設計の基礎は,対象システムの記述にある。ユーザ・インターフェイス設計では,人間要素を含むが故の複雑さ,曖昧さなどのために,設計支援法構築のために必要な,統合的記述法が存在しない。この研究では,設計過程において記述されるべきユーザ・インターフェイスの特質,体系的記述形式導入への問題点を明らかにし,それに対応できる記述形式の提案を行なう。ユーザ・インターフェイスの行動を説明するためには,その中の並列に進行する過程間の同期関係,順序関係,因果関係などに関して,顕在的時間表現を含めた記述形式が必要である。一方,ユーザの視点,設計者の視点の多様性を反映して,対象システムの多面的表現と各側面間の対応関係が記述されていることは,設計支援方法を構築する上で重要である。これらの条件から,区間時相論理表現がユーザ・インターフェイスの設計情報記述の基礎として,フレーム表現が対象システムの多面的表現に対応する設計情報の構造として有効である見通しを得た。
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