「光の造形(1)及び(2)」では,光の造形の基礎研究をすすめるために,光の性質とその活用について調べてきた。今回は,この基礎研究を更に拡充するために,運動を伴う光の造形を対象とし,その基礎となる「残像」,「点滅」,「光跡」,「放電」,「ライト・ディスプレイ」等について,科学と造形の双方から検討した。即ち「残像」では,ズートロープの原理をなす仮現運動は,発展して映画やテレビとなるわけだが,その原理に立ち戻って考察するとき再び傑出した作品を創造することができる。「点滅」では,ストロボスコープや震動や光ファイバーを用いることによって新しいキネチック・アートをつくり得ることを説く。「光跡」では,ライト・ドローイングやペンジュラム・フォトやオシロスコープ・アートやマルチストロボ写真等多くの方法があり,それらについて述べた後,最後に,「その他」として「放電」と「ライト・ディスプレイ」を中心にして,作品例を挙げながら具体的に考察をすすめた。
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