要旨:【背景/目的】脳静脈血栓症は近年日常診療で遭遇する機会が増えている.脳静脈血栓症自験例の臨床像,急性期画像所見につき検討する.【方法】対象は2008年4月~2011年3月に当院に入院した脳静脈血栓症10例(平均49歳,男性5例/女性5例)である.【結果】初診時臨床症状は,7例で局所神経症状(うち5例は軽度の運動麻痺)を認め,3例は頭痛のみであった.4例はけいれん発作を伴った.閉塞静脈洞は上矢状洞6例,横静脈洞3例,直静脈洞1例で,初診時脳出血を4例,静脈梗塞を3例に認めた.9例で頭部MRI T2
*強調画像にて閉塞静脈洞が低信号で強調された.全例抗凝固療法で治療し,8例は退院時modified Rankin Scale 0~1であった.【結論】自験10症例は比較的軽症で予後良好な例が多かった.T2
*強調画像を含むMRI検査による早期診断が臨床経過に影響を与えている可能性が考えられた.
抄録全体を表示