日本農村医学会雑誌
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53 巻 , 1 号
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綜説
  • 市川 英彦, 花岡 寿満子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    2004年1月厚生労働省老健局の高齢者リハビリテーション研究会 (座長 上田敏) が「高齢者リハビリテーションのあるべき方向 (案)」を出した。
    これをきっかけに, 介護保険制度実施以来あった高齢者リハビリテーションの在り方論議が一層高まって来ている。
    私どもは, 1960年我が国の高齢者リハビリテーション (以下, リハと略す)の黎明期から脳卒中を中心に関わってきた。その取り組みを振り返りながら, 今日までの高齢者リハの道のりをたどった。
    これを踏まえ, 高齢者リハは生命, 生活, 人生を総合した生活機能全体の向上を目指すものとする立場に立って, 高齢者リハを展望し次の2点を強調する。
    (1) 国際生活機能分類をモデルとした高齢者リハの展開
    (2) 安心の地域づくりの協同のひろがりと連動した地域リハシステムの構築
原著
  • 菊地 顕次, 須田 良孝, 塩屋 斉, 進藤 健次郎
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 11-22
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    平成7年1月から平成14年12月までの8年間に秋田県本荘市・由利郡内で発症し当院で治療した, くも膜下出血327例を対象として当地域内における発症状況と治療成績を分析・検討した。前半4年間は年間40例を超える発症数だったが, 後半はそれに達せず, 対人口10万人あたりの年間粗発症率でも前半の37.2から28.7へと減少していた。地域別発症率では70歳以上の高齢化率が22.4%の東由利町が47.8と最も高かった。月別では1月, 2月の冬期間に多発し, 発症が気温の変動と関連するものと考えられた。年齢分布は21~92歳 (平均64.5歳) で, 年齢階層別のピークは70歳台, 次いで60歳台であり, 一峰性の分布を示した。性別では女性に好発し男女比は1 : 1.8であり, この比は高齢ほど著明で70歳以上で1 : 3.8だった。神経学的重症度は意識清明なgrade 1・2が34.5%で, 最も重症なgrade 5は30.3%と両者がそれぞれ全体の1/3を占めた。CTでは血腫が厚くびまん性に分布する重症タイプが80%を超え最も多かった。破裂脳動脈瘤の発生部位は内頸動脈瘤が85例と最も多く, 次いで前交通動脈瘤がほぼ同数の82例だった。発症6か月後のoverallの結果では, Activity of Daily Living (ADL) の自立したGood Revovery (GR)・Moderately Disabled (MD) 群は137例42%で, 死亡群も127例39%とほぼ同程度だった。当地域におけるくも膜下出血の発症率は漸減しているものの高齢化および重症化の傾向が顕著になっており, 治療がますます困難になっている現状が明らかになった。
報告
  • 堀内 信之, 西垣 良夫, 塩飽 邦憲, 松永 剛, 小池 且弥, 佐藤 英嗣, 鈴木 長男, 内川 公人, 村松 紘一, 矢島 伸樹
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 23-37
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    日本農村医学会の特別研究班として, 「病原媒介性マダニ類の刺咬症とその感染症の臨床疫学的調査研究班」が設置された。
    そこで, 日本農村医学会加盟の108医療機関にマダニ刺咬症・ライム病・日本紅斑熱について, 患者調査票を作成して送付し, 平成14年の1年間の患者を記載したものを集計した。その結果マダニ刺咬症151例 (男67例, 女84例), ライム病17例 (男13例, 女4例), 日本紅斑熱0例, が集計された。また, 平成13年以前の本症の受診状況を, 同じ108医療機関で, アンケートにて調べた。マダニ刺咬症が受診したのは24病院, しなかったのは13病院であった。ライム病は6病院が受診し31病院が受診しなかった。日本紅斑熱は, 1病院が受診し, 33病院が受診しなかった。半数以上の病院が無回答であったが, これはライム病に対する問題に病院としての対応ができていないのであろうか。この病院では本症に対する関心が少ないのかと思われる。
