土木学会論文集
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1996 巻, 550 号
選択された号の論文の22件中1~22を表示しています
  • 小林 和夫
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 1-12
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 小山 理恵, 矢島 哲司, 魚本 健人, 星野 富夫
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 13-22
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 従来使用されている鉄筋腐食の進行状態の代表的な非破壊診断方法の中から, 最も簡便で実構造物にも広く適用されている自然電位法に着目し, その結果からより多くの鉄筋腐食に関する情報を得ることを目的としている. 自然電位の測定結果はコンクリート表面で示される電位の結果であり, 必ずしも鉄筋表面での電位を示すものではない. よって, FEM解析を用いることにより, コンクリート表面電位から鉄筋表面電位の逆解析を行い, これまで定性的にしか判定されていない腐食領域および腐食量を定量的に評緬することを試みた.
  • 藤原 浩已, 長瀧 重義, 大即 信明, 堂園 昭人
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 23-32
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    高流動コンクリートは, 型枠内に自己充填することが期待されるものであるが, この自己充填性を有するための最も重要な性能の1つに鉄筋間等の間隙を通過流動することができるための間隙通過性がある. 本研究では高流動コンクリートの間隙通過時の閉塞を間隙部での粗骨材体積濃度の増大による粗骨材の架橋現象としてとらえ, このような現象を説明するメカニズムモデルを構築すると共に実験により検証した. その結果, 閉塞が起こる粗骨材体積濃度, 間隙幅および配筋方向等の条件をある程度明らかとすることができた.
  • 安藤 豊, 杉 智光, 山田 優
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 33-42
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    アスファルト混合物中のアスファルトの一部を吸油材によって吸収させることによって, 混合物の施工性やひび割れ抵抗性を低下させることなく耐流動性を高める工法について研究した. 本文は, 工法のねらい, そのための吸油材の目標性状, 吸油材の原材料の選定理由と製造方法, 吸油材の物理的性質, アスファルト混合物への吸油材の適正添加率, および混合物への添加による耐流動性改善効果, その他の性質に及ぼす影響について検討した結果を述べたものである.
  • 二羽 淳一郎, 松尾 豊史, 岡本 享久, 田邊 忠顕
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 43-52
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, コンクリートの破壊力学特性値に及ぼすセメントの種類の影響を, 骨材界面での「遷移帯」の存在と結びつけて, 実験的に検討したものである. ビーライト系セメントを用いたコンクリートは, 材齢初期の低強度時においても, 破壊エネルギーが大きくなるが, これは骨材界面に脆弱な遷移帯がほとんど存在しないことにより説明できると考えられる. 一方, 早強セメントを用いたコンクリートでは, 遷移帯の存在により, 材齢初期の破壊エネルギーが小さくなる. これらの実験的な知見を説明するため, 界面強度と破壊エネルギーの関係について考察を行い, 現象を説明するための定性的な考え方を示した.
  • 上田 隆雄, 服部 篤史, 芦田 公伸, 宮川 豊章
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 53-62
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    中性化や塩害により腐食劣化した鉄筋コンクリート構造物の補修工法として, 電気化学的手法を用いた補修方法が近年注目を集めている. デサリネーションはコンクリート中のCl-除去を目的とする電気化学的手法であり, その効果が期待されてはいるものの, いくつかの問題点についての十分な検討はなされていないのが現状である. 本研究は, デサリネーションの問題点の一つである鉄筋とコンクリートとの付着挙動への影響について, 練混ぜ時の混入塩化物量および通電量を主要因として検討を加えたものである.
  • 栗谷川 裕造, 秋葉 正一, 木田 哲量, 能町 純雄
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 63-72
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 舗装用混合物の曲げ試験により, 材料定数を求める場合に必要となる応力および変位成分の一般式を, はりの2次元弾性解析を実施して求め, この適用性について検討したものである. このため, まず載荷あるいは自重による供試体内部の応力および表面変位の弾性解析解を有限 Fourier 変換による方法で求めた. つぎに, この一般式を用い, 供試体の応力および変位について数値計算を実施し, 初等曲げ理論から得られるものと比較した. その結果, 両者の違いは, 供試体サイズ, 載荷点位置等が異なる場合の供試体の変形特性に顕著に認められ, これより解析手法の違いが推定される材料定数に与える影響を明らかにした.
  • 壹岐 直之, 清宮 理, 山田 昌郎
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 73-83
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリートに埋め込まれた異形鉄筋の付着応力-すべり関係に影響を及ぼす要因と, その影響の程度を確認するため載荷試験を行った. 実験要因は, コンクリートの応力場, コンクリート打設時の鉄筋の向き, 割裂防止筋の有無, およびコンクリート断面積である. 実験結果の定量的な評価を行ったところ, 付着応力-すべり関係にコンクリートの応力状態が強く影響することが判明し, 同一のすべりに対する付着応力はコンクリートが引張応力場では圧縮応力場の59~80%となった. さらに, 各種の要因が付着応力-すべり関係に及ぼす影響の程度を, 既往の付着応力-すべり関係式での影響係数として提案した.
