健やかな老いを実現するために, 中高年住民を対象に健康習慣 (睡眠時間, 労働時間, 朝食, 間食, 塩分, 喫煙, 飲酒, 運動, 栄養のバランス) とNeugartenのLife Satisfaction Indexを用いて測定した主観的幸福感との関連性を検討した。
多変量解析の結果, 主観的幸福感に関連した健康習慣は, 栄養のバランス, 運動, 塩分であった。主観的幸福感を高めたのは栄養のバランスが良いこと, 定期的に運動をしていること, および過度の飲酒をすることであった。栄養のバランスが悪いこと, 朝食をとらないことが主観的幸福感を低める要因であった。
男では主観的幸福感に関連した健康習慣は, 運動, 栄養のバランス, 労働時間, 塩分, 睡眠時間であった。主観的幸福感を高めたのは定期的に運動をしていること, 栄養のバランスが良いこと, 塩分を控えていること, および労働時間が長いことであった。睡眠時間が短いこと, 朝食をとらないことが主観的幸福感を低下させていた。
一方, 女では主観的幸福感に関連した健康習慣は, 栄養のバランス, 運動, 塩分, 飲酒であった。主観的幸福感を高めたのは栄養のバランスが良いこと, 定期的に運動をしていること, 塩分を控えていることおよび過度の飲酒をすることであった。栄養のバランスが悪いことおよび間食をとらないことが主観的幸福感を低下させていた。
また, ライフスタイルが健全であれば主観的幸福感が高いことが明らかになり, 健康的なライフスタイルが中高年の健やかな老いの実現に寄与することを明らかにした。
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