デザイン学研究
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51 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 榎本 雄介, 原田 利宣
    原稿種別: 本文
    2005 年51 巻5 号 p. 1-8
    発行日: 2005/01/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    近年, 様々な分野において知識獲得のための逆推論を行う手法としてラフ集合が注目されてきている.しかし, その有効性を1993年にQuinlanによって提案されたC4.5以外の手法と比較し検証している研究は少ない.そこで, 本研究では逆問題を解く手法として, ラフ集合と恒等写像モデル(5層型ニューラルネットワーク)を利用した逆推論システムに着目した.それらの手法によって得られる解の比較を行い.その特徴を明らかにすることを目的とした.具体的には, ラフ集合によって得られたC.I.の高い決定ルール条件部と, 恒等写像モデルを利用した逆推論システムによって解空間を全探索して得られた最適解の比較実験を行い.それぞれの特徴を考察した.また, 決定ルール条件部, 最適解と数量化理論第II類の効用値算出結果の比較も併せて行った.その結果, それぞれの手法の特徴を明らかにすることができた.
  • 服部 等作
    原稿種別: 本文
    2005 年51 巻5 号 p. 9-16
    発行日: 2005/01/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、王、皇帝、あるいは聖職者用に象徴性を備えた玉座に関する研究である。本論文では、紀元前3000年期のメソポタミア文明1期のウルク、及びジェムデド・ナスル様式の印章に表現された3種類の特徴的な座像を調ペた。座像は、地面に直接すわる床座像、敷物にすわる床座像、そして低い座面の原形風スツールの上の床座および椅座の人物像が出現する。これら3種の座像から、地面に直接すわる床座像には、群像が多い、単独像に従い敷物あるいはスツールを利用する図像が増大する。特に単独の座像は、スツールの上の片立て膝の床座姿勢が多数ふくまれ、その表現には特別な人物を想起させる神殿や祭犯の光景が加わる。このことからスツールの上の床座、とりわけ片立て膝の床座姿勢をとる人物座像に玉座の性格の一部を有するとしてその特徴が見いだせる。
  • 藤田 伸
    原稿種別: 本文
    2005 年51 巻5 号 p. 17-26
    発行日: 2005/01/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本研究は、科学者ペン口ーズが発見したペン口ーズ・パターンを題材に、パターン・デザインのあらたな展開を模索したものである。本研究ではペン口ーズが提示した以外の組み合わせ条件に焦点をあてた。その際、まずは組み合わせ条件の全体像を把握し、分類化をこころみた。ペン口ーズ・パターンは"裏返しなし"が条件になっているが、本研究では"裏返しあり"の場合の組み合わせ条件も探ってみた。その結果、いくつかのユニークな組み合わせ条件を提示することができた。なかには"裏返しあり"でもペン口ーズ・パターンが成立する組み合わせ条件も含まれる。また前縞ではM.C.エッシャーが制作したエッシャー・パターンへの図形変換方法および作例を提示したが、本縞においても引き続きエッシャー・パターンへの図形変換をこころみた。本研究を通して、同テーマでさらなる研究が必要なことが確認できた。
  • 藤田 伸
    原稿種別: 本文
    2005 年51 巻5 号 p. 27-36
    発行日: 2005/01/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本研究は、科学者ペン口ーズが発見したペン口ーズ・パターンを題材に、パターン・デザインのあらたな展開を模索したものである。本研究ではペン口ーズが提示した以外の組み合わせ条件に焦点をあてた。その際、まずは組み合わせ条件の全体像を把握し、分類化をこころみた。ペン口ーズ・パターンにおいては"2種のべクトル表記"および"裏返しなし"が条件になっているが、本研究ではそれを"1種のべクトル表記"および"裏返しあり"とした場合の組み合わせ条件を探った。その結果、多くのユニークな組み合わせ条件を提示することができた。同時にあらたな非周期的パターンを示唆することができた。また前縞ではM.C.エッシャーが制作したエッシャー・パターンへの図形変換方法および作例を提示したが、本縞においても引き続きエッシャー・パターンへの図形変換をこころみた。本研究を通して、パターン・デザインの奥行きと可能性を確認することができた。
  • 和田 精二, 大谷 毅
    原稿種別: 本文
    2005 年51 巻5 号 p. 37-46
    発行日: 2005/01/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    1951(昭和26)年の松下幸之助の米国視察を機にわが国初の企業内デザイン部門が松下電器産業に設立されたこと, 帰国早々「これからはデザインの時代」と彼が語ったこと, 真野善一が初代課長として採用されたこと等はデザイン界ではよく知られた事実である。しかし, どのような経営的な視点からデザイン部門設立を決定したか等についてはあまり詳しく知られていない。本研究において, 幸之助という希代の経営者の米国視察等に関わる関連情報を調査することで, デザインがビジネスに極めて大きく関わり, 製品の価格をデザインでコントロールできると喝破した, その幸之助の経営的な先見性を確認できた。同時に, 工芸指導所や少数の企業にデザイン活動がすでに始動していた事実も確認できた。
  • 和田 精二, 大谷 毅
    原稿種別: 本文
    2005 年51 巻5 号 p. 47-54
    発行日: 2005/01/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, インハウスデザイン組織をMOD(Management of Design)の視点から考察することを目的としている。これまでの研究により, 松下電器産業のデザイン部門が, 松下幸之助のデザインに対する強い期待によって超短期間に設立されたこと, 課長としてスカウトされた真野善一による松下幸之助の意志の具現化に向けた努力により組織の強化と拡大が達成されたことが理解できた。本稿においては, 松下電器とは対照的に, 総合電機メー力一である三菱電機のデザイン部門設立が, 代々の経営幹部が時間をかけた基盤づくりを行った後, 20年の時間をかけ, 約15人のデザイナーによる地道な努力の結果として達成されたことが理解できた。
  • 張 化燮
    原稿種別: 本文
    2005 年51 巻5 号 p. 55-64
    発行日: 2005/01/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本研究は、幾何学的形態による動的イメージ生成過程に、ある特定の視覚要素が重要な手がかりとして働いていることに着目し、それらの抽出を試みた。まず、動的ィメージの生成が想起と操作といった認知記憶システムの働きと不可分の関係にあるということから、言葉の意味解釈を行って我々の記憶に保持されていると考えられる、動きに関わる情報の全体的な類型を調べた。そして、その結果に基づいて作品に対する印象評定を行い、因子分析による解釈を求めた。その結果、動的イメージ生成過程には「方向、間隔、角度、大小、位置、多少」といった6種類の視党要素が密接に関連していることが明らかになった。6種類の視党要素は、想起と操作過程を媒介する役割を果たして様々な動的イメージを引き起すと推測され、今後、操作過程との関係に関する検討が必要であると考えられる。
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