  • 二羽 淳一郎, 日高 重徳, 田邊 忠顕
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 85-94
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    乾燥収縮による初期応力の存在が, コンクリートの曲げ強度の寸法効果にどの程度影響するかを明らかにするために, コンクリートの初期応力分布を実測し, その分布形状を実験的に明らかにした. 分布形状は, 供試体の寸法ならびに乾燥期間に応じて変化し, これを2次曲線で近似することは適切ではないことが示された. さらに, 材齢の進行に伴う各種材料特性値の経時変化を実験的に把握した. 破壊力学に基づく数値解析にこれらの情報を組み込むことにより, 曲げ強度の寸法効果における初期応力の影響を評価し, これを実験的に検証した. 検討の結果, 供試体寸法とコンクリート特性長さとの比の増加に伴い, 初期応力の影響が顕著となることが明らかとなった.
  • 森本 博昭, 小柳 洽
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 95-104
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 温度ひび割れに対する実用的な3次元解析モデルについて検討を行ったものである. 3次元解析モデルの適用性を検証した上で, 解析モデルを組み込んだFEMによりコンクリート壁に発生する温度ひび割れの幅および温度応力の3次元分布性状を明らかにした. また, ひび割れ制御鉄筋量とひび割れ幅との関係についても検討を行った. さらに, 2次元FEM解析とCPひび割れ幅法の適用性について明らかにした.
  • 河合 研至, 河野 克哉, 森永 力, 田澤 栄一
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 105-115
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 従来コンクリートの微生物劣化として取り上げられている硫黄関連細菌に限らず, 好気性の一般細菌ならびに糸状菌を対象として, その代謝産物がコンクリート劣化に及ぼす影響について検討を行なったものである. その結果, 一般細菌や糸状菌の代謝産物である有機酸ならびに呼吸作用によって排出される炭酸により, 好気性の硫黄関連細菌の代謝産物による劣化に匹敵する劣化を生じ, その中で, 有機酸はカルシウム化合物の分解, 溶解, 溶出の全ての面に関与し, 炭酸はカルシウム化合物の分解に大きく関与して劣化を促進させていることを明らかとした.
  • 佐野 正, 三浦 尚
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 117-129
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 鋼板接着によるコンクリート部材の補強に際し, 補強効果を十分に発揮するために重要な鋼板の接着長を, 合理的に定める方法を提案することを目的として行ったものである. まず, 両引き試験および線形有限要素法 (FEM) を用いた接着部の応力解析により, 鋼板のはく離現象を明らかにした. 同様の解析をはり部材の鋼板接着部にも適用して検討を行い, 鋼板定着長および鋼板はく離荷重の算定式を提案した. ついで, 提案した算定式により補強設計したRCはり供試体を用いて曲げ載荷実験を実施し, はく離荷重の算定式の妥当性を検証した.
    以上の検討結果に基づき, 鋼板接着によるコンクリート部材の補強設計に関する提案を行った.
  • 岸 利治, 前川 宏一
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 131-143
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    マスコンクリート構造物の温度応力解析において効率的な材料設計を行うためには, 種々のポルトランドセメントのみならず, 高炉スラグやフライアッシュを含めた様々な粉体の組み合わせに対応可能なセメントの水和発熱モデルを与えることが求められる. 本研究は, セメントの水和反応を構成鉱物ごとに記述する水和発熱モデルに, 高炉スラグおよびフライアッシュに対応する要素を組み入れた混合セメントの水和発熱モデルを提案するものである. 各鉱物反応の発熱速度は基準発熱速度と温度活性の2つの材料関数により表現され, クリンカー鉱物および混和材間の相互依存性は要因毎に考慮されている. 構築した水和発熱モデルは, 断熱温度上昇値及び擬似断熱試験体の温度計測結果によって検証された.
  • 関 雅樹, 水谷 健太, 西村 昭彦, 中野 聡
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 145-154
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    兵庫県南部地震によって東海道新幹線のラーメン高架橋も被害を受けた. 復旧後, 健全性確認のため, 被災区間全域で固有振動数の把握を目的とした衝撃振動調査を行った. その中で, 構造物の固有振動数が地震後で低下しているラーメン高架橋が有り, その原因が柱の剛性の低下又は, 地盤支持力の低下のいずれかではないかと考え, 固有値解析を行い, その原因を明らかにした.
    また, 復旧により構造物の固有振動数が上昇したと考えられるラーメン高架橋を選び, その上昇原因を明らかにした. その結果, 衝撃振動調査により得られた固有振動数によって, ラーメン高架橋の健全度が判定できることとなったので, その概要を報告する.
