土木学会論文集
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1997 巻, 555 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 内藤 正明
    1997 年 1997 巻 555 号 p. 1-13
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 森地 茂, 目黒 浩一郎, 小川 圭一
    1997 年 1997 巻 555 号 p. 15-26
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年の情報通信技術の進歩に伴い, さまざまな交通情報提供の影響を考慮した交通行動分析の枠組みが必要とされてきている. 本研究では, こうした交通情報提供の影響を分析するに当たり, 個人レベルでの情報提供に対する反応や不確実性に対する評価構造に着目してモデル構築を試みた. 初めに, 交通情報提供の影響を分析するに当たっての従来の非集計交通行動モデルの問題点をまとめた上で, その改良方法として, 一般化平均概念を用いた過去の利用経験に基づく経路の所要時間見積りのメカニズムを表現するモデル, 複数の評価属性の代替性を考慮した目的地選択行動を表現するモデルを構築した. その上で, これらのモデルをアンケート調査に基づくSPデータに適用することによってその適用可能性について検討した.
  • 岡田 憲夫, 谷本 圭志, 榊原 弘之
    1997 年 1997 巻 555 号 p. 27-39
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    多目的ダム事業を代表とする水資源開発事業は複数の主体から成る共同プロジェクトである. 事業に対する緊急性やどのような順序で主体が参加するかという点に関して各主体の優先性の差異が著しい場合は, 優先性を反映した費用配分法の適用が望ましい. 我が国においては優先支出法の適用による費用配分が認められているが, 実際上, 理論上その適用については十分な検討が行われていない. そこで本論文では主体間の優先性を考慮した費用配分問題についてゲーム理論を援用して検討する. その際, 優先性を明示的に考慮できるように「仁」の定義を修正した「順序仁」「期待順序仁」を提案する. さらに, 加重シャープレイ値との関係についても考察し, 提案した手法の適用可能性について基礎的検討を行う.
  • 朝倉 康夫, 柏谷 増男, 藤原 健一郎
    1997 年 1997 巻 555 号 p. 41-49
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    災害時あるいは異常時の交通ネットワークの信頼性評価の指標として, 従来の研究では連結度 (2点間あるいはネットワーク全体が連結網であるか否かの確率) が用いられてきた. 本研究では, 平常時のネットワーク上でのOD間最短経路長に対する異常時ネットワーク上での最短経路長の比が与えられた基準値を上回らない確率を連結度の指標とすることを提案した. この指標には, 交通網の連結の有無だけではなく迂回長の上限が考慮されている. 発生しやすい一部の状態ベクトルのみを用いて, 連結度と最短経路長の確率分布を近似的に求める方法を開発するとともに, 簡単な数値例によってその妥当性を調べた.
  • 関 克己, 佐々木 春喜, 鈴木 輝彦, 大野 博之
    1997 年 1997 巻 555 号 p. 51-60
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ふるさとの川づくり等多くの河川において自然的な景観設計への取り組みと工夫がなされている. この中で客観的・合理的な景観設計の手法の確立が大きな課題となっている. このために, 自然景観の「形の法則性」を検討し, 河床の石や樹木の配置・大きさ, 水際線の形状がフラクタルであることが示されてきた.
    ここでは, この景観構成エレメントの持つフラクタルの性質を利用した景観設計のための支援方法について検討した. その結果, 景観設計支援モデルによって, 石や樹木の配置・大きさ, 水際線の形状を表わす平面図を作成できることが示された. また, 河川景観の調査・解析からイメージパース図の作成までの一連の設計支援の方法の概要を示した.
  • 岡田 智秀, 横内 憲久, 桜井 慎一
    1997 年 1997 巻 555 号 p. 61-70
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    市民へ向けた港湾の開放化 (一般開放) に伴い, その対象地では多様な景観要素が現出するようになった. そのような場では, 港湾特有の景観要素である港湾施設の眺めを市民に認知させ, 市民に港湾への理解を深めさせるような景観整備を行うことが重要になろう.
    そこで本研究では, 写真投影法を援用した現地 (港湾) でのヒアリング調査を通じ, 港湾空間における港湾施設の景観的位置づけ (順位) や, 港湾施設が主対象または背景として認知される際の, 港湾施設と現存する他の景観要素との好ましい組合せおよびその組合せを成り立たせる景観の特性などについて明らかにした.
  • 林山 泰久, 波多野 正史
    1997 年 1997 巻 555 号 p. 71-81
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    昨今の公共投資においては, 資源配分の政策判断基準となり得る有効かつ簡便な指標の提示が求められている. 一方, 財政学に端を発するADD指標は理論的に優れ, その近似値は複雑な均衡計算を回避し得る簡便さを有する. しかし, ADD近似値の計測精度およびその実証的有効性は完全に明らかではない.
    本研究では, まず, 第1に, 二地域一般均衡モデルを構築し, 人口移動を考慮した場合のADD指標およびADD近似値の導出を行う. 第2に, 実証分析として, 我が国の交通関連社会資本に関する投資政策の社会厚生損失をADD指標およびADD近似値を用いて計測する. さらに, 第3に, パラメータの感度分析を行うことによりADD近似値の有効範囲とその限界を定量的に明らかにする.
  • 大枝 良直, 角 知憲, 中西 啓造, 椿 辰治
    1997 年 1997 巻 555 号 p. 83-90
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 業務を目的とした航空旅客の出発時刻選択行動のモデルを提案する. 長距離業務交通では, 業務の開始時刻を規定されている. 旅客はこの時刻に合わせて旅行のスケジュールを決定することが多い. この行動が長距離交通の時間的変動を支配し, 高速交通機関の選択行動に影響を与えると考えられる. 提案するモデルは, 到着指定時刻に対し, 当日の航空便を選択するモデルとその前日の航空便を選択するモデルの2つからなる. これらのモデルは行動時刻に対して人が日常の生活パターンの中で感じる不都合の度合いを非効用の概念で与えている. モデルを千歳発東京着の航空路線に適用し再現性を確認した. このモデルにより, 交通所要時間の変化や空港の運用時間の変化に対する旅客の行動を予測することができる.
  • 桑原 雅夫, 赤松 隆
    1997 年 1997 巻 555 号 p. 91-102
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 渋滞延伸の影響を考慮した多起点多終点ODのリアクティブ動的利用者最適配分問題について, 定式化と解法を提案するものである. リアクティブ動的配分とは, 利用者が現時点までの交通状況に基づいて, 終点までの最短経路を選択すると仮定した配分である. 起点からの出発時刻別に多起点多終点ODが与えられているものとしているので, 出発時刻選択については扱わない. まず, 交通量の保存則, First-In-First-Out 原則を満たす制約条件を整理した後, リアクティブ最適条件を定式化して, 本配分問題が現在時刻によって分解できることを示す. 次に物理的な長さを持つ待ち行列を考え, ショックウェーブ理論より, 渋滞が上流に延伸して先詰まりを起こす現象をモデルに組み込んでいる. 最後に, 解法のアルゴリズムの提案と適用例を紹介する.
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