近年, 様々な分野において知識獲得のための逆推論を行う手法としてラフ集合が注目されてきている.しかし, その有効性を1993年にQuinlanによって提案されたC4.5以外の手法と比較し検証している研究は少ない.そこで, 本研究では逆問題を解く手法として, ラフ集合と恒等写像モデル(5層型ニューラルネットワーク)を利用した逆推論システムに着目した.それらの手法によって得られる解の比較を行い.その特徴を明らかにすることを目的とした.具体的には, ラフ集合によって得られたC.I.の高い決定ルール条件部と, 恒等写像モデルを利用した逆推論システムによって解空間を全探索して得られた最適解の比較実験を行い.それぞれの特徴を考察した.また, 決定ルール条件部, 最適解と数量化理論第II類の効用値算出結果の比較も併せて行った.その結果, それぞれの手法の特徴を明らかにすることができた.
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