土木学会論文集
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1999 巻, 617 号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
  • 小林 一三, 飯塚 敦, 太田 秀樹
    1999 年1999 巻617 号 p. 1-18
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    正規圧密粘性土供試体がせん断に伴って局所変形を顕在化させ, 最終的に破壊に達するまでをシミュレーションしている. 供試体内に発生する局所変形モードの遷移を追跡するために, 有限変形理論に基づく土/水連成有限要素解析プログラム (DACSAR-F) を開発した. このDACSAR-Fを用いて, せん断が進行するにつれて, 初期不整として与えられた局所変形モードが次第に特定の局所変形モードに収斂し, かつ顕在化して終局の破壊状態に至るというモードスイッチングの様子を示し, 実験において, 供試体成型時に不可避に導入されているであろう初期不整と間隙水のマイグレーションがこのモードスイッチングにどのように関わっているかを示した.
  • 山本 茂樹, 成瀬 善果, 園田 玉紀, 山浦 昌之
    1999 年1999 巻617 号 p. 19-29
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    長大橋梁の基礎構造物を風化花崗岩等の軟岩上に設置する場合, その地盤の変形特性を正しく評価することが, 変形予測や基礎構造物の合理的な設計のために重要である. 本論では, 風化花崗岩の変形予測を検討するため, 施工段階における地中変位計測の解析結果から, 岩盤等級のDHおよびCLクラスにおいて得られた以下の知見について報告する.
    (1) 浅い深度では, 変形係数のひずみ依存性が大きいこと
    (2) 深い深度では, 岩級区分に関わらず変形係数の拘束圧依存性が大きいこと
    (3) 基礎地盤の表層付近では, 大規模掘削等が地盤の変形特性に影響を与えること
  • 榎本 文勇, 楊 雪松, 宇賀 和夫
    1999 年1999 巻617 号 p. 31-47
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ボックスカルバートのプレキャスト化は, 現場作業の省力化や高品質化そして軽量化等の観点から, 規格化等が推進されてきており, 最近では建設コストの縮減の観点からも注目されている. プレキャスト部材では, 従来から接合部の評価が大きな課題とされてきた. ここでは, 接合部に高弾性のゴムを挟むことにより, 接合部をより積極的に評価して函軸方向の柔構造化を図ることで, 大変位追随性と高水密性とを確保する函体について検討する. 本論文では, 連続剛体梁の理論に基づき, 複数の函体ブロックの接合部に非線形のバネを挟み, 緊張材により一体化する場合における, 施工段階の有効プレスドレスの変化を考慮したプレキャストPC函体の縦方向の一解析法について提案し, その適用性について検討する.
  • 東田 淳, 吉村 洋
    1999 年1999 巻617 号 p. 49-63
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    これまで実際施工で種々の問題を引起こしてきたたわみ性埋設管の現行設計法に代わる合理的設計法を提案した. まず, 基礎理論であるマーストン・スパングラー理論の原理上の矛盾を指摘し, 土と構造物の相互作用の観点に立脚した新しい設計概念を提示した. 次いで, この概念に基づいて, 著者らが多数の遠心実験との照合によって検証した弾性FEM解析モデルを, 設計用として単純化し, その妥当性を確かめた. そして, この設計用FEM計算モデルを用いて, 管に生じる鉛直たわみと最大曲げモーメントを, 埋設方式, 管剛性, 土の変形係数とポアソン比, 土被り高が変化する場合について求め, 設計図表として示した. 提案する設計法を用いれば, 実際と合致する設計値を合理的に予測でき, 続発する埋設管の破損事故を防ぐことができる.
  • 鎌尾 彰司, 山田 清臣
    1999 年1999 巻617 号 p. 65-76
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    盛土載荷に伴う高有機質土地盤の側方変位挙動については未だ十分に明らかにされていない.
    著者らは, 盛土載荷に伴う高有機質土地盤の変位予測法の提案を目的に一連の研究を行っている. 今回は, 盛土載荷速度に着目した室内モデル土槽実験を実施して, 軟弱地盤厚などの影響を考慮に入れた周辺地盤の地表面変位挙動の予測法の提案を行った. そして, 既往の現地計測データにより予測式の検証を行った. この結果, 提案した予測式で盛土載荷に伴う高有機質土地盤の変位挙動を精度良く推定することができた.
