本研究は, 50観測地点の観測データを用いて統計手法により, フィリピンの最大風速ゾーニングマップを作成したものである. 現行のマップは, 35年間の年間最大風速データに基づいて, グンベル極値分布に適合させて作成したものであり, 新しい観測情報による更新が必要とされている.
ここでは最新の観測記録を追加し, グンベル極値分布を特解の一つとして包含した, より自由度の高い一般化極値分布モデルにより精度の高い解析結果を得ている. 次により多くの情報を有効利用するために日最大風速データを使用し, ポイントプロセスモデルに適合させることで, さらに精度の高い解析結果を得ている. その結果に対して, クリッキング手法による補間を行い, きめ細かいゾーニングマップを示している. 得られたゾーニングマップは, 再現期間を規定したゾーン別の期待年最大風速値を示すものであり, 構造物の耐風安全性の解析に応用できるものである.
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