日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
Print ISSN : 0468-2513
ISSN-L : 0468-2513
46 巻 , 1 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 山下 一也, 小林 祥泰
    1997 年 46 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    島根県隠岐島の小漁村住民183人を対象に4年間の血清脂質の変化を検討した。初年度と4年後ともに, 総コレステロール, 中性脂肪に関しては, 各年代ともに差はみられなかったが, HDL-コレステロールについては, 4年間で40代男性, 50代女性, 60代女性では有意に上昇した。総コレステロールには男女差はみられなかった。中性脂肪は70歳以上の男性では女性よりも有意に低かったが, 40代男性では女性よりも有意に高かった。また, HDLーコレステロールは初年度の40代男性と4年後の50代男性は女性よりも有意に低下していた。body mass indexと初年度の総コレステロールと初年度および4年後の中性脂肪とは有意の正相関がみられ, HDL-コレステロールとは有意の負相関がみられた。
    漁村においては総コレステロール, 中性脂肪に関しては, 加齢の影響はみられず, またHDL-コレステロールは一部の年代で上昇した。中性脂肪の上昇とHDL-コレステロールの低下とは肥満度と関連がみられた。
  • 高橋 剛, 田中 一成, 工藤 治
    1997 年 46 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    超音波カラードプラ法による体内血流観察は心疾患についてよく行なわれている手法である。しかし腹部臓器については血流速度が遅いためなかなか実用化しなかった。近年, 細動脈低速度血流を測定することが可能な機器が開発され, おもに肝臓, 腎臓についての測定が可能となってきた。そこで我々は本法を用いて泌尿器科領域で頻度の高い前立腺肥大症, 水腎症, 小児の逆流性腎症について測定を行い, その診断的意義を考察した。
    測定は腎葉間動脈 (ILA) で行い, 最高血流速度 (Vmax) と最低血流速度 (Vmin) を記録した。その他の腎機能検査としてDMSA-腎シンチグラムを行った
    結果:(1) 前立腺肥大症については34人 (68腎) について測定した。その結果Vmax, Vminなどの血流速度は年齢と共に低下する傾向が見られ, これは対照群も同様であった。またVminは対照群より有意に低下していた。
    (2) 水腎症についてはVminが対照群より有意に低下していた。また水腎度別に分類すると水腎症が高度になるほどVminも低下傾向を示した。
    (3) 逆流性腎症群についてVminは腎シンチグラム摂取率と高い相関を示した。Vminを瘢痕度別に分類してみると高度瘢痕群は有意に低値を示した。
    これらの結果より本法による腎血流速度測定は泌尿器科的疾患の進行程度判定に有用であり大まかな腎機能検査にもなり得る。また簡便で容易に小児, 高齢者にも行えることから集団検診にも有用であるものと予想された。
  • 鶴嶋 英夫, 目黒 琴生, 亀崎 高夫
    1997 年 46 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    外減圧術が施行された5症例に関して, 8個のハイドロキシアパタイトの人工骨を用いて頭蓋形成術が施行された。5症例中4例は頭部外傷, 1例は髄膜腫であった。ハイドロキシアパタイトを用いたセラミック人工骨はコンピュータを用いてCT scanから三次元モデルを構成し作製された。頭蓋骨欠損部のサイズはCTscan上で最大120×45×110rnn (矢状断方向×冠状断方向×体軸方向), 最小でも64×60×90mmと大きいものであった。挿入された8個の人工骨は骨欠損部に容易に適合し, 美容的にも優れていた。セラミック人工骨は大きな頭蓋骨欠損の形成術には適していると思われた。合併症としては1つの人工骨に感染症を起こし, もう1つの人工骨では術後硬膜外血腫がみられた。硬膜外血腫をおこした症例は頭蓋骨欠損が大きいこと, 肝機能障害があり, これによる凝固機能障害をきたしていたことが出血をおこした要因と考えられた。大きい頭蓋骨欠損の形成術時には従来以上に硬膜の吊り上げに留意すべきであると思われた。
  • 今井 敏夫, 村島 義男
    1997 年 46 巻 1 号 p. 18-22
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    肥満児の有効な予防対策を樹立するために学童肥満の発現時期を北海道の農村地帯の保育園児を対象として, 肥満児頻度を算出して縦断的に検討した。