  • 川崎 了, 中川 加明一郎, 江藤 芳武, 野崎 明人, 小泉 和広
    1999 年1999 巻617 号 p. 77-87
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    地下構造物を大深度礫岩に建設する際には, 礫の影響によりコアの強度および剛性が原位置岩盤よりも過大に評価されたり, 逆に, サンプリングによる乱れの影響によって, 原位置岩盤よりも過小に評価されることが想定される. そこで, 深度600mのボーリングコアを用いた大深度礫岩の室内試験を実施し, 礫岩コアの品質評価を行った. その結果, 礫岩コアの品質に影響を与えるサンプリングによる乱れには, 礫分含有率と方解石含有率の2つが複雑に関与しており, 特に, 方解石含有率が小さく礫分含有率が小さいほど, 礫岩コアがサンプリングによる乱れの影響を受けやすいことがわかった.
  • 安福 規之, 落合 英俊, 前田 良刀
    1999 年1999 巻617 号 p. 89-100
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 地盤力学的な考察に基づいて, 主として砂質土地盤を対象とした場所打ち杭の周面摩擦力度と全周面摩擦力の合理的な算定方法を示し, その有用性を室内試験, 原位置摩擦試験, 実杭の載荷試験および既往の文献データによって検証した. 主要な結論は次のとおりである. 1) 土の限界状態における強度パラメーターは, 周面摩擦力度を合理的に評価するための設計パラメーターとしては, 有効である. 2) 地盤と杭材の摩擦の発現メカニズムを考察することによって周面摩擦力度を精度良く評価するための水平土圧係数の算定式を提案した. 3) この提案式を利用して, 全周面摩擦力を算定するための平均化した水平土圧係数を導いた. 4) これらの算定式の有用性や妥当性を, しらす地盤を対象とした実杭の載荷試験および多くの文献データにより明らかにした.
  • 鄭 鍾範, 森脇 武夫, 住岡 宣博, 日下部 治
    1999 年1999 巻617 号 p. 101-113
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    サンドコンパクションパイル (以下SCP) 工法を軟弱粘土地盤に適用する際に, 施工機械の能力不足, 経済的制約などの理由からSCPを支持層である下部砂礫層まで打設せず, SCPの下部に粘土層を残す場合がある. このような場合は未貫通SCPと呼ばれているが, 現在用いられているSCP工法の慣用設計法では, SCPは下部支持層まで完全に貫通している場合を想定しており, SCPが軟弱地盤の途中で打ち止められている場合の取り扱いについては明らかにされていない. そこで本研究では, 未貫通SCP打設地盤の基本的な圧密メカニズムを解明することを目的として室内模型地盤を行った. その結果, SCP打設地盤の応力分担比は時間的 (圧密の進行) および場所的 (深度方向) にも変化し, その程度はSCPの打設深度, 置換率および相対密度に影響されることが明らかとなった.
  • 大西 有三, 朝川 誠, 林 真由
    1999 年1999 巻617 号 p. 115-124
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    硬岩の岩盤地下空洞では, 既存の不連続面によって形成されるくさび状岩塊の滑動や抜け落ちが岩盤の破壊を支配する. 本論文では, 奥多々良木発電所の空洞掘削現場に発生したキーブロックを例に, 事前の不連続面調査から空洞に発生するキーブロックの発生頻度, 必要な支保力を算出する手法を示す.
