日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
Print ISSN : 0468-2513
ISSN-L : 0468-2513
43 巻 , 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 百瀬 義人, 畝 博, 江崎 廣次
    1994 年 43 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1994/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    HDL-Cの主要分画が冠状動脈性心疾患 (CHD) の予測者になりえるかについては, 未だ論議が続いている。これらの分画が, CHDのリスクと関係のある生活習慣 (飲酒, 喫煙, 身体活動, 肥満度) と関連するかについても明確でない。そこで本研究は, 健康成人227名 (30歳~79歳) を対象に, HDL分画に対する各生活習慣の独立した関連を検討するため, 共分散分析法を用いて傾向検定 (test for trend) を行った。ただし, 女の飲酒と喫煙はサンプル数が少なく, 解析から除外した。その結果, 男では飲酒がHDL-C, HDL,-Cとの関連を示したが, 喫煙は両分画ともに関連を示さなかった。身体活動はスポーツ, 仕事, 余暇活動に分けて検討したが, 男女ともに有意な関連はみられなかった。肥満度はHDL-C, HDL2-Cとの間の負の関連が, 女にみられた。男では傾向検定では有意な関連を示さなかったものの, 肥満群 (Body Mass Index≧25) のHDL-C, HDL,-Cが, 正常群 (20≦BMI<25) に比べ, 有意に低い値を示した
  • 山口 潤, 若原 幸枝, 小泉 直美, 常山 聡, 田村 裕恵, 塩崎 正樹, 川口 勲, 寺井 継男, 黒島 振重郎
    1994 年 43 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 1994/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    子宮癌の早期発見における集団検診の果たす役割は大きく, 子宮癌死亡例の減少に寄与してきたことは明らかである。今回は帯広厚生病院健診センターにおいて1984年4月から1993年3月までの10年間に施行された子宮癌検診の成績および検診歴をふりかえり検討した。
    1, 0767名が受診し, クラスIII以上の要精検群は106名 (0.98%) であった。うち95名が当院婦人科で2次検診をうけ, 10名が頸癌 (stage 0; 6, Ia; 3, Ib; 1) であり, 総受診者の0.09%, 要精検者の9.4%であった。
    1989年4月から1992年3月までの3年間の受診者3818名の検診歴を検討した。受診年度前の3年間の受診回数は3回以上;227名 (5.9%), 2回;446名 (11.7%), 1回;1,015名 (26.6%), 0回;2,130名 (55.8%) であった。また前年度の受診老は941 (24.6%) 名であった。この間に発見された癌患者5名はすべて検診前3年間は子宮癌検診を受けていなかった。
  • 垰田 和史, 福留 寿生, 舟越 光彦, 北原 照代, 毛利 一平, 西山 勝夫, 渡部 真也
    1994 年 43 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 1994/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    滋賀県湖北地区の菊栽培農家20人に対して,「かぶれ」症状と菊栽培に関する聞き取り調査と皮膚科学的検診を行った。菊栽培以後「かぶれ」を経験しているものは13人おり, その内8人は菊栽培以後初めて「かぶれ」を経験していた。「かぶれ」との関係のある菊栽培作業としては,「下葉取り」や「収穫」・「出荷調整」作業等, 菊との接触が濃厚な作業が指摘されていた。パッチテストの結果は, 20人中13人が菊あるいは農薬に陽性であった。菊栽培以後「かぶれ」を経験している13人については, 10人が菊あるいは農薬に陽性であった。一方,「かぶれ」の原因としては菊より農薬を挙げるものが多く, 菊栽培作業では農薬散布時ほど服装や汚染予防に注意が払われていなかった。その原因としては, 農薬の危険性に関する教育は行われても, 菊と接触皮膚炎との関連については教育が行われていなかった。菊栽培農家の接触皮膚炎予防のためには栽培当初からの衛生教育と営農形態や作業態様に則した具体的な防護方法の指導が必要と考えられた。
  • 石田 和史, 久保 敬二, 関口 善孝, 高科 成良
    1994 年 43 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 1994/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    我が国における糖尿病, とくにインスリン非依存糖尿病 (NIDDM) は, 従来考えられていたより、かなり高率であることが推察されている。しかし, これまで有病率に関して満足すべき調査結果はほとんど得られていなかった。本研究は、広島市周辺の農村地域住民を対象に, 75g経ロブドウ糖負荷試験 (OGTT) を用いて, 同地域のNIDDMの有病率を推定することを目的としている。対象者は, これらの地域の30歳以上の全住民 (男性1324名, 女性1493名) とし, 受診者は男性307名 (受診率23.2%), 女性620名 (受診率41.5%) であった。耐糖能判定をWHO基準および日本糖尿病学会基準で行い, 性別・年代別 (5歳階級) に粗有病率を算出し, さらに1985年国勢調査人口を標準とした年齢調整有病率を求めた。糖尿病粗有病率は, 男性11.4%, 女性6.9%で, 年齢調整有病率は男性9.5%, 女性4.5%であり, 男女とも50歳以上の年齢層に有病率が上昇する傾向にあった。
  • 永美 大志
    1994 年 43 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 1994/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ここ数年, 近畿以西のイチゴの市場では, 品種豊の香'が急速に売上を伸ばしたが, この品種はウドンコ病に罹病性が高く, その防除について生産者のあいだに混乱が生じている。今回筆者は, ウドンコ病対策殺菌剤7種 (トリアジメホン, キノメチオネート, フェナリモル, ミクロブタニル, ビテルタノール, トリフルミゾール, ピリフェノックス) に加えて, 従来から比較的高濃度の残留が報告されているジカルボキシイミド系殺菌剤3種 (イプロジオン, ピンクロゾリン, プロシミドン) の同時分析法を作成し, 市販イチゴの残留調査を行った。
    作成した分析法による, 10種の殺菌剤およびその代謝物13化合物の回収率は76~92%であり, HPLC-DADおよびGC-ECDを用いることにより定量下限値を0.01μg/g以下とすることができた。本分析法により市販イチゴの残留分析を行ったところ, ビンクロゾリンを除く9殺菌剤が検出さ乳, HPLC-DADおよびGC-MSにより定性された。全ての検出事例について国内基準を上回るものはなかった。
    ジカルボキシイミド系殺菌剤が品種を問わず60~70%の検体から検出された。一方, ウドンコ病対策殺菌剤は, 7種とも検出されない検体が半数近くあった中で, 品種'豊の香'5検体からはそれぞれ3, 4種を複合的に検出した。この結果は, 生産現場における上記のような状況を反映しているものと推察される。耐病性の品種への転換を検討する必要があると考える。
  • 伊藤 とく子, 右谷 美知子, 今田 文子, 松井 京子, 佐藤 恵子, 照井 美津子, 久米 サク子, 佐々木 多恵子, 加藤 浜子, 高 ...
