土木学会論文集
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2004 巻, 778 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • Xiaowei TANG, Tadanobu SATO
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 1-15
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    FEM error due to discretization in the space domain causes inaccuracies in the nonlinear dynamic analysis of saturated soil, especially in the analysis of liquefaction considering large deformation. An adaptive strategy includes an error estimate and mesh refinement, in which the approximation is refined successively to a predetermined standard of accuracy, is essential to the effective use of finite element codes for practical analyses. In this paper, a posteriors error estimate procedure and h-adaptive FE are applied to liquefaction analysis of saturated soil using the elasto-plastic constitutive model and updated Lagrangian formulation. The advantage of this method is shown by the analysis of three numerical examples of saturated soil.
  • 村石 尚, 太田 直之, 杉山 友康, 中居 寛司, 岡田 勝也
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 17-27
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    落石防護柵のような斜面対策工の基礎として小口径の杭基礎が用いられることがある. この杭基礎は崖錐のように杭の設置条件として良好でない場所に設置されるだけでなく, 雪圧が過大な荷重として作用し, 基礎部の変形など変状が発生する可能性がある. そこで, このような被害を抑制するため, 小口径単杭の大変形挙動の発生メカニズムに着目した実験的研究を行った. 小口径杭としては中心には鋼棒を配置し, その周辺にグラウト, および, 鋼管を配置する構造とした. 当論文は, 鉛直および斜めに打設した単杭の荷重・変形特性を模擬地盤を用いて実験的に把握し, その静的モデルを提案するとともに, 崖錐地盤に設置した場合の作用荷重と杭の変形特性との関係について論じた.
  • 木村 亮, 長谷川 雅
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 29-39
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    杭の静的な鉛直支持力を求める経済的な試験法として, 急速載荷試験 (スタナミック試験) が近年実施されている. しかし通常は単杭を対象としており, 群杭基礎やパイルド・ラフト基礎に対する試験はほとんど行われていない. 本研究では従来のスタナミック試験の動力源である推進剤の代りに, 圧縮空気を用いた急速載荷模型装置によって, 群杭およびパイルド・ラフトに対して模型急速載荷試験を実施した. 急速載荷試験の解釈法として最も一般的である除荷点法のパイルド・ラフトへの適用性を検討し, 急速載荷試験におけるラフトの支持力分担や群杭効果, パイルド・ラフトの支持メカニズムについて考察した.
  • 山口 栄輝, 南野 能克, 菊池 喜昭, 久保 喜延
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 41-54
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    港湾構造物の基礎や係留施設の杭の設計では, その横抵抗特性を評価するため, 地盤ばね定数を必要とする. 地盤ばね定数を求める方法は基準類に準備されているが, その精度は必ずしも十分とは言えない.
    本研究では, 多層地盤を対象に, 弾性地盤反力法でモデル化した杭の有限要素法による解析法および載荷試験結果から地盤ばね定数を推定する逆解析手法を提示する. その有効性は数値計算例により検証し, さらに, 地盤ばね定数を精度よく推定するための方法について検討する. その結果, 第一過渡領域に属する短杭を用いるのが地盤ばね定数の推定精度向上には望ましいこと, 複数の荷重から得られる杭の変形情報を同時に扱えば, 地盤ばね定数の推定精度は向上することが明らかになった.
  • 山崎 浩之, 下迫 健一郎, 中川 将秀
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 55-71
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本文は, サクション基礎を防波堤基礎として利用した場合の波浪作用時のサクション基礎地盤の応答を主に間隙水圧, 土圧 (鉛直応力) について調べたものである. 検討は, 大規模波動地盤総合水路を用いた水理模型実験および地盤を弾性体と仮定した有限要素解析により行った. その結果, 波浪作用時にはサクション基礎部に負の間隙水圧が発生し, 波力に対する抵抗に寄与していることが確認された. また, 水平荷重に対する負の間隙水圧の発生機構も明らかにした.
  • 許 四法, 今泉 繁良
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 73-84
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    廃棄物最終処分場には浸出水の場外への漏出防止のため遮水シートが敷設されている. 遮水シートには廃棄物の圧縮に伴う引込み張力が働くが, 適切な評価法は確立されていない. 本研究では, 保護マットと遮水シートの固定部張力を評価する方法として, 斜面先に土圧を考慮した力の極限平衡法, 遮水シートの剛性を考慮した弾性法, 境界面での摩擦力の伝播を考慮するジョイント要素を取り入れた有限要素解析法を提案した. そして, 各種計算法の妥当性を検討するために, 上部保護マットと遮水シートからなる遮水工を持つ処分場の遠心模型実験を行った. その結果, 遮水シートの剛性が上部保護マットと遮水シートの固定部張力に影響すること, ジョイント要素を取り入れた有限要素解析法の結果が実験値にかなり一致することを示した.
