都市は,公共整備される道路や広場,施設整備される各種の建築物を構成する要素で構築されている。この構成要素は,機能的に分類され,互いの関係をみいだすことができない。そのことは,都市整備の無秩序な状況や,敷地で分断された状況などの原因の一つとなっている。この研究は,環境装置デザインの方法を求めるための基礎として,現状を把握し,事例検討によって,環境装置デザインの概念の設定と,その類型化を行うことが目的である。現状の都市整備の構成要素を分類し,今後の都市整備での問題点の把握から進めた。そして事例検討により環境因子が,機能分類された構成要素を結びつけることの検証を得た。その結果環境装置は,環境因子のシステムを持つ全体子,との定義を導いた。そして環境装置デザインの概念は,空間・情報・時間価値を環境装置に精神面で体系づけること,と設定した。環境装置の類型化は,環境装置デザインの概念によって,構成要素の関係を組み換えた結果を示す。
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