デザイン学研究
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47 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 洪 尚憙, 杉山 和雄, 渡辺 誠, シャクルトン ジョン
    原稿種別: 本文
    2000 年 47 巻 2 号 p. 1-10
    発行日: 2000/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本論は, 公共物におけるデザインのありように関する研究のために, 現行法ならびに生活者からみた公共物の位置づけとそのデザイン留意点の抽出を目的としている。これらの公共性について社会的・歴史的観点から検証し, 公と私の関連性を明らかにし, 公共物の特質とそのデザインの考え方についてまとめたものである。その結果, 公共物は, それが私有財であっても景観形成の構成要素として周辺景観に影響を与えるものすべてのものであると定義することができた。また, 公共物のデザインにおける特質としては, 「サービス・機能・空間」「非競合性・非排除性」「生活との密着度」「外部不経済」を, そしてそのデザイン留意点としては「基本設計思想」「公と私の差」「個別性と普遍性」「借景の思想」をそれぞれ得た, 以上のように本研究では公共物のデザインのありようについての, 最も基礎的データベースを構築することができた。
  • 洪 尚憙, 八木澤 裕司, 杉山 和雄, 渡辺 誠
    原稿種別: 本文
    2000 年 47 巻 2 号 p. 11-20
    発行日: 2000/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本論は, 安全かつ美しくて快適な道路景観形成のために, 道路景観形成に多大な影響を与える道路系公共物を対象に, 現行法制度の課題を抽出したものである。これらの道路系公共物がどのような現行法制度に基づいて設置・運営されているかという関連現行法制度の現状の把握と, 景観形成の観点からみた現行法制度の課題を抽出し, 道路系公共物を取り巻く関連現行法制度の法的特徴による分類を試みたものである。その結果, 道路系公共物は, 総計4つに分類できた。この分類の特徴は道路保全や交通安全との直接的な関わり合いが薄いものほど, 設置や形態に関する規制が緩やかであること, 設置・管理運営については縦割り体制を引き起こし, 総合的調和を目指す景観形成のための面はあまり反映されていないこと, などがわかった。総合的に調和のとれた道路景観を形成するためには, 景観の観点に立った法律的補完およびデザインマネージメントの導入と, 設置・管理担当者同士のより緊密な連携が必要であることを明らかにした。
  • 日比野 治雄
    原稿種別: 本文
    2000 年 47 巻 2 号 p. 21-26
    発行日: 2000/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本研究は, 前論文に引き続き, 周辺視の色覚メカニズムの問題を扱った。本研究では, 前論文で構築したモデルと矛盾のない周辺視におけるred-green(r-g)およびyellow-blue(y-b)の反対色過程のモデルについて考察した。本モデルでは, 反対色過程の分光感度は, それぞれ三種の錐体分光感度の一次式で表せると仮定した。また, 本モデルでも, 前論文と同様, 三種の錐体は黄斑色素の影響を受けるが, 正味の分光感度特性は網膜位置にかかわらず不変であるという仮定を設定した。その結果, 前論文で明らかになったS錐体の黄斑色素濃度の変化に対する反応補正機構は, y-b反対色過程の反応にも直接的に影響を及ぼすことが明らかになった。つまり, 本モデルにおいて得られた周辺視での最適なy-b反対色過程のb反応は, 中心窩と周辺部位の黄斑色素濃度差の変化を補正するように, 周辺部位で正味の感度が低下する特性を示したのである。したがって, 前論文のモデルと本モデルによって, 中心視と周辺視の色覚について, その三色説的過程および反対色説的過程のいずれをも矛盾のない統一的な概念で説明することのできる色覚モデルを構築するという目的が果たされた。
  • 田村 良一
    原稿種別: 本文
    2000 年 47 巻 2 号 p. 27-36
