土木学会論文集
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1998 巻, 590 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 柏谷 増男, 朝倉 康夫, 山下 久美子
    1998 年 1998 巻 590 号 p. 1-10
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    都市内の道路網は自動車のみならず, 道路を横断する歩行者の側からも評価されるべきである. 道路網の評価は歩行者のOD交通パターンによって変わり, それは歩行者交通の目的地である施設配置パターンによって異なる. 本研究では与えられた幹線道路網と歩行者道路網のもとで, 最短経路を選ぶ歩行者が幹線街路横断1回以内で到達するとの条件下で最適施設配置計画問題を解くことにより, 歩行者横断に着目した場合のより一般的な道路網評価方法を提案した. 地方小都市でのケーススタディの結果, 幹線道路網がほぼ等間隔で, 道路網で囲まれた地域の形状や大きさのバランスがとれた道路網が良い評価を受けることがわかった.
  • 小林 潔司, 福山 敬, 松島 格也
    1998 年 1998 巻 590 号 p. 11-22
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, フェイス・ツゥ・フェイスのコミュニケーション過程が, 個人がミーティングを行う相手を求めて探索を行うマッチング過程と, ミーティングを行うかどうかを判断する合意形成過程により構成できることを指摘し, 個々人間のミーティング行動をベルマンの最適性原理を用いて表現する. 都市内において長期的な定常状態において実現するミーティング均衡を, 多くの主体による非協力な動的過程における合理的期待均衡として定義する. さらに, ミーティング均衡の特性について理論的に考察する.
  • 蒔苗 耕司, 福田 正
    1998 年 1998 巻 590 号 p. 23-30
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    山地部道路の路線計画においては, 道路工学的条件の他に, 地形・地質などの自然環境条件に対する配慮が求められる. 路線計画の段階において, これらの情報を直接的に入手する手段として, 航空写真の立体視は極めて有効な方法である. そこで本論文では, 道路線形に B-spline 曲線を適用し, CGの技術を利用することにより, 航空写真の立体視によって再現される仮想空間内での3次元路線計画システムを構築した.
  • 土井 健司, 紀伊 雅敦
    1998 年 1998 巻 590 号 p. 31-42
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    人口や社会経済指標に示される成熟化傾向とは裏腹に, 都市部での土地利用や立地現象は多様化および複雑化の一途をたどっており, その分析のための方法論研究が近年盛んに行なわれている. それらの手法の1つであるニューラルネットワークは多様な入出力関係を表現でき, かつ高度な非線形現象をも記述しうる強力な手法として認識されているが, その構造上の複雑さのため論理的な裏付けなしにブラックボックス的に適用されることがほとんどである. 本研究ではニューラルネットワーク内部の入出力を命題論理と対応づけることで内部状態を論理式により表現し, モデルとして利用する際に問題とされていたニューラルネットワークの解釈, 評価の支援方法を開発し, それを土地利用分析へと適用する.
  • 中川 大, 波床 正敏, 伊藤 雅, 西澤 洋行
    1998 年 1998 巻 590 号 p. 43-50
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    交通需要予測や空港選択など国際間交通について分析する際に, 空間的抵抗を表す指標としてこれまで用いられてきた「所要時間」は, 定義が不明確である上, 必ずしも適切に利便性を反映したものとはなっていないという問題点があった. そこで本研究では, 国際交通の分析のための指標として, 地点間の期待所要時間を意味する「積み上げ所要時間」の考え方に着目し, まず空港選択モデルと海外出国者発生量モデルを構築することによって, この指標の有効性を示す. そのうえで, これを用いて国内各都市の国際交通の利便性についての分析を行う.
  • 逢澤 正行, 篠原 修
    1998 年 1998 巻 590 号 p. 51-62
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    落水表情と流水表情には, 再現可能な様々の表情があり, 水理学的知見に基づく予測手法を確立することにより, 河川構造物とこれらの表情の「よい形」の実現が可能である. 予測手法としては, 実規模実験を実施することにより, 予測のための基礎データを蓄積した上で, CG (コンピュータグラフィックス) を用いることにより, カメラの動きやパースペクティブ等といった視点と対象との相対関係をコントロールし, 動的に変動する落水表情と流水表情を予測し視覚的に再現することが可能となった.
  • 松本 幸正, 藤田 素弘, 松井 寛
    1998 年 1998 巻 590 号 p. 63-78
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    道路ネットワーク上における交通需要の時間変動を直接捉えることのできるリンク交通量の観測データに基づいて, 多経路ネットワーク上の時間変動するOD交通量を再帰的に推定するための手法を提案する. 本手法においては, ターゲットODのようなOD交通に関する事前情報は必要なく, またネットワーク上の全ての交通量観測値も必要ない. さらに提案する再帰的アルゴリズムによりオンラインでの適用に適した手法であると言える. 推定問題はネットワーク上の観測交通量間の動的な関係式から得られるOD間推移確率の推定問題と交通量均衡配分問題とから構成される2レベル最適化問題として定式化される. シミュレーションデータを用いた推定モデルの適用計算の結果, 動的OD交通量を精度良く推定できることが分かった.
  • 長期的影響と都市構造: オスロ市の事例から
    谷口 守, Egil Tombre
    1998 年 1998 巻 590 号 p. 79-86
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    交通混雑の解消や交通整備財源確保のため, 都市に流入する自動車からトールを徴収する方式がいくつかの都市で実施されており, そのモデル的な効果分析は主に短期的な視点から既にいくつかなされている. 本稿では, 1990年からトール徴収が実施されているオスロ市を対象に, 1) 長期的な実測交通量のトレンド検討による効果分析, 2) 地点レベルでの交通課題の把握, 3) 都市構造とコードン設置位置の関連分析を「通勤圧力」という概念を用いて実施することで, 今後の他都市でのトールコードン型料金徴収システム導入に際しての計画課題に対する基礎的情報を報告する.
  • 大口 敬, 羽藤 英二, 谷口 正明, 吉井 稔雄, 桑原 雅夫, 森田 綽之
    1998 年 1998 巻 590 号 p. 87-95
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では実際に首都高速道路を利用中の運転者ヘアンケートを実施して経路選択行動のRP/SP調査を行うと同時に, AVIと車両感知器によるネットワーク交通状況データを収集し, これらを組み合わせてRPデータを作成する手法を提案する. さらにこのデータを用いて, 信頼性の高い経路選択モデルの構築と実データによる検証を目指している. 本稿では, その調査の概要とデータの信頼性や誤回答率などに関する基礎分析の内容を報告する.
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