デザイン学研究
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51 巻, 1 号
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  • Yoon Jiyoung
    原稿種別: 本文
    2004 年 51 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2004/05/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    This research started from the interdisciplinary studio course composed of the students from three different majors - space, multi-media and fashion design. During the semester, they were categorized into 9 teams and assigned to develop a small-sized shopping mall. The questionnaire was devised to estimate student satisfaction level on this course and 52 samples and team score were analyzed via average, frequency, correlational test and reliability test. The research presented here attempts to analyze the relationships between communication, organization and design outcome in collaborative design studio. Based on the analyses, there are several important findings to be discussed. First, there is no significant relation between the effectiveness of overall course and final design outcome. However, there is a significant relationship between design outcome and communication. It means that communication is the key factor to achieve better results in design studio. Another important finding is the relationship between communication and team score. It proves that communication is the most essential variable to influence team score which means the total design performance and outcome.
  • 村上 存, 水留 浩一, 松田 暁, 湯浅 修二
    原稿種別: 本文
    2004 年 51 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 2004/05/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    工業デザインにおいては,製品の機能やターゲットとするコンセプトの体現に加え,既存製品群に埋没せず新規性,独自性を顕示するために,既存デザインと異なっていることも重要である.本研究では,既存デザイン群を解析し,それとできるだけ異なる新たなデザインの方向を提示することで,デザインの発想を支援する手法を提案する.本研究では,既存デザインの3-Dポリゴンモデルについて形と色の特徴量を計算し,特徴量空間にプロットする.この空間では1つの点が1つのデザイン(形と色の組合せ)を表し,近接する2点は類似したデザイン同士を表すと考えられる.そこで既存デザイン群を空間内にプロットした後,それとできるだけ離れた点を求め,その点が表す形と色の特徴量の組合せを新たなデザインの可能性として提示する.直観的理解を容易にするため,その特徴量の組合せを具体化したポリゴンモデルを生成する.簡単な製品の例としてカードスタンドを取り上げ,デザインの解析と新たなデザイン案の提示を行ない,手法の有効性,課題を明らかにする.
  • 範 聖璽, 野口 尚孝
    原稿種別: 本文
    2004 年 51 巻 1 号 p. 19-28
    発行日: 2004/05/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本研究では実験により、デザインにおける人工物の機能的な意味と解釈、構造化およびパーツ選択の変化過程の解析を通じて、その思考の構造およびプロセスを解析した。また、その思考の過程と構造の解析結果を、創造的なデザイン思考の能力育成のための手がかりにすることを目標とする。実験において、オフィスタイプ、ダイニングルームタイプとオブジェタイプという3つのタイプの既製のイスをパーツとして分解し、被験者が与えられたパーツを自由に選択し、3つのタイプのイスを1脚ずつデザインした。各タイプ別に被験者が選択したパーツ、及びそれを各タイプのイスのデザインとして完成させる思考過程を認知意味論における「プロトタイプ」という視点から解析した。デザイン初心者にとって、イメージ生成の初期にプロトタイプをベースとして考える傾向があることが分った。また、プロトタイプ性は3つのタイプの概念に関する機能的な解釈の違いにより、取り扱い方が異なっていることも分った。
  • 高 瑞禎, 釜池 光夫
    原稿種別: 本文
    2004 年 51 巻 1 号 p. 29-38
    発行日: 2004/05/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    台湾は何故、スクーターが特異に普及していているのであろうか。本研究の目的は、台湾におけるスクーターの利用実態を明らかにし、その要因を考察することにある。はじめに、スクーターの推移に関する文献調査を行い、産業保護政策が大きな影響を与えたことが明らかになった。さらに、使用状況の観察・インタビュー調査を行い、普及要因と思われる項目を整理した。この要因項目をベースに、台湾の代表的都市である高雄市において利用実態調査を実施した。アンケートデータおよび各要因項目間の関係性を分析し、考察を行った。その結果、国民所得の増加、通勤労働者の急増を背景とする人の生活の変化、スクーターの軽便性、経済性などの製品特性、公共交通機関の衰退、約10kmを範囲とする都市の地理条件、温暖な気象など環境要素が主な普及の要因であることがわかった。台湾は、「ひと-もの-環境」に係わる要因の相乗効果から発展、普及したことがあきらかとなった。
  • Nermin ELOKLA, Yoshitsugu MORITA, Yasuyuki HIRAI
    原稿種別: Article
    2004 年 51 巻 1 号 p. 39-46
    発行日: 2004/05/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study is to evaluate the suitability of the moveable storage unit that is used individually for the work performance. For case studies, we visited four companies of furniture design in Tokyo and Fukuoka cities to evaluate their workplaces including both the work style and its effect on the storage units. Furthermore, to recognize the workers opinions about the fitness of moveable storage to their work. Based on the survey, the followings are the major findings resulting from this study: Basically, the work style is influenced by the work type. Accordingly, there are different kinds of work style within those companies. This study is focused on two kinds of them. In the first kind, the work type is characterized by routine work process that is carried out by individuals. This type of work exists, e.g. in the account division. About the second kind, the work type is characterized by creative knowledge work that is carried out by groups. This type of work exists in the design division. In those divisions, the moveable storage is required but in different percentages, its usage is influenced by the work style. The movement of moveable storage is effected by an available office space and the unit's load. This study reveals that however the nature of moveable storage is flexible, it isn't suitable for using in some offices.
