日本農村医学会雑誌
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45 巻 , 5 号
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  • 石川 雅枝, 橋本 洋, 前田 淳, 重本 六男, 山下 克子, 横山 泉
    1997 年 45 巻 5 号 p. 639-646
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    著者は甲状腺疾患発見のため, 頸部の超音波検査時だけでなく腹部や乳腺などの超音波検査の際にも甲状腺を観察するよう努めている。甲状腺超音波検査を行なった632例について検討した。(1) 甲状腺超音波検査所見は結節性病変157例 (そのうち充実性腫瘤は52例), びまん性変化38例, 異常なし437例であった。(2) 結節性病変群には7例の甲状腺癌が含まれた。7例の年齢は41歳から92歳, 腫瘍径は8mmから28mm, 組織型は乳頭癌6例, 濾胞癌1例であった。腫瘍径25mm以上の3例では診察時に前頸部腫瘤を認めたが, 20mm以下の4例は腹部超音波検査の際に甲状腺を観察して発見したものであった。結節性病変に甲状腺機能異常を伴ったのは機能亢進2例と機能低下3例であった。(3) びまん性変化群には機能亢進5例 (亜急性甲状腺炎1例, バセドウ病4例), 機能低下2例 (慢性甲状腺炎) が含まれていた。そのうちバセドウ病の1例と機能低下2例では超音波検査前には甲状腺疾患を指摘されていなかった。甲状腺機能正常の31例の中にも10例の甲状腺自己抗体陽性例がみられた。(4) 超音波検査がきっかけとなって甲状腺機能異常が診断されたのは機能異常12例中5例で, この5例のうち4例が60歳以上の老年者であった。
    超音波検査は甲状腺癌だけでなく, 甲状腺機能異常の発見にも有用であった。甲状腺疾患は頻度が高く, 腹部などの超音波検査時に甲状腺の観察を追加することが有意義であった。
  • 崔 正和
    1997 年 45 巻 5 号 p. 647-658
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    最近, 韓国の農家では, ハウスの普及率が増加するのに伴いハウス症候群の愁訴率が高まっている。本研究では, ハウス病の予防対策をたてるために, まず, ハウス内の作業実態を把握し, その改善について検討した。方法としては冬と春にそれぞれ3種類のハウスを選び, ハウス内の温度, 湿度, CO2濃度, ハウス内外の温湿度差, 作業者の皮膚温, 脈拍・血圧, 衣服内温湿度, 主観的感覚 (温熱・湿潤・快適感), 発汗量などを測定し, 労働負担の軽減策及びハウス内作業環境改善対策を検討した。その結果,(1) ハウス内部環境は, ハウスの大きさ, 向き, 形態, 栽培作物の種類, 外部環境温変化により著しく変わっていることがわかった。また, ハウス内の環境条件と作業内容により人体の生理反応も影響を受けていた。本実験では, 同じ作物を栽培したハウスであっても, 小規模の単棟型が連棟型よりももっと不利な作業環境条件であった。(2) 冬季のハウス内外の温度差は16~23℃ でハウス出入りの際に人体にかかる熱的負担の直接的な原因となっていた。(3) 春季ハウス内部の温度が最高50℃ にまで上昇したため, ハウスで長期間作業した作業者に加わる肉体的, 精神的な負担が大きくなっていた。(4) 休憩室を備えた改良型の場合, ハウスへの出入りによる環境条件の変化に対する人体の生理反応の変化幅は, 他のハウスの場合よりゆるやかに変わる傾向を示した。従って, ハウス作業時に休憩室を設置し, 安全のための方策を守ることは, 急激な環境変化による人体の負担を軽減し, 環境変化への対応を容易にし, 健康障害の予防に役立つこと等を確認した。
  • 山本 昌弘, 川久保 明利, 垣屋 聡, 月山 克史, 近藤 幸浩
    1997 年 45 巻 5 号 p. 659-663
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の生涯をシミュレートし, 1996年4月現在の診療報酬点数表を基に, 必用とされる医療費を推計した。NIDDMでは, 40歳発症, 75歳死亡と仮定すると, 合併症無く, 経口血糖降下剤のみを投与されて, 生涯をすごした時約500万円, 高血圧, 神経障害, 網膜症, 高脂血症を合併した時1,200万円と算出された。IDDMでは, 20歳発症, 70歳で死亡と仮定すると, 合併症の無い時約2,500万円, 高血圧, 神経障害, 網膜症, 高脂血症に加え20年間透析を受けたと仮定した時約7,600万円と算出された。合併症の発症を予防することは, 患者の快適な人生を保証するばかりでなく, 医療経済面からみても, 重要な課題であることが示された。厳格に血糖をコントロールすれば, 合併症を高率に防止できることは明らかにされているので, 既に発症した疾患に対応することばかりでなく, 疾患を予防することも従来以上に重視されねばならない。