    1994 年 43 巻 1 号 p. 33-35
    発行日: 1994/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    質の高いターミナル・ケアを実施するためには, 患者・家族との良好なコミュニケーションの構築が不可欠である。今回, 当院における新規入院患者を対象として医療に関するアンケート調査を実施し, その回答内容および調査自体の有効性について検討を加えた。回答内容からは, 良性および悪性疾患群ともに多くの患者が自分の病気に対する正確な情報を求め, 治療方針決定にも参加したいと考えていることが判明した。また, 今回実施した患者に対するアンケート調査は患者の意向を知る一つの情報源となり, インフォームド・コンセントを推進するうえで有効な方法であると考えられた。
  • 宮原 伸二
    1994 年 43 巻 1 号 p. 36-40
    発行日: 1994/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    健康づくりとはそれぞれの人の生活レベルを上げ, QOLを向上させる運動である。それゆえ, 寝たきり予防対策を講じることは, 保健センター活動として重要な課題になる。今回は高知県西土佐村で行ってきた寝たきり予防対策とその効果について報告する。西土佐村は人口4,250人, 65歳以上の老人比率25%を占める過疎農村である。寝たきり (ランクB, C) 老人数は昭和60年から平成3年までの各年31人, 25人, 31人, 35人, 29人, 18人, 19人であり, 昭和63年以降減少傾向にある。また, ランクCは, 昭和60年の22人が次第に減少して平成2, 3年では6人になっている。全老人に占める在宅寝たきり老人率は昭和60年は3.8%, 平成3年は1.9%である。在宅寝たきり予防対策としては以下の4点を推進してきた。
    1. 年間200回以上におよぶ健康学習の開催
    2. 高血圧者に対しての食事療法や服薬の徹底
    3. 脳卒中の発症後の適切な入院治療と早期リハビリの実践
    4. 退院後のリハビリと各種訪問活動
    これらの活動を継続的に行うことにより在宅寝たきり老人が減少したと思う。人間に死があるかぎり, 寝たきりをゼロにはできない。しかし, 適確な支援により寝たきり予防は可能である。
  • 亀谷 富夫, 森田 達志, 田中 功, 越田 英夫, 五十嵐 豊, 堀上 健幸, 永井 忠之, 加藤 正義
    1994 年 43 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 1994/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    症例は56歳の男性。1975年頃よりアルコール依存症 (酒1升/日) 有り。1978年より糖尿病を指摘され, 1985年よりインスリン治療を受けたがHbA1cは9.2~12.8%とコントロール不良であった。1990年11月までに6回の低血糖昏睡をおこした。内因性インスリン分泌は著明に低下し, 糖尿病3徴を認めた。はっきりとした歩行障害, 痴呆, 尿失禁は認めなかったが, 頭部CTスキャンとMRIでは脳萎縮を伴わない著明な脳室拡大を認めた。しかし脳脊髄圧は正常であった。RI cisternographyにて48時間後にも脳室内停留を認めたことより, 特発性正常圧水頭症と診断された。本邦での報告例はなく, 低血糖と正常圧水頭症との関連性を示唆する興味深い症例と思われた。
  • 小谷 和彦
    1994 年 43 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 1994/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎に対するインターフェロン療法によると思われるうつ状態を呈した1例を経験した。治療開始後約2.5か月して, 急に感情・意欲の異常と睡眠障害を主としたうつ状態を来したため, 治療の中止と抗うつ薬の投与を行い, その約3か月後に状態の改善をみた。強いてあげれば, 身内との死別という心理的な発症要因が潜在的に存在した可能性はあった。この自験を含め, 同様に肝炎の治療で精神症状を呈した本邦の症例を検討したところ, 症状としてはうつ病またはそれに類する状態を示したものが多くみられた。その他にも出現時期, 経過, 投与量, 素因, 各種要因, それらをふまえた予測の程度などについて考察を加えた。
  • 1994 年 43 巻 1 号 p. 50-55
    発行日: 1994/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top