, 仁枝 保
    2001 年2001 巻669 号 p. 149-159
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 断面下縁のプレストレス量および断面内のプレストレス分布を変化させたせん断補強筋を配置していないPCはり部材ならびにせん断破壊先行型のPRCはり部材の載荷試験結果をもとに, 各種基準類における耐力式や修正圧縮場理論を用いてこれら供試体のせん断耐力を算出し, 実験および解析の両面からコンクリートが負担するせん断力に及ぼすプレストレスの効果について検討した. さらにそれらの結果より, せん断耐力に及ぼすプレストレスの効果を簡便に評価する手法を提案し, その整合性について検討を行った.
  • 元 路寛, 関 博
    2001 年2001 巻669 号 p. 161-171
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    鉄筋腐食により鉄筋コンクリート部材の性能は低下すると考えられ, 既存の構造物の供用性能を予測するためには, 鉄筋の腐食量とひび割れ幅の関係を明らかにする必要がある. 本研究は, 円筒モデルを基本の算定モデルとし, 鉄筋腐食によるひび割れ発生時点の鉄筋腐食量および発生後の腐食量とひび割れ幅の関係の基本算定式を誘導し, さらに, ひび割れ発生状況およびひび割れ幅と鉄筋腐食量の関係を把握するために, 材料非線形性と幾何学的非線形性を考慮した有限要素解析を行った. 基本算定式を基礎にし, 有限要素解析によりかぶり, 鉄筋径, コンクリート強度の各種要因を考慮した鉄筋腐食によるひび割れ幅と鉄筋腐食量の修正算定式を提案した. また, 既往の実験データ及び調査結果を用いて, 解析結果と比較し修正算定式の妥当性を検証した.
  • 小林 孝一, 宮川 豊章
    2001 年2001 巻669 号 p. 173-186
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年, RC構造物の早期劣化が問題となっている. 中でも代表的なものに電気化学反応である鋼材腐食を伴う塩害があげられるが, そのモニタリング手法としては分極抵抗法が有効であると考えられる. しかし, 腐食量を正確に推定するのは困難であるのが現状である.
    そこで本研究は実構造物への実用性に優れた重畳矩形波法と, より正確な交流インピーダンス法のそれぞれの特徴を把握したうえで, 両者を組合わせることによって, 塩害による鋼材の腐食量を定量的に把握することを目的とし, マクロセル腐食の場合のように同一鉄筋内で腐食速度の異なる場合の腐食速度をより高い精度で推定することを可能とした.
  • 石田 哲也, 加藤 智治, 二宮 宗, 前川 宏一
    2001 年2001 巻669 号 p. 187-201
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, コンクリート打設直後に発生する, RC構造物中に達成される材料品質の不均一さを定量化する事を目的としている. コンクリートの初期品質に影響を与える因子として, 構造諸元, 施工法, 及び材料特性を取り上げ, 各要因を系統立てて変化させた, 実構造部材を想定した供試体を作製した. 材料分離を示す巨視的な指標として空隙率を場所毎に測定し, 統計処理を行うことで, 各要因の影響度の定量評価と, 場所毎に異なるコンクリートの初期品質を与える簡易手法を提案した. また, 初期品質の相違による長期耐久性への影響を明らかにするために, 場所毎に採取した供試体に促進中性化試験を施すとともに, 本実験結果と土木学会により提案されている耐久設計指針との比較を試みた.
  • 国枝 稔, 川瀬 貴行, 鎌田 敏郎, 六郷 恵哲
    2001 年2001 巻669 号 p. 203-213
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ひび割れ注入材の付着特性を評価するには, 実構造物にできるだけ近い条件下で性能評価を行なうことが望ましい. 本研究では, 注入面の表面性状や付着試験に用いる供試体寸法の違いが, 曲げ付着特性に与える影響について, 破壊力学パラメータを用いて実験的に検討した. 注入面の性状の違いは, 曲げ付着強度のみならず破壊エネルギーにも影響を及ぼすことが明らかとなった. また, 補修供試体の曲げ付着強度の寸法効果は, 比較供試体 (コンクリート) の曲げ強度のそれに比べて大きいことが明らかとなった. 注入面に存在する脆弱層が, ひび割れ発生以降の挙動に影響を及ぼすことが, 引張軟化曲線および破壊エネルギーを用いた検討により明らかとなった.
  • 星隈 順一, 運上 茂樹, 長屋 和宏
    2001 年2001 巻669 号 p. 215-232
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    曲げ破壊型の鉄筋コンクリート橋脚に対する破壊までを考慮した実験としては世界でも最大規模の正負交番載荷実験を行うとともに, これを可能な限り理想的にスケールダウンさせた縮小模型に対しても同様な実験を行い, 繰り返し荷重下における塑性変形挙動について, 拘束効果, 曲げ性状, 軸方向鉄筋の伸び出し性状の観点から断面寸法の影響について検討を行った. その結果, 断面寸法が大きくなると帯鉄筋による軸方向鉄筋の座屈抑制効果が小さくなること, 塑性曲率が生じる範囲は縮小模型の方が相対的にやや広くなったが, これは軸方向鉄筋の座屈長の相対的な差によるものであること, フーチングからの伸び出し変位は, 縮小模型の方が相対的にやや大きくなる傾向があることが明らかとなった.