  • 加茂 弘子, 畝 博, 江崎 廣次
    1997 年 45 巻 5 号 p. 664-670
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    全国的に農薬中毒死が最大数となった1986年を含む1983年から1987年の5年間のデータを用いて, 福岡県における農薬中毒死の状況を知るために, 保健所管内別に農薬中毒の標準化死亡比 (SMR) を計算し, 地域差を検討した。
    SMRの計算は, 福岡県の1983~1987年の人口動態死亡テープより保健所別に農薬中毒死亡者数を集計し, 5年間の福岡県の農薬中毒による性別年齢 (5歳) 階級別死亡率を標準として行った。
    福岡県の5年間の全農薬中毒死は351例で, 40~50歳代に多かった。また, 全農薬中毒死のうち71%が自殺 (男女比3: 2) で, その割合は男151/223例 (68%), 女99/128例 (77%) で女に自殺の割合が高い傾向があった。
    全農薬中毒死のSMRは, 男女ともに筑後地区などの農村部に高率で, 北九州市や福岡市の都市部で低率であった。農薬による自殺のSMRも全農薬中毒死の71%を自殺が占めているので, 男女とも農村部に高率, 都市部で低率となった。全般的に全農薬中毒死が高率のところは農薬による自殺も高率で, 手近に農薬があるために自殺による中毒死が多く従来から言われているように農薬の厳重な保管管理が必要と考えられた。
  • 武田 守彦, 木村 啓二, 円谷 智夫, 関口 展代, 渡辺 一, 林 雅人
    1997 年 45 巻 5 号 p. 671-679
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    過去10年間に当院にて加療した原発性肺癌患者494例の臨床的検討を行った。患者の病期別割合は1期20.4%, II期4.5%, IIIA期12.1%, IIIB期23.8%, IV期34.3%と, IIIB期, IV期が半数以上を占めていた。病期別の生存率は非小細胞癌 (NSCLC) で5年生存率1期61.0%, II期43.4%, IIIA期21.2%, IIIB期0%, IV期0.9%であり, 小細胞癌で3年生存率と中間生存期間 (MST) がLimited Disease10.3%, 13.7か月, Extensive Disease 0%, 4.8か月であった。NSCLC組織型別の5年生存率は扁平上皮癌19.7%, 腺癌19.5%, 大細胞癌5.3%であった。発見動機別の5年生存率は検診群39.4%, 自覚症状群9.8%, 他疾患の経過観察中発見群14.7%であった。進行NSCLC内科的加療群の1985~89年の症例と1990~94年の症例の5年生存率及びMSTはそれぞれ1.9%, 7.4か月, 3.7%, 9.9か月と有意差は見られなかった。当院の肺癌患者の約75%がIII期+IV期の症例であり, 予後は極めて不良であった。現状においては, 肺癌の一次予防及び検診による早期発見への努力が一層要求されるであろう。
  • 中川 雅文, 竹沢 裕之, 渡辺 雅子, 今井 良吉, 渡邊 一正
    1997 年 45 巻 5 号 p. 680-684
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1993年4月1日より, 1995年7月31日までの間に帯広厚生病院耳鼻咽侯科を受診し, 鼻アレルギーと診断された患者でRISTおよびPASTを施行しえた患者336例を対象として, 十勝地方の鼻アレルギー患者, 特に花粉症においての臨床的検討を加えた。北海道地方ではイネ科花粉症が重要であるといわれているが, 十勝地方ではシラカンバの樹木花粉症が最も重要であり, カモガヤ, チモシーのイネ科花粉症同様ヨモギ花粉症も重要であることがわかった。これは十勝地方の気候, 植性によるものであり, 日常診療において役立てるべきであると思われた。
  • 小野 満也, 清水 茂文, 佐藤 勝, 夏川 周介, 松島 松翠, 西垣 良夫, 杉山 賀丸
    1997 年 45 巻 5 号 p. 685-688
