土木学会論文集
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1999 巻, 637 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 六波羅 昭
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 1-14
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 古家 和彦, 北川 信, 中村 俊一, 鈴村 恵太, 聖生 守雄
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 15-28
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    吊橋ケーブルに種々の防食方法を施した試験体を製作し, 海浜地区に4年間におよび暴露した後, 解体調査し, これらの防食性能を比較研究した. 主な試験体は, 従来の防食仕様 (鉛酸カルシウム含有高分子有機鉛ペースト+ワイヤラッピング+塗装), 海外での一般的仕様 (鉛丹ペースト+ワイヤラッピング+ゴムラッピング), および新しく提案した改良仕様 (改良ペースト+Sワイヤラッピング+塗装) である. いずれの防食仕様においてもケーブル表面の被覆には顕著な劣化等は認められなかったが, ケーブル内部には腐食が認められた. しかし, 改良仕様の試験体の腐食は従来および海外仕様の試験体に比べ小さいことを見出した.
  • 沖村 孝, 二木 幹夫, 岡本 敦, 南部 光広
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 29-41
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文では, 兵庫県南部地震による宅地擁壁の被害実態を述べるとともに, 各種要因との関係を分析し, 被害原因についての考察を行った. 被害のあった代表的な箇所については, 被害のあったところとその近傍で被害のなかったところを対比する形で地盤調査を行い, 地盤と被害との係わりについて考察を行った. その結果, 地震による被害発生の原因と地震時における宅地擁壁の安定性を明らかにすることができた.
  • 志村 勉, 辻角 学, 宮森 雅之, 依田 照彦
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 43-52
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年, 我が国では急速な建設コスト縮減要請の高まりを受けて, 鋼橋の分野でもコスト縮減に関する多くの試みが行われている. しかしながら渦中においても, 箱桁橋の合理化に関する改革が, 充分な進展を遂げているとは思われないのが現状である. そこで箱桁橋の合理化に向けた一つの方向性として, 箱幅の狭小化を前提に縦リブ数の低減, 横リブの省略, および床版の強化による縦桁の省略を図ることが考えられる. これにより材片数, 部材数などの大幅な縮減が可能になり, 製作および現場での架設などのコスト削減が期待される. 本論文では, これらの建設コストの縮減効果について試算を試みた結果と考察ならびに最適な箱幅について論じたものである.
  • 豊福 俊泰
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 53-62
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本文は, 高速道路の分岐部などの施設や構造物に衝突して起こる障害物衝突事故にともなう交通死亡事故を減らすため、これらの箇所に設置する緩衝施設 (衝撃吸収装置) の性能を, わが国で初めて実車試験によって確認するとともに, 実際に高速自動車国道で試験施工が行われた箇所の追跡調査結果から, その効果を検討したものである.
  • 菊池 英明, 古川 浩平, 小山 保郎, 奥園 誠之, 西岡 勲
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 63-77
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    現在, 日本道路公団中国支社管内では, 高速道路の調査・設計, 施工時の資料に基づき標準化された切り土のり面データの整備が行われ, 降雨データは気象庁アメダスや道路公団管理の路線沿いの観測所からリアルタイムで入手が可能となっている. 切り土のり面の崩壊は崩壊の素因となる斜面要因と誘因である降雨要因により発生することから, 標準化されたデータベースと降雨データを有効に活用した崩壊予測システムの構築が望まれている. そこで本研究では, これらのデータを用いた豪雨時の崩壊発生予測システムの構築を行い, リアルタイム予測への適用を試みた. そして, 標準化されたデータを用いたシステムを構築する上での留意点について述べる.
  • 奥田 庸, 阿部 敏夫, 進士 正人
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 79-92
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    都市域においてトンネルを掘削する場合, 重要構造物と交差したり近接することは通例であり, 地表面沈下の問題は避けて通れない重要課題である. 特に, 土被りが浅い未固結地山の場合, 地質による影響を強く受けた特異な非線形的な変位挙動を示す場合が多い. このような状況から, 地表面沈下に対する対応が困難で, 対症療法的な対策を迫られる場合も散見されるが, 本質的には沈下のメカニズムを把握することが重要な課題である. 本論文では, 洪積砂層と盛土層の2つの異なった地山において採用された抑止対策 (掘削工法によるものとしてCD工法とその改良工法であるCRD工法の2例, 補助工法によるもの1例) を例として逆解析を実施し, 地表面沈下のメカニズムおよび各抑止工法に対する効果を明らかにした. さらに, 適用した逆解析法が十分実用に供し得ることを検証した.
  • 秩父 顕美, 吉野 広司, 佐藤 一彦
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 93-102
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    シールド掘進機に装備されたディスクカッタの摩耗量を定量的に把握するために, 掘削中に計測される機械量データを利用して推定する経験式を提案し, 4件のシールド工事における計測データを用いて検証した. この方法はカッタヘッドの回転により掘削地盤に対して行った回転掘削仕事がディスクカッタの摩耗に密接な関係があることに着目し, 機械量データの一つであるカッタトルクから導いた掘削係数KTを変数として摩耗量を推定するものである. 検証の結果, 摩耗率はシールド工事の掘削条件とは独立にKTの2乗と比例関係にあり, 比例係数は逆に地盤の強度特性を除いた掘削条件の影響を受けて変化することが判明した. この関係式から掘削中の摩耗量はKT2の積算値に比例係数を乗じて算定することが可能である.