  • 野田 利弘, 高稲 敏浩, 浅岡 顕
    1999 年1999 巻617 号 p. 125-138
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    土留めの設計には古典的な土圧理論が用いられている. この土圧理論は, 土の極限状態を対象としていて変形や時間依存挙動を考慮できない. 本論文では, 深さ3mの掘削壁が (1) 自立する場合と (2) 自立しない場合の二種類の過圧密地盤を想定し, 土留め工に作用する土圧の時間依存的特性と土留壁の立て込み時期の影響を, 水~土連成有限変形計算により調べた. 土留め工の特性は, それに接触する土の変位速度に制約条件をつけることで表した. この結果, 掘削背面の土中における間隙水のマイグレーションによって, 発生土圧は掘削後時間とともに上昇して定常状態になるが, その大きさは掘削周辺の土を変位させてから土留め工を設置する方が小さく, またこの傾向は自立する地盤でより顕著であることが明らかになった.
  • 木山 英郎, 藤村 尚, 西村 強, 池添 保雄
    1999 年1999 巻617 号 p. 139-149
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    トンネル掘削・支保に伴い, 周辺地山は掘削部の解放応力の一部を負担し, 空洞維持に寄与する. この地山の支保能力を有効に利用するのがNATMの支保理念とされるが, その基本となる Fenner-Pacher 曲線型の地山特性曲線の物理的意味や実在性が未だ議論の対象となっている. 著者等は先に円形ライニングの2次元弾性解に基づいて, 支保工や地山の支保力を定量化する指標として, ライニング支保剛性, 地山支保剛性および総支保剛性を提案した. 本文では, これら支保剛性から Fenner-Pacher 曲線相当のトンネル支保特性曲線を理論的に構成する手法の開発と得られた特性曲線の力学的な意味や入力物性値の影響について論じ, NATMの支保理論に対する一つの定量的解釈を示す.
  • 西村 淳, 兵動 正幸, 中田 幸男, 村田 秀一, 小浪 岳治, 松岡 英明
    1999 年1999 巻617 号 p. 151-161
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ジオシンセティックスを用いた補強土壁が土留め構造物として広く利用されつつある中, 本構造が地盤変形に追従しうる柔構造物であるとの特徴があるゆえに, 変形を考慮した補強メカニズムの解明が望まれている. そこで, 小型の可動型擁壁装置を作成し, 伸び剛性の異なる3種の補強材および2種の裏込め試料を用いた一連の実験を行った. 本研究において, 無補強時との挙動比較および補強材に発生する張力の伝達状況や張力の分布形状を把握し, ジオシンセティックス補強土壁の変形挙動と安定性の関係に対する補強材の伸び剛性の影響について明らかにした.
  • 室 達朗, 河野 幸一, 山村 繁雄
    1999 年1999 巻617 号 p. 163-174
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 花崗岩と両輝石斑糲岩を対象として, T. B. M. のセンターに位置するローラカッタの掘削土量を向上させるためその円周部の断面を三角形としたローラカッタの掘削土量と摩耗量に及ぼすビット斜角の影響を実験的に究明することである. その結果, 単位仕事量当たりの掘削土量はビット斜角±π/36radにおいて極大値をとりその後漸増すること, ビットの摩耗量は, ビット斜角と転動距離の指数関数で表現され, 斜角0radにおいて極大値をとり, ±π/36radで最小値を示し, その後斜角の増大とともに単調増加することが明らかとなった. 従って, 単位仕事量当たりの掘削土量を最大ならしめ, かつビットの摩耗量を最小ならしめる最適ビット斜角は±π/36radであることが判明した.
  • 楊 俊傑, 諸戸 靖史
    1999 年1999 巻617 号 p. 175-189
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    不攪乱火山灰質粘性土のセメンテーション効果を調べるために, 青森県南部地方に分布している高舘ロームと神奈川県平塚にある関東ロームを用いた標準圧密試験と定体積一面せん断試験を行った. その結果, (1) セメンテーション効果は, 不攪乱火山灰質粘性土の圧密降伏応力を大きくするとともに, そのせん断強さを増大させる, (2) このセメンテーション効果は, 拘束圧の増大や凍結・融解作用により低下する, ことが明らかになった.
