高等専門学校(以下,高専とする)の主軸は長らく技術教育であったが,最近では,創造性喚起を基にした教育へのシフトの必要性が謳われている.創造性喚起は,美術系大学のデザイン教育の基盤である.両者にはカリキュラム編成や修業年数の違いがあるので,後者の内容をそのまま工業系高専に適用することはできないにしても,その考え方や手法を工業系高専の特性の中に活かせるのではないか.こうした観点から,創造性喚起を目的に試行されている工業系高専の課外授業におけるデザインプログラムと美術系大学デザイン専攻で実施されている教育プログラムについて照らし合わせ調査を行った結果,創造性喚起のための教育手法としては,「ユーザー参加型デザイン手法」が有効であることが示唆された.
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