高齢者向け在宅配食サービスにおいては, 一般に食事の保温や保護を目的に, 配食用保温容器(以下, 配食保温容器)が用いられる。本研究では, 配食保温容器に使用する食器の平面形状, 大きさ, 盛り付けおよび食器の配置等について, 高齢者および若年者による主観評価をもとに様々な検討を行った。その結果, 食器の平面形状・大きさについては, 食品毎にそれぞれ一定のものが選択される傾向が見られたが, 高齢者・若年者間および男女間において特に有意な差は見られなかった。また, 盛り付けに関しては, 高齢者において, 1つの食品を1つの食器に盛り付ける傾向があることが分かった。さらに, 食器および食品の配置については, 高齢者・若年者間に有意差の見られるものもあったが, 男女間における有意差の方が大きく, 女性が一定の場所に決まった食品を配置する傾向があるのに対し, 男性はその配置が分散する傾向があることが分かった。これらの主観評価結果から, 配食保温容器における食器および食品の配置について提案した。
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