  • 井尻 裕二, 畑 明仁, 細野 賢一, 澤田 淳
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 85-97
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価においては, 核種移行計算に用いる概念モデルおよび入力パラメータ値の不確実性が計算結果に及ぼす影響を定量的に評価することが重要な課題の1つとなっている. 本研究では, 最尤推定法を用いた逆解析プログラムを作成するとともに, スウェーデン Äspö 島の地下研究所 Hard Rock Laboratory (以下, HRLという) 内の単一割れ目内で実施された非収着性および収着性トレーサを用いた原位置トレーサ試験結果から得られる核種移行パラメータの不確実性を評価した. その結果, 原位置トレーサ試験より得られるパラメータ値の不確実性は, 濃度破過曲線観測値のばらつきに起因した不確実性よりも, 試験結果の評価に用いるモデルに起因した不確実性の方が大きいことが明らかとなった.
  • 田中 洋輔, 今井 五郎, 片桐 雅明
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 99-110
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    遠心載荷により自重圧密した超軟弱粘土地盤に対してベーンせん断試験を行う場合, 模型地盤の深度方向に有効応力が増加し, 含水比が減少して, ベーンブレードの上下端面の間で含水比ならびに強度が大きく異なる. このような模型粘土地盤に対するベーンせん断強度の算出方法について実験的に検討した. その結果, 従来のベーン強度算定式から得られる強度とそのベーンブレード位置での平均含水比を対応させると, 含水比分布が均一な場合のベーンせん断強度-含水比関係とほぼ一致することがわかった.
    超軟弱粘土地盤の強度-含水比関係を一般化するために, 既往の研究結果も含めて再整理した. その結果, 含水比を液性限界で正規化する方法が, 液性指数と対応させるよりも一致度が高いことが認められた.
  • 岡田 勝也, 杉山 友康, 太田 直之, 布川 修, 柴田 英明
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 111-124
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    鉄道盛土では, 降雨時に発生する法面崩壊を防止するために法面表層に被覆工を施工することが多いが, この被覆工は従来, 侵食防止を主目的にしたものである. しかし, この機能以外にも, 盛土本体の豪雨時の地下水上昇抑制効果もある. 本論文は, 砂質盛土の法面被覆工が豪雨時の崩壊防止に及ぼす影響について検討した. まず, この法面被覆工の地下水抑制に及ぼす影響に着目した模型実験と, 実際の鉄道盛土の降雨浸透とすべり崩壊について論じた. これらの結果を受けて, 砂質土からなる複線鉄道盛土を対象として, 法面被覆工の施工長さなどをパラメーターに数値解析を行い, 被覆工の豪雨時の崩壊に及ぼす効果を定量的に論じるとともに, 限界雨量による危険度評価手法への適用について述べた.
  • 西垣 誠, 小松 満, 入江 彰, 矢野 耕一郎, 太田 拓郎
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 125-137
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    山岳トンネル掘削に伴う山体内の地下水位の挙動の変化は, 掘削時の安全性だけでなく, 地元住民の生活や周辺の自然環境など多岐に亘って影響を及ぼす. これらの影響評価の上で基本的な指標となる地下水位変動の影響圏とトンネル内湧水流量を予測するためには, いくつかの簡易的な方法が提案されている. しかし, これらの簡易的な手法は何らかの仮定に基づいて提案されたものである. そこで, 本研究では従来から提案されている方法とその前提条件について明らかにするとともにとともに, これらの方法では取扱っていなかった降雨と透水係数を入力条件とした影響圏の簡易推定法を提案する. また, これらの結果をもとに, 浸透流解析においてモデル化すべき領域の設定方法について論述する.
  • 山口 晶, 飛田 善雄, 風間 基樹
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 139-150
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    緩傾斜地盤の地震動後の流動現象のメカニズムは, 間隙水の浸透を考慮すると合理的に説明できる. しかし, 非排水繰返しせん断後に間隙水が流入する砂の変形特性を詳細に調べた研究は少ない. 本研究では, 初期せん断応力を与えた供試体に非排水繰返しせん断履歴を与え, その後に間隙水注入実験を行った. この実験から非排水繰返しせん断履歴が, 間隙水流入時に発生する流動現象に与える影響を検討した. その結果, 間隙水流入時のダイレイタンシー係数は, 非排水繰返しせん断履歴中のせん断変位量の影響を受けることが分かった. 初期せん断応力の作用方向の反対方向において正のダイレイタンシーが発生した場合, 砂の骨格構造が損傷することが示された.