    以下, 151例のマダニ刺咬症で, 下記の項目について若干の考察を加えた。年齢別患者数, 月別患者数, 初診時の虫体の状態, マダニ虫体の除去法, 血清抗体価の測定, 組織・血液培養の評価と位置づけ, マダニの同定, 治療法など。本症の治療にとっての問題点は, 初期の状態で抗生剤の予防的投与が発症の抑制に有効かどうか, また必要かどうかである。この点に関しては, 検査法との関係もあり一定の標準が示されなければならない。抗生剤を初期に投与すると, 抗体価の上昇が見られなくなるとも言われている。
    ライム病の17例は, いずれも皮膚症状のみで第2・3期に進行していくものはみられなかった。
  • 西尾 政則, 板津 裕恒, 津山 いずみ, 伊藤 美智子, 秋田 浩子, 山瀬 裕彦
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 38-45
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    医薬分業とは, 医師が患者を診察し, 薬剤投与が必要であると認めた場合, 患者に処方箋を交付し, 院外の保険薬剤師がその処方箋に基づき調剤・薬剤管理・服薬指導を行うことで, 医師と薬剤師がそれぞれの専門分野の役割を分担し, 国民の医療の質の向上を図ることを目的としたものである。しかしながら行政は, 医療費抑制の目的で, 医療機関が薬価差益による利益を得るために, 必要以上の薬剤を処方・調剤しているとし, 院外薬局による医薬分業を誘導している。あたかも理想の医療費抑制策であるかのように厚労省や保険者の間でもてはやされたものだが, 現実には医療費をむしろ押し上げているのではないか。
    国民医療費は高齢者が増加し, さらに医療技術が進歩しているので, 年々増加していくのは当然ともいえるが, 高齢化社会を迎え, 不必要な医療費を抑制することは, 重要な課題である。
  • 野口 修
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 46-52
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    近年, 肺癌検診においてらせんCTの意義が高まりつつある。そんな状況下で我々の長野県厚生連肺癌検診専門委員会では, 独自にらせんCT検診車を作成して巡回型の肺癌検診を2001年より開始した。検診を行うにあたり, 長野県下を11の厚生連病院と長野県厚生連健康管理センターの連携により, 読影, 判定結果指導, 精密検査, 治療, 予後管理を行っている。検診受診者は初年度2001年6,633名, 続く2002年6,369名であり, 2年間で55名の発見肺癌があった。内訳はこの2年間の初回受診者は11,140名で54名の肺癌が発見され (発見率0.48%), 2年継続受診者も1,862名おり, その中から2年目に1名の肺癌が発見された (発見率0.05%)。又初回受診者の男女別発見率は男0.25%, 女0.80%と圧倒的に女に発見率の高い結果であった。そして発見肺癌55例において組織型をみると腺癌が51例で93%を占めていた。更に発見癌摘出術後の腫瘍腫瘤径が判明したのは54例で, うち10mm以下の微小癌が24例の44%にのぼり, 20mm以下の小型肺癌は43例の80%にのぼった。従って病期でみてもIA期は48例87%の高率で, 早期発見に極めて有用な検診であることが解った。
症例報告
  • 金田 考, 徳永 有一, 岡村 徹
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 53-55
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    右第2~4頸神経 (右C2~C4) 領域の急性帯状疱疹痛に対し, 選択的神経根ブロックを施行し著効を得た1症例を経験した。症例は47歳, 男性。右頸部帯状疱疹に伴う持続痛と頻回な発作性の疼痛に対し, 星状神経節ブロック, 硬膜外ブロックを行うも疼痛コントロール不良であった。発症10日目に右C3, C4の神経根ブロックをX線透視下で施行したところ, 疼痛は著明に改善し, 帯状疱疹後神経痛 (PHN) への移行を防止し得た。完成したPHNを完治させる治療法は存在せず, 急性帯状疱疹痛の段階で, 強力な疼痛の治療を開始し, PHNへの移行を防止することが重要と思われた。
  • 岡野 学, 横井 繁明, 河田 幸道, 宮原 利行, 飯田 辰美, 斉藤 公志郎, 丹羽 政美, 仲田 文昭
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 56-59