  • 徐 光黎, 前田 良刀, 落合 英俊, 安福 規之, 坂手 道明
    1999 年1999 巻617 号 p. 191-200
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ボーリング孔を縦方向に利用して, 原位置での摩擦強度を推定する試験装置であるSBIFT (Self Boring In-situ Friction Test) を開発してきた. このSBIFTでは, 杭などの軸方向摩擦力, せん断地盤反力係数及び変形係数などを推定することを主眼としている. 本文では, SBIFT装置の概要を示し, 試験から得られたデータの地盤力学的な特徴を理論的に検討した. また, 室内での大型三軸土槽を利用して, 力学特性の明確な砂地盤を用いた条件下でSBIFT装置による室内摩擦試験を行い, 得られたデータを模型杭載荷試験結果と比較した. さらに, これまでに得られた原位置でのSBIFTデータと三軸圧縮試験などの試験結果を比較し, 本試験法の実務への適用性について検討した.
  • 軽部 大蔵, 野並 賢, 鶴ヶ崎 和博, 山口 充
    1999 年1999 巻617 号 p. 201-211
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では実材料の強度を相似粒度試料から推定する方法を確立することを目的に, 相似粒度試料間の力学的特性の相似性を検討している. 力学試験としては母岩の異なる相似粒度試料の三軸圧縮CD試験を実施した. その結果, 初期相対密度を揃えた供試体では, 粒子形状の差異が粒度間における強度差の主要な原因であることが明らかとなった. 粒子破砕が軸圧縮中に発生したが, その圧縮強度への影響は明らかでなかった. ただし, 粒子破砕は粒子の角がとれる程度にとどまっていた.
  • 陽田 秀道
    1999 年1999 巻617 号 p. 213-224
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    新第三紀層泥岩の盤膨れ現象による被害が日本の各地に発生している. この現象は化学的風化作用によるものと考えられ, 硫酸イオンを含む土中水が, 地表面の乾燥に伴う毛細管現象で, 硫酸イオンが濃集し, 集積された硫酸イオンは土中のカルシウムと化合して, 石膏晶出が起こり膨張するとされていた. しかし, 被害発生状況や現象が普遍的でないことから, 著者は, 細菌の協調作用によって硫酸イオンが作り出されることに着目した. さらに, この現象は, 第三紀層泥岩と関わりをもつ土木構造物にも影響を与えるものと考え調査および考察を行った.
  • 山田 文孝, 中山 昭彦, 櫻井 春輔
    1999 年1999 巻617 号 p. 225-234
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    岩盤の透気性分布から地下空洞周辺のゆるみ領域を判定する「真空透気試験」の測定データ, 特に試験中に吸引する空気の挙動を評価し, 岩盤中に連続して存在する空隙の容積を算定する手法を提案した. 原位置測定に先立ってボアホールと同径の鉄管内で事前試験を実施するが, このときの吸引空気流量から測定区間の容積が計算できる. 原位置測定で測定区間と連結する空隙があれば, 事前試験よりも吸引する空気が多くなるためにポンプ吸引開始直後の測定区間内圧力変化が鈍くなる. したがって事前試験と原位置測定の圧力変化を比較すれば岩盤内に存在し測定区間と連結する空隙容積が評価できる. 本論文では簡単な室内試験によってこの手法の妥当性を検証し, いくつかの原位置測定結果について計算を行い, 実岩盤の空隙分布の評価を試みた.
  • 松岡 元, 劉 斯宏
    1999 年1999 巻617 号 p. 235-249
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    地盤の一部を包み込む支持力補強方法の発想からはじめて, フーチングの支持力補強模型実験と鉛直盛土地盤の支持力補強模型実験により, その有効性を示す. さらに, 現場への適用例として, 鉄道枕木の「土のう」式支持力補強方法について述べる. 従来の「土のう」は土が水に流されないために包むという考え方であったが, ここでは土のような粒状体のダイレタンシー特性に着目して土を包み込むことの力学的意義を再考し,「土のう」自体をフーチングや杭のような荷重支持体とみるところが特徴である.
  • 勝山 克二, 西原 晃, 太田 秀樹
    1999 年1999 巻617 号 p. 251-260
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    異方圧密された飽和粘土の平面ひずみ条件下での破壊時の応力場の検討を特性曲線法により行う. 応力誘導異方性を表わすことのできる関口と太田による弾塑性モデルを用いて平面ひずみ条件下における非排水せん断強度を求め, 有効応力で表された強度を破壊条件として特性線場の理論を展開する. 間隙水圧を陽な形で変数として偏微分方程式を解くことにより, 破壊時における場の間隙水圧, 全応力, 有効応力の分布を求める.
