前報にひき続いて,電子シャッター式タキストスコープを用いて,縞柄の見えについての色,太さ,方向の効果について検討した。刺激は2種類の太さによる各々「縦」, 「横」,「左下」,「右下」方向の円形の縞柄を用いた。サンプルはスクリーン呈示時直径114cmである。色は灰,赤(VIVID, DULL),緑(VIVID, DULL),青(VIVID, DULL)の7色で,各種図柄は色彩研究所により指定されたマンセル値により作られた色紙を用いて構成されたものである。これら56種類の図柄を,35mmカラースライドに撮影したものを刺激とした。サンプルは1msecから15msecの5種類の露出時間で呈示した。その結果,露出時間が最も短い1msecの段階で,太さと方向に関する判断はすでにほとんど正答であり,露出時間の増大に伴う判断の変化はほとんど認められなかった。色については,前報と同様,呈示時間の増大とともに誤答率の減少がみられた。ただし,青のDULL,灰については,全般に誤答率が高く,他の色とは異質の傾向が見られた。
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