  • 川崎 秀明, 松下 博通
    2001 年2001 巻669 号 p. 233-242
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    PCエクストラドーズド橋は, PC斜張橋とPC箱桁橋の中間領域の支間長に適する橋梁形式として近年実施例が増えているが, 従来の同形式は3径間以上であり主塔の高さも10~15mと低く抑えられている. これに対し2径間の場合, 両端支持であるため元々応力変動や変位に対して強く, その分主塔高を高くすることによって主桁の応力状態を大きく改善し, 主桁・斜材の部材量を低減することが可能と考えられる. そこで, 主塔・主桁・斜材の主要3部材の特性と限界を分析し構造系全体の最適化を進め, 結果として従来PCエクストラドーズド橋の倍程度 (斜張橋の半分程度) が経済的に最も有利であり, 応力上も問題ないことが判った. この成果は設計と施工によって確認したが, 本研究はその経験も踏まえてより最適な橋梁構造を提案するものである.
  • 堀井 雅史, 福田 正
    2001 年2001 巻669 号 p. 243-251
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 凍結防止剤の事前散布を支援する冬季道路の路面凍結予測システムの構築を目指したものである. このために, ニューラルネットワークと判別分析を用い, 路面温度の時系列的変動と路面上の水分の有無を検知するモデルを構築し, これらを統合することにより, 3時間後の路面凍結予測システムを確立した. 本予測システムを適用した結果, 3時間後の路面凍結を実用的に高い精度で予測可能であることが明らかとなった.
  • 加賀谷 誠, 鈴木 徹, 國分 修一, 徳田 弘
    2001 年2001 巻669 号 p. 253-266
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    インデント加工した鋼繊維および両端フック付きの鋼繊維を舗装用転圧コンクリートに混入したときの所要の修正VC値を得るための単位水量, 細骨材率および鋼繊維混入率を明らかにし, 高性能AE減水剤による減水程度および適切な添加率を明らかにした. また, 材料分離程度が無混入の場合より小さくなること, 配向角が転圧により水平に近づくため補強効果が上がること, 曲げ強度および曲げ靱性係数が向上すること, ならびに摩耗アスファルト舗装版上へのオーバーレイを想定した材齢7日の付着強度は無混入の場合と同程度であることを明らかにした. 最後に, 凍結融解抵抗性が改善されること, 単位水量は増加するが, 乾燥収縮は無混入の場合と同程度となることを明らかにした.
  • 柳沼 宏始, 吉田 武, 池田 拓哉
    2001 年2001 巻669 号 p. 267-276
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    インターロッキングブロック (以下ILブロック) による車道舗装では, クッション砂と目地砂の品質が舗装路面の供用性を良好に保つために重要である. そこで, 車道舗装に使用するクッション砂と目地砂の耐久性評価と品質規格の確立を目的に, 1997年度より土木研究所にて実車による走行実験を実施した.
    走行実験から, 天然砂が最も良好な供用性を示したのに対して樹脂による固定工法では, ブロックの移動による破損や目地砂の消失が顕著に認められた. また, 目地砂の消失を防ぐには, クッション砂と物性の近似している材料が望ましいこともわかった. これらの結果を踏まえて, 車道舗装に用いるクッション砂の品質は, 従来の品質規格に, 新たに突固め試験による細粒化に対する抵抗性を加えることを提案する.
  • ピマンマス アモン, 前川 宏一
    2001 年2001 巻669 号 p. 277-291
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, せん断を受ける鉄筋コンクリートはりのせん断挙動に及ぼす, 先行ひび割れの影響を検討したものである. 厳しい実環境下におかれる部材では, 予めひび割れが導入されることは避けられない. この先行ひび割れが構造的に導入されるせん断ひび割れに及ぼす影響について, 実験的検討を行った. 予めひび割れが先行して存在する梁のせん断破壊挙動と, 部材貫通するような先行ひび割れがない梁とでは, 挙動に大きな差が見られた. せん断ひび割れに非直交する先行ひび割れによってせん断耐力が向上し, 荷重-変形関係が変化することが示され, この機構について検討を加えた.
  • ピマンマス アモン, 前川 宏一
    2001 年2001 巻669 号 p. 293-307
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    先行ひび割れを有するRCはりのせん断破壊挙動を対象として, 鉄筋コンクリートの力学における多方向固定ひび割れモデルの適用性と精度の検証を行った. 数値解析において, 1) 多方向載荷と履歴依存性の考慮, 2) 多方向ひび割れを有するコンクリートの取り扱い, 3) ひび割れ面におけるせん断伝達特性と異方性の表現が不可欠な問題であることが確認された. この要件に対して, 独立非直交の4方向ひび割れモデルを適用することが可能なこと, また先行ひび割れを有するRC部材のせん断破壊等の解析結果と実験結果の比較から, このモデル化が十分有効であることを検証した.
  • Torsak LERTSRISAKULRAT, 渡辺 健, 松尾 真紀, 二羽 淳一郎
    2001 年2001 巻669 号 p. 309-321
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    一軸圧縮応力が作用するコンクリートの破壊メカニズムと局所化の影響について, 実験的に検討した. コンクリートの軸方向局所ひずみ分布を, コンクリート供試体内部に埋め込んだひずみゲージによって測定した. そして, 供試体形状やコンクリートの特性を考慮して, 局所圧縮破壊長さを決定し, それに基づいてコンクリートの圧縮破壊エネルギーを提案した. 本実験の結果から, 圧縮破壊の局所化が生じる場合, 局所圧縮破壊長さは供試体断面の大きさのみに依存し, また圧縮破壊エネルギーはコンクリート強度に左右されることを明らかにした.
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