  • 大塚 勝, 武山 泰, 福田 正
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 155-161
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ネットワーク型舗装管理システムについて, 個々の道路区間を対象にするのではなく, 交通条件と路面状態によってグループ化し, これらをネットワークとして取り扱うことによって, 実用的な舗装管理システムを構築した. 本システムにおいては, 最適化手法として線形計画問題の一つの解法である最小費用流に基づくアルゴリズムを適用することによって, 計算の効率化を図った.
  • 氏家 勲, 佐藤 良一, 長瀧 重義
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 163-172
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    引張を受ける異形鉄筋周辺には内部ひび割れが発生することが知られているが, この内部ひび割れによりかぶりコンクリートの密実性が低下することが考えられる. 本研究は内部ひび割れ性状に影響を及ぼす鉄筋応力度, 鉄筋径, かぶり, 荷重履歴を変化させた両引き供試体の透気実験および内部ひび割れゾーンの幅と透気係数の大きさをパラメータとした数値解析により内部ひび割れを有するかぶりコンクリートの透気性状を把握し, 内部ひび割れの影響を考慮して有効に働くかぶりについて検討したものである.
  • 田沢 雄二郎, 本橋 賢一, 横関 康祐, 岡田 浩司
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 173-184
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    吹付けコンクリートの高強度化と高靱性化の達成を目的として, シリカフュームおよび鋼繊維を混和した吹付けコンクリートの品質と施工性を実験的に検討した. その結果, シリカフューム25kg/m3を混和して適切な配合を選定することにより, 従来の吹付けコンクリートの強度レベルを大きく超える, コア強度で35MPaおよび50MPaの品質が比較的容易に実現できること, SFRCとすることで高強度領域においても通常の方法で打ち込まれるコンクリートと同様に圧縮タフネス, 曲げタフネスおよびせん断強度が効果的に増大すること, 粉塵およびはね返りが低減することが明らかとなった. さらに, 最大土被り900mのトンネルの支保の増強対策の柱として高強度吹付けコンクリートを適用した結果, ほぼ期待通りに変状が抑制され, トンネルを構築できた.
  • 八谷 好高, 市川 常憲
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 185-194
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    半たわみ性材料による空港コンクリート舗装の急速補修工法を開発するために, 室内試験ならびに現地試験を実施した. 室内試験では, 半たわみ性材料を構成するセメントミルクおよびアスファルト混合物の性状について検討した. 現地試験では, 室内試験に基づいて選定された材料を用いて試験施工を実施し, 載荷試験を行った.
    その結果, 以下に示す知見が得られ, 半たわみ性材料による急速補修工法の実用性が検証された.
    (1) セメントミルク注入時のアスファルト混合物の温度を高くすることで, 早期交通解放が可能となる.
    (2) 改質アスファルトを用いることにより航空機荷重に対する耐荷性が確保できる.
  • 亀山 修一, 姫野 賢治, 丸山 暉彦, 笠原 篤
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 195-204
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は生物集団の進化過程に着想を得た遺伝的アルゴリズム (GA) を用いて, FWDによって得られた舗装表面たわみから舗装構成層の弾性係数を逆解析する手法を開発したものである. まず多層弾性理論によって算出される舗装表面のたわみを入力条件として与え, 本手法による逆解析を行ったところ, 十分な精度で舗装体の弾性係数を推定できることが確かめられた. また, 実際にFWDによって測定されたアスファルト舗装とコンクリート舗装のFWDデータについても本手法を適用して逆解析をおこなった. その結果, 従来の逆解析手法では適切な解が得られなかったケースにおいても良好な弾性孫数を推定できる場合のあることが分かった.
  • 彌田 和夫, 村井 哲夫, 立間 康裕, 山田 優
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 205-212
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    都市や道路の快適性を向上させるため, 歩道や歩行者専用道路などの歩行者系道路にデザインや材質に工夫を凝らした新しい舗装材料が導入されてきている. これらの材料の中には, 景観設計上の配慮から表面を研磨したものも多く, 歩行時のすべり抵抗に問題のある舗装も見られる. これは設計に用いるすべり抵抗値が確立していなかったことに最大の原因がある. このため, 歩行者系道路舗装のすべり抵抗値について研究を行った. まず, すべり抵抗試験機BPSTにより舗装路面のすべり抵抗を調査し, 次いで官能試験により歩行者のすべりやすさの感覚を把握した. これらをもとに, 舗装材料のすべり抵抗値について検討を加え, 望ましいすべり抵抗値を示した.
  • 斎藤 雅道, 福田 正
    1996 年 1996 巻 550 号 p. 213-217
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    舗装の路面状態を予測するパフォーマンスモデルとして, 著者らはニューラルネットワークによるパフォーマンスモデルの構築方法について既に報告した. この場合には, ニューラルネットワークの学習のために, 比較的大量のアスファルト舗装の供用履歴データを使用する必要があった. 本研究においては, 舗装設計式 (AASHTO式) を基にしてモデル化を行うことによって, 少ないデータからパフォーマンスモデルを作成する方法を構築した.
  • 1996 年 1996 巻 550 号 p. e1
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
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