土木学会論文集
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2004 巻, 761 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 寶 馨
    2004 年 2004 巻 761 号 p. 1-18
    発行日: 2004/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 福岡 捷二, 仲本 吉宏, 福田 朝生, 石上 鉄雄
    2004 年 2004 巻 761 号 p. 19-30
    発行日: 2004/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では河岸保護機能があるとされるヨシ原で覆われた河岸を対象にヨシの地下茎の土壌保持効果に着目し, 護岸効果の評価方法を検討した. まず, 河岸下部で侵食が進行し不安定となったヒサシ形河岸の崩落について, 原寸大の河岸を再現した実験の結果から河岸にヨシが繁茂している場合の限界ヒサシ長さとヨシの地下茎密度との関係を明らかにした. 次に, ヒサシ状河岸より崩落したヨシを含む土塊の侵食に関して, ヨシの根の効果をヨシを含む土塊の侵食実験より明らかにしている. また, 斐伊川用水路のヨシ原河岸の観測結果と実験結果を比較し, ヒサシの崩落過程に関して崩落規模の予測が可能であることを示し, 崩落土塊の流送過程に関しては一定の土質条件の下, ヨシの密度と土塊の流送の関係を把握することができた.
  • 音田 慎一郎, 細田 尚, 木村 一郎
    2004 年 2004 巻 761 号 p. 31-43
    発行日: 2004/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 鉛直加速度を考慮した開水路流れの水深積分モデルについて, 基礎式・流速分布を水深平均流速で陽的かつ簡易に表すことに着目し, モデルの改良を検討したものである. 基礎式の誘導に際し, 非回転条件に適合する流速分布形を求める方法と Madsen & Schaffer がポテンシャル流れに対して用いた線形分散関係の singularity を解消する分散項の修正法を適用するとともに, この修正を流速分布, 圧力分布に反映させて平均流速を用いた分布形を導いた. 導かれた基礎式を水槽内水面振動現象に適用し, 線形・非線形解析と微小振幅波理論, および鉛直2次元数値解析結果を比較することで, モデルの検証を行った.
  • 福岡 捷二, 渡邊 明英, 原 俊彦, 秋山 正人
    2004 年 2004 巻 761 号 p. 45-56
    発行日: 2004/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    河道を流下する洪水流の流量ハイドログラフ, 河道内貯留量とピーク流量逓減量を見積る目的で, 江戸川において洪水流の集中観測が行われ, 流量ハイドログラフと水位縦断分布の時間変化が詳細に測定された. ピーク時から減衰時における観測流量から粗度係数を検定し, 時空間的に密に観測された誤差の小さい水位ハイドログラフと二次元非定常流解析法を用いることにより流量ハイドログラフと河道内貯留量を推定した. これにより洪水流の水位と流量の観測精度について述べると共に, 河道内貯留量とピーク流量の逓減量を精度良く見積れることを示し, 精度を上げるために考慮すべき洪水流観測方法を提示した. 洪水ハイドログラフの非定常性が大きい1986年円山川洪水流観測結果についても同様の検討を行い, 洪水流の非定常性がハイドログラフの変形とピーク流量の逓減に果たす効果について示した.
  • 川池 健司, 井上 和也, 戸田 圭一, 野口 正人
    2004 年 2004 巻 761 号 p. 57-68
    発行日: 2004/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年のわが国では, 集中豪雨による都市水害が毎年のように発生していることから, 浸水被害を予測するためのシミュレーションモデルの開発が盛んに行われている. 本研究では, 低平地河川流域として水害常習地である大阪府の寝屋川流域に着目し, 都市域の氾濫解析モデルとして, 1) 山地部, 2) 河川網, 3) 下水道網, 4) 堤内地の4つのサブモデルからなる統合型氾濫解析モデルを構築した. 1999年8月の実績降雨を用いてモデルの検証を行ったところ, 堤内地の氾濫規模に関してはうまく再現できることを確認した. さらに, 寝屋川流域の治水計画の対象降雨となっている1957年の八尾実績降雨と, 2000年東海豪雨災害時の名古屋での降雨を流域全体に一様に与えた解析により, 雨水の時間的・空間的な分布を表現し, 浸水危険区域を指摘することができた.