    農村男児は都市に比べていずれの年齢でも肥満児頻度が高かったが, 有意差はなかった。またその頻度は4歳で急速に増加した。
    女児でもその傾向はほぼ同様であったが, 都市の女児はやせがやや目立った。6歳時に肥満度20以上の両群男児についてその肥満度を縦断的にみると, 3歳, 4歳から肥満児が急速に増加した。このことから, 3歳児から肥満の一般教育, 個々にきめ細かな食事運動などの生活指導を開始する必要がある。
  • 服部 泰典, 土井 一輝, 川上 不二夫, 日浦 泰博
    1997 年 46 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    指末節部の切断指再接着術後のうっ血に対し, 医療用に開発されたヒルを使用し良好な結果を得ることができた。わずか数十分の使用で数時間にわたる出血が得られ, 従来行われていた医師もしくは看護婦によるミルキング等の処置を必要とせず, 医療サイドの負担を大きく軽減させることが可能となった。ヒルの使用による感染の危険もあるが, 第2, 3世代のセフェム系抗生剤に感受性があるため十分予防可能である。
  • 山岡 一昭, 神 靖人, 大岡 真也, 小橋 高宏, 田尻 和男, 山根 道雄, 磯村 孝二, 大塚 直美, 浅沼 しず子, 佐藤 千史
    1997 年 46 巻 1 号 p. 27-30
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    慢性飲酒者の肝障害の程度を把握する指標として動脈血中ケトン体比 (AKBR) が有用であるかどうかにつき検討を行った。健常者8例, アルコール性肝障害14例, 慢性活動性肝炎15例を対象とした。アルコール性肝障害患者は全例3合/日以上, 5年以上の常習飲酒家とし, 肝硬変症例および糖尿病患者は除外した。AKBRの測定にはケトレックスキット (三和化学) を用い, アセトアセテートと3-ヒドロキシブチレートを測定後AKBRとしてアセトアセテート/3-ヒドロキシブチレートの比を算出した。AKBRは健常者1.68±0.77 (平均±SD), アルコール性肝障害1.55±0.79, 慢性活動性肝炎2.22±1.02でアルコール性肝障害で低い傾向が見られたが3群間で推計学的有為差を認めなかった。今回の結果からは, 肝におけるアルコール代謝は肝ミトコンドリアにおける酸化還元状態にほとんど影響を与えていない可能性とAKBRが肝ミトコンドリアにおける酸化還元状態を反映していない可能性の両方が考えられたが, いずれにしても, AKBRはアルコール性肝障害を把握する指標として有用とは言えなかった。AKBRの臨床的意義について現在混乱がみられており, AKBRが肝組織のケトン体比と相関するとするREDOX理論の妥当性に関して, 今後さらなる検討が必要と考えられた。
  • 石井 宏昭, 清水 一, 郷家 久道, 高田 典彦, 瀬戸 院一
    1997 年 46 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    近年, 日本は世界一の長寿大国となって久しいが, 老年者人口も増加傾向にある。1993年の65歳以上の老年者は全国で13.5%なのに対し長野県では17.9%と大幅に全国平均を上まわり, 南佐久地方では22.0%と県平均をさらに上まわり急速な老齢化が進み, それに伴い寝たきり老人の数も増加している。
    佐久総合病院では1988年より内科が中心になり在宅訪問診療を行っているが, 歯科口腔外科においても1990年より在宅訪問歯科診療を行っている。
    在宅療養となった患者は様々な基礎疾患を有しており, それらの介護に関心が注がれ口腔のケアについては軽視される場合が多い。しかしながら, 口腔は細菌など病原微生物の侵入門戸であり, 基礎疾患を増悪させないためにも口腔内を清潔にすることは重要である。また, 義歯などを装着して噛めるということは食事の質的, 量的バランスの向上にもつながる, さらに咀嚼運動は脳を刺激してボケの予防になるとの報告もあり, 寝たきりになり食べることが楽しみの一つである患者にとりわれわれ歯科医がはたす役割は決して少なくないと思われる。今回, 1990年から1995年までの6年間に当科で行った在宅訪問歯科診療の現状について報告する。
  • 谷口 富男, 武山 直治, 北村 顕, 政井 治
    1997 年 46 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    岐阜県北部に位置する飛騨地域は, 県の1/3を占める (鳥取県の全面積に匹敵) 広範な山岳地帯に約17万人の人口が, 数百世帯程度の集落で散在し, 老齢人口は20%程度に達している典型的な過疎地である。当センターは, 高山市に在り, 年間約280か所, 約2万5千人程の巡回検診を実施している。
