近年, 転圧コンクリート舗装 (RCCP) が注目されているが, 締固めと平坦性の確保の観点から1層施工の版厚が最大25cmに制限されている. このことが, RCCPを空港・港湾のような重荷重を対象とした舗装に適用していく上で大きな欠点となっている. この問題点に対処するため, 一般のコンクリートにおいてコンシステンシーの改善効果や耐久性向上の効果が認められている, 粒径20μm以下に分級されたフライアッシュが, RCCPの締固め特性の向上, 1層施工厚さの増大等の性能向上に及ぼす効果を検討した. 一連の室内実験, 試験舗装から, フライアッシュを混入することにより, (1) 必要締固めエネルギーが低減できる, (2) 単位水量が低減できる, (3) 舗装版の下層部分の強度が上昇する, 等の結果が得られ, 35cmの版厚を有するRCCPの1層施工が可能であることが確認できた.
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