  • 日比野 忠史, 鶴谷 広一, 板橋 直樹
    2004 年 2004 巻 761 号 p. 69-80
    発行日: 2004/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    大船渡湾における1996~99年の現地観測から得られた結果を基に, 水構造の年~季節変動を検討し, 湾内に流入する水塊の季節変動機構を明らかにした. さらに, 湾内流動を起こす外力として季節的に変化する湾外水の寄与を評価するとともに, 湾内外の水構造の変動が海水交換に与える影響について考察した, 次に, 1999年に行われた流速・密度の連続観測結果を用いて, 海水交換量の定量的な評価を試みた. これらの結果, 湾内低層水の交換が主に湾外水塊の湾内低層への密度差による貫入・湾内低層水の排出によって行われていること, 湾外水の密度が変化することが海水交換を促進していること, 一度の貫入によって湾内底層容積の50%程度を交換していること等を明らかにした.
  • 中川 啓, 和田 信一郎, 籾井 和朗
    2004 年 2004 巻 761 号 p. 81-89
    発行日: 2004/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    1次元移流分散方程式に陽イオン交換反応と表面錯形成反応を熱力学平衡モデルとして組込んだ飽和土壌中の物質輸送モデルを示した. また本モデルの解法としてCIP法による輸送計算と化学平衡計算をカップリングして解く方法を提案した. 数値計算結果は陽イオン交換カラム実験の結果をよく再現し, 妥当性が確認された. さらに本モデルを鉛汚染土壌の酸洗浄シミュレーションに適用し, 汚染除去率に及ぼす洗浄剤として投入する酸の流量や濃度の効果を検討するのに有用であることを示した. 提案したモデルとその解法の利点は, 計算負荷が低いこととアルゴリズムの簡便さであり, このことは考慮する化学種を増減したり, 溶液中の錯体形成反応や溶解沈殿反応などの他の反応系にも拡張することにおいて有効である.
  • 河村 明, 久野 祐輔, 神野 健二
    2004 年 2004 巻 761 号 p. 91-94
    発行日: 2004/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    河川の流況特性を把握するための基礎として流況曲線は多用されている. しかし通常の流況曲線では, 何本かの流況曲線を同時に描いた場合, その差異を特にその高水および低水部で見分けるのが困難であった. 本論文では, 河川流況で特に重要となる高水および低水部分を同時に拡大することにより, この部分でのいくつかの流況曲線の差異が明確に表わされ, 流況曲線間の比較が容易にできるよう, 通常の流況曲線を修正する方法を提案している. ここではこの修正した流況曲線を「昇降順対数流況曲線」と名付け, これを考えるに至った過程と本流況曲線の特性, さらに代表流量値の目算の容易さなどについて, 実際の流量データを用いて比較検討を行っている.
  • 田中 規夫, 湯谷 賢太郎, 北上 裕規, 浅枝 隆
    2004 年 2004 巻 761 号 p. 95-100
    発行日: 2004/05/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    オギの地上部が受けたダメージが翌年のセイタカアワダチソウとの競合関係に与える影響を解析した. オギを7月に刈り取った場合, 翌年の生長初期の地下部バイオマスは30%以上減少し, 地上部バイオマスとシュート高さも激減した. 解析により, 従属生長期の地下部からの地上部への栄養輸送は約0.5倍と推定された. セイタカアワダチソウの生長モデルを作成し, オギとの競合優位性の変化を解析した. 通常のオギはセイタカアワダチソウよりも草高が高く日射において優位であるが, 7月刈り取り翌年のオギは競合において明らかに劣勢となった, 7月刈りのダメージを受けた翌年のオギはシュート高さが1.5mも減少するため通常のセイタカアワダチソウよりも低い高さとなり, 日射量をめぐる競合に大きな影響を与えると考えられる.
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