    発行日: 2000/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本論は, 3ドアタイプおよびミッドフリーザータイプの2種類の冷蔵庫を対象として, 主要6メーカーの商品バリエーションが拡充される期間における商品ラインアップの構造について, 物理的特性に着目し検討したものである。両タイプのバリエーションは, 物理的特性からそれぞれ5種類のクラスタに分類することができた。時系列的観点から両タイプの商品展開をとらえると, 3ドアタイプはクラスタの種類が変化する「質の変化」, ミッドフリーザータイプはクラスタ内の機種が変化する「量の変化」であることがわかった。また, メーカー間の比較では, 3ドアタイプは顕著な違いはみられないが, ミッドフリーザータイプは各メーカーの商品戦略の違いにより大きく異なることがわかった。さらに, ドアハンドルのデザインの共通性について, 3メーカーを事例として確認したところ, 3ドアタイプでは共通化する傾向が強いが, ミッドフリーザータイプではメーカーによりその傾向は異なっており, ドア構造の違いなどが影響していると考えられた。
  • 菅 靖子
    原稿種別: 本文
    2000 年 47 巻 2 号 p. 37-46
    発行日: 2000/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    19世紀からポスターの芸術的要素は大衆の趣味向上に役立つことが指摘されてきたが, 両大戦間期イギリスの特徴はこれが実際に教育計画の一端を担ったことである。背景には, モダニズムこそが「良い趣味」, 「良いデサイン」であり, これを解する人が一般大衆の趣味を改善するよう働きかけなければならないとする, 芸術家やエリート層の理想主義的な文化二元論が存在した。当時のポスター芸術のパトロン達も, これと無関係ではなかった。本稿ではまずポスター芸術と趣味論, モダニズム論が当時どのように関連づけられていたかを明らかにし, 次にポスター芸術が児童, 社会を対象に趣味教育の道具として機能した例を具体的に検証する。これを通して, モダンからポストモダンへの過渡期を特徴づけるポスター芸術の存在意義を考察する。
  • 久山 宏
    原稿種別: 本文
    2000 年 47 巻 2 号 p. 47-56
    発行日: 2000/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本報告は, 図記号類の形状指数による統計, 検索や分類研究の一部で面積量を利用するものである。面積量の中, 実面積, 穴を含む面積および凸閉包面積について検討した。この三指数の相互関係と表現する特徴要素を報告した。マーク・シンボル類には一ラベルと複数ラベルの図形がある。複数ラベル図形では, ラベルの相互関係, 配列, 構成は形状特徴量とともに図形の特徴を表現する大切な要因である。複数ラベル図形におけるラベル間の関係は並列, 包含および交差に分類できる。具体例をあげて, 各関係をもつ図形の特徴を説明した。面積量は図形の視覚的なパターンと関係が深い。広範囲の形状の図形データベースと, 面積量の検索用指数を用い, 基本と考えられる単純な一ラベル図形から複雑な形までの変化をさぐる試みをおこなった。そのうち三種について論じた。
  • ウエダ シンジ, 清水 忠男, 佐藤 公信
    原稿種別: 本文
    2000 年 47 巻 2 号 p. 57-66
    発行日: 2000/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    日本の中小企業及び大企業において, それぞれの環境方針への関与が「受動的」あるいは「能動的」な製品デザイナーが, 製品開発プロセス上, どのような役割を担っているかをアンケートによって調査し, 環境を考慮した製品の開発やエコデザインに対する彼らの姿勢について考察した。調査の結果, 現在の製品開発プロセスにおいては, 環境を考慮した製品の開発に対する「受動的」なアプローチが主流となっていることがうかがえた。また, 大企業に勤めるデザイナーに比べると, 中小企業に勤めるデザイナーの方が環境を考慮した製品開発に対して「能動的」な姿勢を示していた。使用時に環境を左右する度合いの高い製品の開発に携わっているデザイナーの大部分は, 自社の環境方針に責任を持つ特別なグループを設置した企業に属していたが, その活動に関与しているのは, 積極的なタイプの製品デザイナーよりも消極的なタイプのデザイナーであることが判明した。
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