本研究では, 都市圏規模のトリップ分布量を予測するために, 選択肢集合の確率的形成を考慮した2つの目的地選択モデルを提案する. まず, 目的地の効用がある閾値を超えたときのみ, 選択肢に選別されると仮定し, 選別確率モデルを定式化した. そのうえで, 第一のモデルは, 目的地の効用関数が選別の閾値によって切断されることを仮定した選択モデルである. 第二のモデルは, 従来の選択肢サンプリングの考え方を発展させたものであり, 選択肢の選別を自らの選択肢サンプリングとみなし, それを内生化する選択モデルである. 実証分析を通じて, 2つの提案モデルが統計的に有意であり, ゼロ・トリップを含む現況のOD表を十分に再現できることを示した.
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