CT定位的血腫吸引除去術の施行により, どのような症例に術後早期の運動機能回復がみられるかを, 被殼出血65例・視床出血43例を対象として検討した.CT分類・神経学的重症度・転帰は脳卒中の外科研究会の分類に従った.機能回復の判定は, 麻痺肢筋力を6 (0~5) 段階で評価し, 術前に比して術後1週目に, 2段階以上回復した例を著明改善とした
.その結果, (1) 年齢は視床出血では70歳未満, (2) 神経学的重症度は被殼出血III・視床出血IIまで, (3) CT分類は被殼出血IIIa・視床出血IIaまで, (4) 血腫量は被殻出血60m
l未満・視床出血20m
l未満の例であれば, 著明な改善が得られ, 良好な転帰に至ることがわかった.これら著明改善例では, SEPのN
20成分が術前術後とも認められるか, または術前認められなくても術後早期に出現した.また
123I-IMP SPECTによる脳血流でも術後早期に改善がみられた.
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