製品は常にその特質問でトレードオフを行い,その組み合わせとして存立せざるを得ない。消費者は,その組み合わせを評価し,選択することになる。本研究では,家庭用VTRを対象に,いかにしてこの適切なトレードオフの組み合わせを抽出すればよいか,その方法について検討を試みた。グループインタビューにより,VTRに関する評価項目を抽出し,その各2項目間にトレードオフ関係を想定した製品があった場合,それを購入するか否かのアンケート調査を実施した。その結果から,負効果評価(何が悪いと購入されないか)の構造をPOSA (Partial Order Scalogram Analysis)を用いて分析し,これをもとに,正効果評価(何が良ければ購入されるか)の構造をDEMATEL (Desision Making Trial & Evaluation Laboratory)型の方法によって捉えることにより,VTRの諸特性に対する適切なトレードオフの組み合わせを抽出した。
抄録全体を表示