  • 一海 有里, 清水 忠男, 佐藤 公信
    原稿種別: 本文
    2004 年 51 巻 1 号 p. 47-54
    発行日: 2004/05/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    緑とテラス空間を手がかりとした日本・フランスの街路空間に対する,両国の人々のイメージを明らかにするために,実験及び因子分析を行った結果,第4因子まで求められた。因子1は「緑がもたらす心地よさ」,因子2は「相互活性」,因子3は「洗練度のある秩序性」,そして因子4は「快活な美的個性」に関する因子と意味づけられた。両国の人々の景観サンプルに対する評価は,共通の因子軸上に異なって分布されたものの,いずれの国においても,街路空間において,緑が自然な樹形を伴いながら人々の活動の場の形成に関わりをもつことが居心地の良さに有効に働くこと,また,テラス空間などの装置を媒介としながら人々のコミュニケーションの場を街路空間に発展させてゆくことが,都市空間の活性化にとって有効な手段の一つとして考えられることが明らかになった。したがって,都市の骨格を形成するともいえる街路空間において,このような緑のあり方を育んでゆくことは,豊かな都市空間及び都市生活の創造に重要な役割を果たしてゆくと考えられる。
  • 禹 在勇, 細谷 聡, 網田 久美子, 高寺 政行, 清水 俊雄, 白井 汪芳
    原稿種別: 本文
    2004 年 51 巻 1 号 p. 55-62
    発行日: 2004/05/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    情報機器における操作部のデザイン支援システムの可能性を検討するため、CGを利用し操作部の形状要素に対する評価を行った。それにより得られた結果、以下のようなことがいえる。1)へこみ(凸)、ふくらみ(凹)における深さ高さの違いにより、操作する形態(例えば指のある部位で操作するなど)が判断できる。2)操作目的に対するへこみ(凸)、ふくらみ(凹)の高さ深さがユーザの視覚情報のみで判断できる可能性がある。3)操作部の形状要素に対する評価だけでなく、周辺形状を加味した全体的評価においても今回のシステムで適応できることが示唆された。4)形状要素の部分的評価と周辺形状を加味した全体的評価を組み合わせた形状評価が簡易的に実現できることが示唆された。以上のことから、CGを用いて操作部の形状を変化させることで、ユーザの操作に対する印象の変化や操作部に対する操作方法・操作方向への微妙な変化が明らかになった。
  • 禹 在勇, 細谷 聡, 網田 久美子, 高寺 政行, 清水 俊雄, 白井 汪芳
    原稿種別: 本文
    2004 年 51 巻 1 号 p. 63-70
    発行日: 2004/05/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本稿では、CGを用い、操作部形状の変化に伴う操作イメージの変化を調べなら設計支援となる操作部の形状評価ツールの確立を目的とした。したがって、コンピュータディスプレイ上で3次元CGで、操作部を作成し、ディスプレイ上で操作部に対する操作イメージ評価を行った。得られた結果は、以下のように要約できる。(1)ふくらみ(凸)の形状の違いによって、操作形態に対するイメージの変化が現れた。また、操作方向は、ふくらみ(凸)のみ場合、壁面の方向に動かすまで時間がかかり、ある程度の高さが必要であることが明らかとなった。(2)形状の差はサンプルB、C、Dにおいて、操作形態の変化がみられた。また実物とCGにおいて、形状による操作方向のイメージと操作する身体部位の結果に有意な差はなかった。(3)CGと実物の大きさの関係には個人差が認められた。また、個人内での各サンプルの見え方は、相対的な関係がある。以上のように、本評価手法は各種操作部の設計を行う際、設計支援ツールとしての利用が期待される。
  • 井藤 孝一, 原田 利宣
    原稿種別: 本文
    2004 年 51 巻 1 号 p. 71-76
    発行日: 2004/05/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    自動車の設計を行う上で最も重要なものとして,コンフィギュレーション項目が挙げられる.これまでのコンフィギュレーションに関する研究は,調査に2次元の写真やCG等を用いており臨場感に欠けるものであった.そこで,本研究では立体感,スケール感を再現できるバーチャルリアリティ(以下,VR)システムを用いてより精度の高いデザイン評価を行い,各コンフィギュレーション項目とユーザが想起する印象との関係の明確化を目的とした.まず既存車40車種について,コンフィギュレーション項目をサイドビュー,フロントビューについて計測し,主成分分析を用いてそれぞれを制御する要素を抽出した.その結果を用いて,実験計画法によるVRモデルを作成し,評価用語10語を用いて評価実験を行った.さらに,評価結果に基づき主効果を求め,分散分析を用いて,どのコンフィギュレーション項目がどの評価用語と強い関係を持つのかを調べた.最後に,その分析結果に基づいて3次元モデルを作成し,印象を制御することの可能性を検証した.
  • 原田 利宣, 吉本 富士市
    原稿種別: 本文
    2004 年 51 巻 1 号 p. 77-84
    発行日: 2004/05/31
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    日本刀は,日本人における美の原点のひとつであり,デザイナーにとっても曲線美の基準である。しかし,日本刀の曲線の曲率半径を算出し,厳密に日本刀の曲線の性質を分析した研究例はほとんどない。そこで,本研究では,60振り(刀[太刀を含む]を45振り,短刀15振り)を用いて,日本刀の曲線の性質とはいかなるものであるか,またそれらの日本刀においてどのような共通点があるのかを調べた。具体的には,まず日本刀の写真をスキャニングし,その刃先の曲線を表す点列データを画像処理で抽出した。次に,それらの点列データから曲線を創成し,筆者らの提案した曲線の性質の定量化手法によって分析を行った。その分析結果を基に,それら曲線に共通する特徴や相違点の考察を行った。その結果,太刀,刀における曲線を5つのタイプに,短刀を2つのタイプに分類することができた。また,各タイプの曲線における特徴を明らかにすることができた。加えて,それらの曲線の工業デザインヘの応用を提案した。
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