豚舎廃棄物の高温好気処理において, 廃棄物の投入サイクルを従来の24時間から8時間へと短縮することを試みた. それぞれのサイクルでの処理量の限界値を検討した結果, 投入サイクルを短縮することで反応温度を常に高く維持することができ好熱性細菌の活性が安定するため, 処理効率 (限界処理量) を2.3倍に改善できることが明らかとなった. さらに, 投入サイクルを短縮することで処理に必要な補助熱源 (食用油) の添加量を削減できることが明らかとなった. 最適補助熱源添加量で行った長期の高温好気処理試験により, 8時間サイクルの運転 (BOD負荷4.05 kg/m
3/day) では120サイクルの処理期間中 (40日間) 含水率を一定に維持することができ, 限界処理量での安定した処理 (重量減少率 100%) が行えることが確認できた. 本研究により, 高温好気処理において廃棄物の投入サイクルを短縮することで生み出される様々なメリットが明らかとなった.
抄録全体を表示