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    長野県南佐久地方の過疎化農村地域に位置する長野県厚生連佐久総合病院付属小海町診療所は, 長野県厚生連健康管理センター, 佐久総合病院胃腸科内視鏡室, および自治体と共同で1982年より上部消化管内視鏡による胃二次精検を開始し, 1986年からは早朝 (午前6時30分~8時30分) に行った。1995年度には胃X線検診1,513例中, 555例に上部消化管内視鏡を行い, 早期胃癌1例, 進行胃癌1例が発見された。早朝の胃二次精検は農繁期に農作業従事者が受診することを可能にし, 精検未受診をなくす上からも重要であった。自治体保健婦との協力のもとに地域健康管理活動の一環として行われたことは, 過疎地農村における保健医療のネットワーク化の上からも有意義であると思われた。
  • 長岡 秀郎, 広岡 一信, 印南 隆一, 大貫 雅裕, 真鍋 晋, 船越 尚哉, 藤原 明, 岡崎 洋雄
    1997 年 45 巻 5 号 p. 689-695
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    Marfan症候群に伴うannulo-aortic ectasia (AAE) 兼僧帽弁閉鎖不全症の1例に対して術中心筋保護法としてcontinuous warm blood cardioplegia (CWBC) を用いてmodified Bentall兼僧帽弁置換術 (MVR) を行い良好な結果を得た。症例は42歳, 女性。精査の結果, 前記診断に加えて心筋障害及び左室機能低下を認めた。手術は先ず機械弁にてMVRを行い, 次いで機械弁付きcornposite graftにて大動脈基部置換 (modified Bentall手術) を行った。この際冠動脈の再建は短い10mm径人口血管をinterposeするInterposition graft法にて行い, 中膜壊死による組織脆弱性への対策として弁輪部へのTeflon felt stripの使用などの手技的工夫を行った。術中心筋保護法は我々の数年来の経験にて優れた心筋保護効果を認めているCWBCを用いた。複雑な手術手技のため大動脈遮断時間は235分と長時間に及んだが, 術後急性期の心機能は良好で, CK・MB最高値は231U/Lと低値を示し満足すべき結果を得た。本症例の経験から心筋保護法としてCWBCを用い, 冠動脈再建法としてInterpositiong raft法を用いたmodified Bentall兼MVRは推奨し得る方法と考えられる。
  • 木田 孝志, 小谷 一敏, 宇野 浩司, 大越 祐一, 金藤 悟, 松野 慎介
    1997 年 45 巻 5 号 p. 696-701
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    最近, 肝嚢胞に対する新しい治療法として腹腔鏡下開窓術が行われ始めた。低侵襲手術としての利点はあるが, 出血や胆汁漏などの問題もある。我々はこれまでに3例の有症状の巨大肝嚢胞に対して腹腔鏡下に開窓術を行ったが, 1例目において高周波メスを用いて嚢胞壁を切除する際に出血をきたして難渋した。この反省から, 嚢胞表面に薄くなった肝実質が存在した自験例2ではENDO GIA (US surgical社製) を使用して合併症なく広範囲の開窓が可能であった。また, 嚢胞が比較的よく露出していた自験例3では止血効果が良好で肝組織に侵襲の少ない超音波切開凝固装置HARMONIC SCALPEL (Ultracision社製) のLaparoscopic Coagulating Shearsを使用するなどの工夫を行った。本術式は嚢胞の状態による器具などの工夫により, 安全かつ容易に施行することが可能であり, 有症状の肝嚢胞, 特に巨大単房性肝嚢胞に対する治療の第一選択になりうると考えられた。
  • 堀口 純
    1997 年 45 巻 5 号 p. 702-705
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    気管・気管支に原発し, 限局するアミロイドーシスの1例を経験した。気管支病変に3次元再構成CTを施行し, 壁の狭窄・不整の描出に有効であった。一方骨シンチ, ガリウムシンチでは病変の石灰化部位への集積を認めた。集積機序・有用性に関し, 文献的考察を加えて報告した。
  • 1997 年 45 巻 5 号 p. 706-717
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 45 巻 5 号 p. 718-727
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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