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    症例は68歳, 男性。糖尿病にて当院内科通院中, 尿潜血が認められ精査目的にて当科を紹介された。両側鼠径部には怒責時に表面平滑, 弾性軟, 無痛性腫瘤を触知した。特に右側については尿充満時に鵞卵大に増大し, 排尿時に縮小消失した。膀胱鏡所見, 膀胱造影, CT, MRIなどにより右鼠径部の膀胱ヘルニアと診断した。根治手術を予定していたが, 虫垂炎を発症し外科にて回盲部切除術が施行された。術後に右鼠径部腫瘤はみられず, 膀胱造影にても膀胱ヘルニアは消失していた。
看護研究報告
  • 菊谷 七見子, 林 聖子, 高橋 知里, 村上 和子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 60-64
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    患者は毎日, 理学療法士 (以下PT) の指導で, 個人対応のリハビリテーション (以下リハ) を行っている。しかしPTの行うリハは一日の中でわずかな時間でしかなく, 例えば訓練室で歩行訓練まですすんでいる人が, 病棟では車イス生活になっているのが現状である。そこで, 訓練室でのリハ状況を観察把握して, 病棟でのリハ目標を設定し実施した。病棟の生活に訓練室でのリハを取り入れ, 病棟全体での取り組みとした。訓練室への患者の送迎時に, リハ状況をみながら, PTに患者の介助方法, 留意点など質問し, 意見交換した。これにより患者をいろいろな視点でとらえることが出来るようになり, 訓練室と病棟での動きの差が縮まった。訓練室での動作を取り入れ, 日常生活場面での個人にあった病棟リハ目標を設定し, 統一した介助方法, 関わりで, 訓練をしたことが患者の残存機能を高め, 意欲を引き出し, ADLの維持, 向上につながったと思われる。高齢者は障害と老化が合わさり, 特有な心理状態を呈し, 日常生活動作に支障が生じると挫折感, 無力感が増大する。できないことより, できることに目を向ける介護をすることが, ADLを向上させ, QOLの維持が可能になると考える。
  • 石川 八重子, 木野 理沙子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 65-74
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
資料
  • 小林 信之, 黒田 房邦, 土井 孝志, 木内 誠, 渡部 泰弘, 金子 直征, 佐藤 学
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 75-79
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    昭和53年 (1978年) 1月から, 平成14年 (2002年) 12月までの25年間に白河厚生総合病院において808例の大腸癌の手術を施行した。切除数は, 713例 (切除率88.25%), 治癒切除数593例 (治癒切除率73.4%) であった。内訳は結腸癌446例, 直腸癌369例 (7例は多発癌) で, 男女別では, 男性429例, 女性379例であった。臨床的病期および組織学的病期による進行程度はそれぞれ, stage IIIa, stage IIが多かった。切除例の5年生存率は67.2%, 治癒切除例は79.5%であった。
短報
  • 朱宮 哲明, 国政 陽子, 菱川 千鶴, 大場 陽子, 澤田 智恵美, 林 幸子, 西村 直子, 尾崎 隆男
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 53 巻 1 号 p. 80-82
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/29
    ジャーナル フリー
    平成14年4月~平成15年3月の1年間に, 昭和病院の栄養科職員35名より提出された事故報告書 (インシデント・アクシデントレポート) 158件を集計分析し, 今後の事故防止に向けて検討した。
    項目別の事故報告書件数は, 事務処理ミスが90件 (57%) と最も多く, 次いで配膳ミス56件 (35%), 異物混入8件 (5%), その他4件 (3%) の順であった。事故の大半が確認不足により発生しており, 反復確認, 複数の職員による確認など確認の徹底が事故を減少させると思われた。事故報告書の内容および原因を職員にフィードバックすると共に, それらを分析して, 新たな事故防止マニュルを作成してゆく必要がある。
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