  • 古家 和彦, 北川 信, 中村 俊一, 鈴村 恵太, 聖生 守雄
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 103-114
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年実施された因島大橋や大鳴門橋等の現地調査により, 吊橋ケーブルが腐食していることが発見された. そこで, ケーブル内部の腐食機構を推定するため, 模擬ケーブルおよび実橋ケーブルを用いた腐食環境の調査, 濡れ状態にある亜鉛めっき鋼線の腐食シミュレート試験, 劣化ペースト中の亜鉛めっき鋼線の腐食シミュレート試験を実施した. その結果, ケーブル内の滞留水がケーブル内部を高湿度化し温度変化の大きい表層部では結露による腐食環境を形成すること, 濡れ状態にある亜鉛めっき鋼線は腐食しやすいこと, 劣化した鉛酸カルシウム含有高分子有機鉛ペーストが亜鉛めっき鋼線の腐食を促進する可能性があることを見出した.
  • 森山 陽一, 前田 良刀, 古川 克三, 柴田 厚志, 林 正宏
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 115-124
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    鋼管ソイルセメント杭は, セメントミルクを地盤中に注入攪拌することにより造成したソイルセメント柱に, 芯材として外面リブ付き鋼管およびリブの無い鋼管を使用した合成杭であり, 低騒音・低振動・低排土で施工できる杭工法である. 本工法を飛島高架橋西 (下部工) 建設工事において採用するにあたり, 設計法の改善およびコスト縮減を目的として, 2本の杭について現場載荷試験 (水平載荷試験後にさらに鉛直載荷試験を実施した杭と, 鉛直載荷試験のみを実施した杭) を実施した. 本論文では, 最初に, 水平載荷試験, 次に, 鉛直載荷試験について述べ, 支持力特性を検証した結果について述べる. さらに, これらの試験で得られた知見を設計法に反映した結果について述べる.
  • 黒台 昌弘, 大林 成行, 沖 政和, 笠 博義
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 125-135
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    最近の土木建築構造物は, ますます長大化・高層化の傾向にあり, これらに対応できる出来形計測手法が期待されている. 本研究では, GPSの新しい適用方法として, 出来形計測の1つである高層構造物の鉛直施工精度の計測に注目している. 本研究では4つの実験を通じて, 高層構造物の鉛直施工精度の計測にGPSを中核とした計測手法が適用可能かどうかについて検討するとともに, 実用化に向けた計測手法を提案するものである. 実験の結果, 高さ100~160mの地点でもGPSによる計測が可能であり, また, 従来行われてきた鉛直器等を用いた手法と比べて10mm程度の較差で鉛直施工精度を計測することが可能であることが判明した.
  • 荘司 喜博, 高橋 邦夫, 浅井 正, 角野 隆
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 137-148
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    発電事業などの副産物である石炭灰は, いまだに大量が産業廃棄物として処分されている. 石炭灰は, セメントを添加して固化し, 必要な強度をもたせることにより, 軽量で高強度な地盤材料として利用できる可能性がある. そこで, 石炭灰を固化処理した地盤から岸壁に作用する土圧の算定手法を提示し, 土圧軽減効果を評価した. また, 室内および現地で試験を行い, 配合設計と施工条件を検討した上で. 酒田港の大型岸壁建設工事で, 約5万m3の石炭灰を裏込め工事に使用した. この結果, 少量のセメント添加で (c/w=5%). 砕石に相当する土圧低減効果を発揮する裏込め (地盤強度; qu≧2.0kgf/cm2≒0.196N/mm) が施工できること, また, 建設コスト縮減の面でも効果があることが確認された.
  • 鄭 勝仁, 中村 秀明, 宮本 文穂, 藤原 充
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 149-164
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 離散値空間に対する解探索手法として近年注目されている遺伝的アルゴリズム (GA) に着目し, 解空間から複数の近似最適解を探索することを目的としたGAベースの解探索手法である連鎖探索型GA (RS-GA) を提案している. RS-GAは, 所謂, 単純GAを基本として解探索を連続的に行い得るアルゴリズムとして改良している. このことから, 例えば構造最適化問題にRS-GAを応用した場合, 設計空間から高適応度を有する設計可能解を複数探索することが期待される. 以下では, 2次元および3次元の多峰性関数を例に用いてRS-GAの解探索特性を検証し, その後, 工学問題への応用として合成鈑桁の外ケーブル補強設計問題を例に, RS-GAの有用性を複数の近似最適解の探索結果をもとに考察している.
  • 山田 幹雄, 松島 保志, 佐野 博昭, 奥村 充司
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 165-175
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では建設副産物の有効利用の一環として, また, 補修周期の延伸化の一策として, 再生混合所に搬入したアスファルトコンクリート発生材の一次選別時に生じるグリズリフィーダ通過材を活用した路床構築の可能性について検討した. 模擬路床の構築試験に先立ち, 室内で粒径を揃えた材料を安定材とともに試料土に加えてCBRや一軸圧縮強さの推移を調べたところ, 混入量を多くするほど安定処理効果は大きくなることが確かめられた. さらに, 構築試験および事後試験からは, 粒度組成にかかわらず舗装の施工基盤として具備すべき締固め度や支持力は十分に確保されること, 改良路床土の固化の進行には路床温度が関与すること, 耐水性を通常の安定処理土と比較してもとくに遜色のないことが示された.
  • 栖原 秀郎, 藤村 怜司, 久保井 洋太
    1999 年 1999 巻 637 号 p. 177-182
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    現在ISOでは, ISO9000シリーズとISO14000シリーズとの将来的な統合・一本化を目指した両システムの両立性についての具体的な検討がなされている. また, 両規格は原則として共通のマネジメントシステムを共有しているとされており, 日本のISO審査機関においても統合あるいは複合審査を行う動きが出てきつつある.
    このような背景に基づき, 著者等は建設業で初めて品質・環境統合マネジメントシステムを構築し, 既に取得済みのISO9001との統合審査によって, ISO14001の認証を取得したのでその内容について報告する.
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