    コンピュータの普及にともなって業務やデータの効率的処理のため, コンピュータを利用することが多くなっておりその有用性は多くの人々が認めるところである。
    今回 (1) 巡回検診現場入力業務の省力化,(2) 転記, 用手入力業務の省力化,(3) 検診結果の早期返却,(4) 町村における検診カルテの廃止等を目的にノート型パーソナルコンピュータ (PC) を利用した「検診現場入力システム」を国府町を中心とした10町村の協力を得て実施したので報告する。
  • 小野 満也, 新井 道子, 渡辺 二三子, 木次 きよ美, 樋田 敬子, 菊池 万知子, 清水 茂文
    1997 年 46 巻 1 号 p. 42-45
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    当院で過去5年間に42例の末期癌患者に対して在宅医療を行なった。原発巣は膵臓癌が最も多く, 平均死亡年齢は76.4歳と心不全や脳梗塞に比べ若い傾向がみられた。平均在宅期間は60.1日, 平均訪問回数は15.8回であった。52.4%に塩酸モルヒネの投与を行なった。塩酸モルヒネの平均投与量は1日48.2mg, 平均投与日数は30.6日であった。介護者は嫁と妻がほとんどを占めていた。社会資源の活用としてベッドの貸し出しなどを行なった。病名が告知された例は21.4%であった。末期癌患者のターミナルケアとして, 在宅医療は今後重要になるものと思われ, 塩酸モルヒネなどによる疼痛のコントロール, 頻回の訪問による患者ケアおよび介護者の援助, 社会資源の積極的活用, 24時間対応の医療体制が重要と思われた。
  • 永山 和宜, 酒井 義法, 田沢 潤一, 宮坂 有香, 余 心漢, 佐久間 郁行, 前川 伸哉, 佐藤 千史
    1997 年 46 巻 1 号 p. 46-51
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    症例は58歳男性。1994年6月, 葛麻疹に対しフマル酸エメダスチンを投与されたが, 7日後に黄疸が出現したため入院した。AST 106 U/l, ALT 274 U/l, T-Bil 6.8mg/dl, γ-GTP 857 IU/l, ALP 807 IU/lと胆汁うっ滞型の肝障害を示し, 抗ミトコンドリア抗体 (AMA) 80倍と陽性で抗PDH抗体 (抗M2) は陰性であった。肝生検では中心静脈周囲に胆汁栓を, 門脈域に軽度のリンパ球浸潤を認めたが胆管病変はなく, 線維化も認めなかった。フマル酸エメダスチンに対するリンパ球刺激試験 (DLST) が陽性で薬剤性肝障害と診断した。薬剤中止後も胆道系酵素の高値とAMAの強陽性が持続したため1996年9月, 再び肝生検を施行した。組織像では小葉構造は保たれ, 門脈域の一部にリンパ球浸潤を, また一部で細胆管増生, 胆管消失を認めたが原発性胆汁性肝硬変 (PBC) とは異なる組織像であった。薬剤性肝障害でAMA陽性となることは極めて稀であり, 2年以上の長期にわたり経過を観察しえた示唆に富む症例と考えられた。
  • 前川 謙一, 加川 憲作, 松野 康成, 冨田 恵子, 毛利 泰実, 畠山 啓朗, 勝村 直樹, 山藤 正広, 河村 修, 端山 和雄
    1997 年 46 巻 1 号 p. 52-55
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    去2年間に当院を受診した農薬中毒の4例について報告した。症例はパラコート2例, スミチオン2例で, それぞれ生存1例, 死亡1例で死因はともに呼吸不全であった。パラコートの生存例は死亡例より多くの量を服毒していたが, 嘔吐が強いため, 実際の吸収量は少なく, また超急性期に胃洗浄, 人工透析, 血液吸着が行われたため救命し得たと考えられた。またスミチオンの死亡例は来院時, 原因物質が不明であり, 人工透析および血液吸着導入までの時間を要し, 呼吸不全を招来したことが死亡原因と考えられた。したがって, 原因物質の如何にかかわらず, 農薬中毒に対しては, 早期より人工透析および血液吸着を含めた集中治療を実施することが予後の改善につながると考えられた。
  • 1997 年 46 巻 1 号 p. 56-61
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 46 巻 1 号 p. 62-67
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 46 巻 1 号 p. 68-95
    発行日: 1997/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top