視認性に及ぼす走行環境の影響を調べる目的で,現在使用されている道路案内標識をとりあげ,文字を中心にそれらをどのように認知しているのかを明らかにしたものである。内容は実験I.として視認性に及ぼす走行速度の影響を調べるために,走行速度を30,50,70km/hの3種類に設定し,同一地名に対する検索時間などで視認性を調べた。実験II.としては視認性に及ぼす情報量の影響を調べるために,九つの異なる情報を設定して視認性を調べた。その結果,I.走行速度は50km/h,30km/h,70km/hの順に視認性に対して優劣関係にあることが明かとなった。II.情報量から見た場合の視認性は,文字の複雑さの要因が大きくて,画数の少ない,簡単なものから読み始める傾向が顕著である。また,視認したという判断については,漢字のみの構成ならば画数にしたがっているが,カナや数字が入ってくると,それらが視認されてから他の文字をはっきり視認しなくても推測が働き,漢字単独の状態よりも早い段階でその情報を認知していることを確認した。
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