  • 湯浅 楠勝, 阪井 田茂, 川瀬 洋, 石黒 健, 清水 英樹, 北川 吉信
    1999 年1999 巻617 号 p. 261-274
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ケーソン式岸壁背面の裏込め土 (まさ土) の液状化対策を目的として, 吸水型振動棒締固め工法による地盤改良工事が実施された. 施工時の間隙水圧測定や吸水量測定, 砂の投入状況の観察等により本工法の改良メカニズムを再確認するとともに, 従来型振動棒締固め工法との改良効果の比較を行った. この結果, 従来型工法に比べて改良効果が顕著に向上し, 同一目標改良強度に対しては施工ピッチを大幅に拡大できることが確認され, 礫質地盤における改良効果, 経済性, 効率性の向上が実証された. さらに, 本工法で提案されている改良効果予測式が, 今回の施工箇所における礫質地盤に対しても実務的に適用できることが示された.
  • 小野 丘, 三田地 利之
    1999 年1999 巻617 号 p. 275-282
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    軸対称三軸応力条件の下で凍結・融解・せん断試験ができる装置を新たに開発・製作し, その試験機を用いて締固めた粘性土に対して得られた実験結果を示した. 新たに製作した試験機は, 通常の三軸試験装置内で供試体に鉛直軸方向から凍結・融解履歴を与えることができるもので, 凍結・融解過程とせん断過程の間に応力開放を与えることなく常に一定の軸対称三軸応力条件の下で実施された実験データを得ることができる特徴を持つ. 実験の結果, 等方圧密後に凍結・融解履歴を与え, 融解後の排水を十分に許した後の非排水強度は未凍結の場合の非排水強度より大きくなり, 逆にせん断中の発生間隙水圧は凍結・融解履歴を受けた場合の方が小さくなること, また, 有効応力による強度定数に差が生じないこと, などが明らかとなった.
  • 松下 英次, 山本 哲朗, 鈴木 素之
    1999 年1999 巻617 号 p. 283-297
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    pHを変化させた14種類の土の液性限界試験および塑性限界試験の結果と既往の研究結果に基づいて, 土の液性限界および塑生限界とpHの関係を検討した. pHの変化による液性限界および塑性限界の変化にはいくつかの傾向があり, 総じてpHの影響は液性限界に対しては大きいが, 塑性限界に対しては小さい. 著者らの試験結果を鉱物組成および化学組成の観点から考察したところ, 土のコンシステンシーに及ぼすpHの影響は試料の種類すなわち主要粘土鉱物の構造や層間の陽イオンの有無によって異なることが明らかにされた. さらに, pHが異なる溶液中での土粒子の沈降状況および走査型電子顕微鏡を用いて観察した液・塑性限界時の土粒子の微視的構造は, ともにpHの影響を受けることが示された. このことは土の液・塑性限界とpHの関係を把握する上でいくつかの新しい知見を与えている.
  • 日下部 伸, 森尾 敏, 岡林 巧, 藤井 照久, 兵動 正幸
    1999 年1999 巻617 号 p. 299-304
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本報告は, 試作した簡易単純せん断試験装置の特長とその適用性について述べている. まず、ねじり単純せん断試験装置と本装置による応力振幅一定方式の液状化試験の対応を検討している. その上で未改良砂と超微粒子シリカによる改良砂を対象に, 本装置を用いてひずみ振幅漸増方式の液状化試験およびオンライン地震応答実験を実施し, その適用性を検討している. その結果, 試作した装置は実用上有効な単純せん断試験が可能であることを示した.
  • 大津 政康, 石田 毅, 佐々木 俊二
    1999 年1999 巻617 号 p. 305-309
    発行日: 1999/03/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 1999 年1999 巻617 号 p. e1
    発行日: 1999年
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
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