日本農村医学会雑誌
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44 巻 , 1 号
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  • 松島 松翠
    1995 年 44 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    農薬による慢性中毒 (障害) のうち, とくに神経・精神障害について臨床的・疫学的な面から考察した。
    慢性的な経過を示す神経・精神障害は, 遅発性多発性神経障害, 急性中毒の慢性後遺症, 慢性的暴露による中毒 (障害) の三つに分類される。遅発性多発性神経障害は, 急性期を過ぎて2~4週後に発症する四肢の知覚障害, 運動麻痺で, 有機燐剤によるものが多く見られる。急性中毒の慢性後遺症は, 急性の暴露後, 症状が数か月から年余にわたって続くもので, 頭痛, 視力障害を主とするもの, 中枢神経障害, 精神症状及び精神病的後遺症, 神経精神機能の低下等が見られる。また慢性的暴露による中毒 (障害) は, 連続して長期間暴露されることにより発病するもので, 神経行動異常, 中枢性及び末梢性神経障害, パーキンソン病及びパーキンソニズム, 痴呆及び精神障害等が見られる。
    それらの神経・精神障害の病像を分析するとともに, 臨床診断の方法についてもあわせて検討した。
  • 服部 光治, 小倉 祐紀, 湊 志仁, 新谷 周三, 椎貝 達夫
    1995 年 44 巻 1 号 p. 13-15
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    長期の人工栄養管理が必要とされる21症例 (72±2歳: Mean±SEM) に対して経皮内視鏡的胃瘻造設術 (PEG: Percutaneous Endoscopic Gastrostomy) を施行し, 手技に伴う合併症を検討するとともに, 本法が症例のQOLをいかに改善するかについて検討した。PEGの手技に伴う合併症としては局所の感染と胃よりの出血が各1例みられたが, ともに保存的療法で軽快した。また, 1例ではPEG施行後3か月の時点で敗血症が出現したため, カテーテルを抜去した。PEG使用後には血清総蛋白値, アルブミソ値, コレステロール値の有意な上昇が認められ, 安定した栄養の補給が可能と考えられた。また, 経過観察中に3例が肺炎, 2例が呼吸不全, 1例が癌死で死亡したが, PEG施行後の4年生存率は56%であった。21症例中11例が帰宅することが可能となり訪問看護に移行した。PEGは在宅医療を希望する際に, 副作用の少ない有用な手段と考えられる。
  • 椎貝 達夫, 羽田 俊彦, 服部 光治, 岩本 均, 前田 益孝, 大和田 章, 加藤 邦彦
    1995 年 44 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全 (CRF) 進行抑制のための低蛋白食 (LPD) を中心とした総合治療「取手方式」が始められて7年が経過し, 受診した総症例数は486例に, 現在通院中の症例は219例に達している。
    その中で治療開始以前は進行を示していたにもかかわらず, 治療開始以後12か月以上最長54か月にわたって血清クレアチニン値が変化せず, クレアチニン・クリアランス (Ccr) は前値の5%以内の変化に止まっている12例を見出した。全例LPD (0.69/kg/day目標) が良く実行されており, Ccrは16~32ml/min, 平均20.9±1.3 (SE) ml/minで, 原疾患は慢性糸球体腎炎 (CGN) 10例, 腎硬化症 (NSC) 2例である。LPDを実行しながら腎不全の進行を示した10例,(CGN9例, 腎硬化症1例) と比較すると, 進行停止群では0.4±0.2g/dayであったのに対し, 進行群では1.6±0.3g/dayと多く (P<0.001), また蛋白摂取量 (PI) を比較すると, 両群の平均値は0.62±0.02g/kg/day, 0.60±0.029/kg/dayと有意差はないが, 個々の例のPIの変動係数 (CV) を比較すると, 進行停止群では10.8±0.6%であるのに対し, 進行群では19.5±1.3と停止群で有意に減少していた (P<0.05)。この成績より, Ccrが16ml/min以上でUPEが少ないCRF例ではLPD (0.69/kg/day) を日毎のPIの変動を少なく実行できれば, CRF進行の完全停止が得られる可能性が示された。
  • 小林 昭
    1995 年 44 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    大分県の一過疎農村である耶馬渓町の全独居老人を対象に, 特にその生活の満足度に焦点をあてて面接聞き取り調査を行った。その結果, 子供と別居して地元に残っている者が全独居老人の約9割を占め, その理由として独居の気楽さ, 土地への愛着を挙げたものが約7割あった。フェイススケール変法を用いて, 生活全般に対する満足度を尋ねたところ,「非常に満足」あるいは「満足」と答えた独居老人は43人 (47%),「ふつう」と答えた者は46人 (50%) あった。運動機能の障害の有無や病気の有無, あるいは家族関係に関する満足度は, 生活全般の満足度と関係がみられなかった。一方, 交友・近所付き合いの満足度のみ, 生活全般の満足度と関係がみられた。将来への不安に関してq,「非常に不安」と「不安」を合わせても9名 (10%) であり, 独居老人たちの比較的安定した心理状態を示していた。しかし, 将来介護が必要になった時の対処については,「考えたくない。わからない」とするものも32人 (35%) おり, 独居老人の不安定な側面もうかがわせた。
