土木学会論文集
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2000 巻, 649 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 禰津 家久, 鬼束 幸樹, 相良 幸輝, 池谷 和哉
    2000 年2000 巻649 号 p. 1-15
    発行日: 2000/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    複断面開水路流れには低水路と高水敷との間のシアーによって発生する水平渦と, 乱れの非等方性によって生じる Plandtl の第2種2次流が存在する. 両者のいずれかが卓越するかは高水敷高さDに対する低水路水深Hとの比H/Dによって決定されると思われるが, その詳細は現在の所不明である. 本研究では複断面開水路流れにおいてH/Dを系統的に変化させて, LDAおよびPIVを用いた組織渦構造を含む乱流計測を行った. その結果, H/D<1.5の場合は水平渦が卓越し従来の研究による知見と一致するが, H/D>1.5の場合は境界部付近に水平方向に軸を持つ渦が発生し, 流れを低水路と高水敷に分離させ, それぞれの領域で水平渦が発生することが明らかにされた.
  • 後藤 仁志, 酒井 哲郎, Abbas YEGANEH-BAKHTIARY
    2000 年2000 巻649 号 p. 17-26
    発行日: 2000/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    流砂・漂砂・飛砂の力学機構を「数値流砂力学」的な方法により解明するには, 流体・粒子間干渉と粒子間相互干渉の2つの機構を適切にモデル化することが不可欠である. 比較的希薄な土砂濃度から高濃度への遷移状態にかけては流体・粒子間干渉が支配的で, 近似的には粒子間干渉は無視できるが, 高濃度状態では流体・粒子間および粒子間相互の干渉がともに重要となる. 本研究では, 流体・粒子間および粒子間相互の干渉の両者を固液二相流モデルと個別要素法を融合してモデル化し, 流速分布, Reynolds 応力分布などの流れ場の構造と粒子の移動速度分布, 濃度分布などの粒子群の運動特性の両面に着目して, 高濃度状態の土砂流送機構について考察する.
  • 池田 清宏, 森 信人, 安田 孝志
    2000 年2000 巻649 号 p. 27-36
    発行日: 2000/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 側帯波不安定による深海ストークス波の連続スペクトル化の現象に対して, 鉛直2次元無限水深領域および周期境界条件下での波のスペクトルの時間発展の仕組みを群論的分岐理論により求め, その不規則化が多段階の分岐によるものであることを解明するものである.
  • 藤井 信太郎, 木村 孝次, 京藤 敏達, 西村 仁嗣
    2000 年2000 巻649 号 p. 37-47
    発行日: 2000/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文では, 波浪場解析手法の一つである Green 関数法を任意水深水域に拡張することを目的として, 緩勾配方程式に含まれる仮定のみを用いた体系的な Green 関数構成法, および水深変化に伴う波浪変形を考慮した波源強度算定法を提案した. 波源強度はその点での波の振幅勾配のみでは決定されず, 境界上すべての強度が相互に影響し合う. この手法を用いたモデル港湾に対する波浪場解析の結果, 波源間相互作用の効果が無視できないこと, および解析結果が実際の波浪場を適切に再現することが示された. また Green 関数を計算する際に問題となる計算領域外の仮想地形の影響についても検討した. その結果, 実港湾のような緩やかな水深変化を持つ地形に対してこの影響が極めて小さいことを示した.
  • 道奥 康治, 松下 研一, 高橋 俊之
    2000 年2000 巻649 号 p. 49-60
    発行日: 2000/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    富栄養化した湖沼・貯水池においては, 底泥から各種の物質が嫌気的に溶出し, 比重の大きな高濃度層が底泥堆積層上に形成される. 底面が傾斜している場合にはプルームによって, 高濃度の栄養塩や有機物が水域の深部へ輸送され集積する. 本研究では, このような「溶出プルーム」を実験モデルによって再現し, 流速・浮力の分布, 流程方向の発達特性が検討された. また, 流れの自己相似性を仮定して溶出プルームの理論解を得た. 理論に基づいて実験値を規準化した結果, 流速・浮力分布の相似性が確認されるとともに, プルームの流程方向の発達過程が理論的に説明された. これより, 嫌気的溶出によって発生するプルームの水質輸送量の評価が可能となった.
  • 呂 福禄, 藤田 裕一郎
    2000 年2000 巻649 号 p. 61-66
    発行日: 2000/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    一般座標系で記述した2次元浅水流方程式を MacCormack 法で差分化し, 単純化した盆地状地形の洪水流を解析して妥当な結果を与える方法を見出した. 即ち, 2方向に分割した差分スキームの演算子の組み合わせについて3つの場合を検討し, 差分方向を同一にした2つの場合では打ち切り誤差が累積して, 解析結果に方向性を持った偏りが現れることを指摘し, これを避けるには交互に差分方向を変える組み合わせが有効であることを明らかにした. この方法によれば, 同一の地形に2種の構造の異なった計算格子を適用しても同じ結果を得ること, 流入支川や掘削河道がある場合でも安定的に計算できること, さらに, 人工粘性の分布が流況とよく対応していることを示して, 提案した数値モデルが高い適用性を持つことを検証した.
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