  • 原 忠, 國生 剛治
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 151-162
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    非粘性土の最小・最大密度試験方法は, 砂についてはJIS A 1224が既に定められているが, 2mm以上の礫分を含む砂礫については規定されておらず, 基準化に向けた研究が望まれている. 本研究では, 内径および高さの異なる10種類のアクリルモールドを用いた最小密度試験, および内径20cm, 高さ20cmの鋼製モールド, 上載型バイブレーターを用いた最小・最大密度試験を行い, 試料投入法, 上端面処理法, 振動締固め法, 粒度分布の違いなどが砂礫の最小・最大密度に及ぼす影響を調べた. これらの検討結果に基づき, 2mm以上の礫分を含む砂礫に適用可能な最小・最大密度試験の基準化に当たっての具体策を提案した.
  • 辻 慎一朗, 荒井 克彦
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 163-172
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    軟弱地盤上に盛土載荷を行う場合について, 地盤の計測変位から, 地盤の圧密を考慮して, 有効応力表示での Mohr-Coulomb 強度定数c', φ'を逆算する手法を開発する. 地盤が破壊に至る前にc', φ'を逆算するために, 双曲線型の応力―ひずみ関係式を用いて外挿的に強度を推定する. 盛土載荷による地盤の計測変位と計算変位の誤差二乗和を最小とするc', φ'を求める. 応力―ひずみ関係の非線形解析と最適化計算に, それぞれ増分法とシンプレックス法を組合わせる方法を用いると, 安定してc', φ'を逆算できることを示す. 地盤の応力状態が破壊に近づいている程度や, 計測変位の配置など, c', φ'の逆算を可能にする条件も明らかにした. 以上の結果, 軟弱地盤のc', φ'を逆算する実用的な手法を得た.
  • 田中 政典, 永嶋 一臣, 亀井 健史, 安藤 慶彦, 辻岡 孝彦
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 173-181
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    磁気共鳴映像法 (Magnetic Resonance Imaging, MRI) は物質内部を直接触れることなく, 外部から磁気を与えることによって, その内部を立体的に把握することができる映像技術であり, 医療分野で発展を遂げている. 本研究ではMRIによる映像技術を土試料の乾燥過程における水分変化の観察に適用した. MRIの適用にあたり, 試験体の形や水分量に関する予備実験を行った後, 土試料の乾燥過程における水分変化を観察した. その結果, 土の乾燥収縮過程における試料内部の水分変化を映像によって捉えることができ, 試料の水分量を非破壊で精度良く推定できることが示唆された.
  • 亀井 健史, 松尾 和俊, 志比 利秀
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 183-193
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    石炭灰の地盤材料への有効利用は, 石炭灰の処分問題や良質な地盤材料の不足問題等の解決策となる可能性がある. 本研究では, 石炭灰リサイクルの拡大を視野に入れ, セメントを添加して締固めた石炭灰の一軸圧縮特性に及ぼすセメント添加量の影響について検討している. その結果, 締固めた石炭灰の一軸圧縮強さは, セメント添加の有無によらず, 最適含水比より湿潤側では含水比の増加に伴い急激に減少するものの, 乾燥側では含水比の増加に伴い徐々に増加することが明らかとなった. また, 締固めた石炭灰の強度変形特性は, セメント添加量の増加に伴い大きくなることを示すとともにその関係を定式化した. とくに, そのセメント添加に伴う強度増加の効果は, 最適含水比の96%程度の含水比において顕著となった.
  • 小玉 齊明, 藤井 義明, 石島 洋二
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 195-204
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    1℃, 40℃, 80℃の3通りの温度における水中でダブルトーション試験を行い, 緩やかな亀裂進展現象に対する温度の影響を調べた. その結果, 温度が上昇するに従い, 応力腐食指数が減少すること, 同レベルの応力拡大係数に対する亀裂速度が増加することを確認した. これらについて反応速度論に基づいた活性化エネルギーの評価を行い, 一軸圧縮試験, 圧裂引張試験, 破壊靱性試験の結果と比較した. また, 緩やかな亀裂進展における温度の影響の要因として, 応力腐食の熱活性化の他に水の影響を挙げ, 有限要素法による熱応力解析を実施し, 亀裂観察によるフラクタル次元の評価, ガラス供試体を用いた試験結果等もあわせて, 試験結果について考察した.
  • 風間 基樹, 鶴見 哲也
    2004 年 2004 巻 778 号 p. 205-210
    発行日: 2004/12/21
    公開日: 2010/08/24
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