  • 石山 剛, 三浦 義昭, 岡田 雅美, 仲丸 司, 浅野 善文, 村山 仁, 佐々木 弥
    1995 年 44 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    10年以上の長期血液透析患者の心機能をMモードおよびパルス・ドプラー法による心エコー図にて検討した。1年以上の慢性血液透析患者で, 5年未満の短期透析患者 (A群) 19例と10年以上の長期透析患者 (B群) 32例を対象とし, 糖尿病性腎不全例は除外した。B群で左室拡張末期径の縮小, 心拍出量の減少がみられた。AおよびB群で, 左室壁肥厚や左室駆出率 (EF) に有意差はなかった。パルス・ドプラー法では, 左室流入血流速パターンより心房収縮波 (A) と急速流入波 (E) のA/Eから左室拡張能障害を検討した。左室拡張能障害は, A群で15例 (83%), B群で19例 (76%) と多く, 両群でのA/Eの平均値はそれぞれ1.3±0.3と高値を示した。慢性透析患者においては, 左室拡張能障害が左室収縮能障害よりも透析早期に出現し, 後期になっても持続することが示された。心筋症類似例の検討では, 拡張型心筋症様症例はA群で2例 (11%), B群で4例 (13%), 肥大型心筋症 (HCM) 様症例は, A群で5例 (26%), B群で10例 (31%) でHCM様症例は全例が高血圧を伴っていた。長期透析患者の高血圧群17例と透析時低血圧群7例の比較では, 高血圧群に左室壁肥厚がみられたが, EFは正常であった。透析時低血圧群では, 左室腔拡大や左室壁肥厚はなく, EFが47.7±9.3%と著明に低下した。拡張能障害は両群に存在した。透析時低血圧群では, 心機能の面からも透析管理の困難さを示した。
  • 田沢 潤一, 酒井 義法, 前川 伸哉, 山本 力, 草野 史彦, 佐崎 なほ子, 田尻 和男, 松井 則明, 川田 健一, 藤原 秀臣
    1995 年 44 巻 1 号 p. 32-35
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    わが国における各C型肝炎ウイルスサブタイプの頻度が明らかにされてきており, この頻度は国内の各地域で大きな差がないとされているが, 1病院の診療圏内における検討は行われていない。今回われわれは, 茨城県南地域で, 輸血歴のないC型肝炎症例について地域別のサブタイプの分布を明らかにし, さらにIFN治療の成績について検討した。サブタイプの頻度はII型が71%で最も多く, III型は16%, IV型は10%だった。これらは全国平均とほぼ同等だったが, 特定の地域でIII型が高頻度にみられた。この地域では輸血以外の特定の感染源が存在した可能性が示唆された。IFN治療で著効を示す例は, III型では75%にも及び, 本治療のよい適応と考えられた。これに比しII型では23%, IV型で43%に過ぎず, これらの症例では慎重に対応する必要があると考えられた。
  • 森下 浩之, 西本 喜一, 松本 康孝, 水上 雅裕, 上野 助義, 吉松 俊治, 土亀 直俊, 高橋 睦正
    1995 年 44 巻 1 号 p. 36-39
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    昭和61年より平成6年3月末まで, 熊本県厚生連で実施した巡回腹部超音波検診の延べ119,172名について, 有所見率, 要精検率, 精検受診率, 悪性疾患発見率, 生存率について考察した。
    有所見率は, 40%台から50%台へ上昇し, 要精検率では10%台と高かったが, 2.9%まで低下することができた。また, 精検受診率は一時70%台と低下したが, 85%まで引き上げることができ, 悪性疾患発見率も0.08%から0.12%へ年々わずかであるが上昇してきている。
    要精検率の低下, 悪性疾患発見率の上昇の為には, 超音波検査専属の技師の技術向上や事後管理・指導のシステムの確立が必要と思われた。
  • 寺町 ひとみ, 近澤 豊, 森 信一
    1995 年 44 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    院内感染対策委員会において薬剤師が, 塩酸バンコマイシン (VCM) の血中濃度測定 (TDM) の必要性について説明し, VCM・TDMをシステム化した。
    メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 感染患者にVCM投与が開始されると, 薬剤師が初期投与量・投与間隔・採血ポイントを決定し医師に連絡する。その後, 採血検体は当院の検査科経由で外注され, 血中濃度測定値より, 1-compartmentmodelに従い, 動態値を解析し適正な投与計画をたて, 医師に連絡し投与方法を決定するシステムである。
    このシステムによりVCMにより高率に発病する腎障害を防止しえた3例につき報告し, VCM・TDMの必要性を強調したい。
  • 1995 年 44 巻 1 号 p. 47-56
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 44 巻 1 号 p. 57-60
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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