土木学会論文集
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1998 巻, 597 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 花岡 伸也, 稲村 肇, 清水 英範
    1998 年 1998 巻 597 号 p. 1-10
    発行日: 1998/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 土地分級結果に基づいた土地利用の配置過程を支援するモデルの開発を行った. ここではこの配置問題を最適化問題としてとらえ, Hopfield 型ニューラルネットワークを解法として適用した. また土地利用配置問題では, 厳密な制約条件よりむしろ柔軟性を持った制約が現実的なため, 制約条件にメンバーシップ関数を応用したファジィ制約を取り入れた. 現実問題を模した数値実験よりモデルの実用性について検討を行ったところ, 以下の結果が得られた. (1) ファジィな値で配置案を表現できることにより, 柔軟性のある土地利用計画を提案でき, 同時にモデル終了の問題を解決できた. (2) プランナーの計画目標として設定した一定の重みパラメータの関係のもと, 複数の類似した代替案の比較検討力河能なモデルを開発できた.
  • 河邑 眞, 辻子 裕二
    1998 年 1998 巻 597 号 p. 11-20
    発行日: 1998/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    地震後の応急復旧計画における山岳地輸送路の検討, あるいは余震や地震後の降雨による二次災害の防止対策の検討および詳細な被災調査計画の策定にあたっては, 広域の被災地域のどの地点で規模の大きな斜面崩壊が生じているのかを短時間で把握する必要がある. この研究では, 崩壊規模 (面積) とLANDSAT/TMデータとの関係, 崩壊面積と崩壊中心からの距離との関係, 崩壊形態と崩壊形状および地形条件との関係を用いて, 斜面崩壊形態および崩壊面積の推定を行う. この手法を兵庫県南部地震を直接の誘因とする六甲山系の斜面崩壊検出に適用したところ, 900m2以上の崩壊については崩壊面積がほぼ正確に得られ, 1800m2以上の崩壊については崩壊形態・崩壊面積ともにほぼ正確な検出が可能であった.
  • 内田 弘, 召田 紀雄
    1998 年 1998 巻 597 号 p. 21-31
    発行日: 1998/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    道路が昨今のように整備されて来ると, 付随する構造物の維持修繕を計画的に行わなければならない. ここでは地方道の舗装を取り上げ, 限られた予算の中で望まれる維持管理水準を満たすには, どのような補修計画であるべきかについて検討した. 予測式, 補修箇所, 優先順位, 維持管理基準等々を具体的に説明した後でシミュレートを行い, 妥当と思われる長期の補修計画を立案した.
  • 藤井 聡, 北村 隆一, 長沢 圭介
    1998 年 1998 巻 597 号 p. 33-47
    発行日: 1998/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 個人の生活行動形態を考慮した居住地域評価, 交通政策評価をするための基礎指標を開発すべく, 生活行動を効用理論でモデル化した上で, その最大期待効用 (本稿では期待生活効用と呼称) を定式化した. そして, PTデータを用いて選択肢集合の不確実性を考慮したパラメータ推定を行い, 居住地-就業地別の就業者セグメントの期待生活効用を算定した. これらの算定計算を通じて, 本研究では, 活動サービスの消費に伴う限界効用が逓減し, かつ, 限界効用を活動時間の逆比例関数として定義できること, また, その限界効用は地域属性に影響を受けていることが示された. また, 居住地や勤務地における地域属性や通勤時間が生活の質に影響を及ぼしていること, さらに, 職住近接が望ましいこと, が期待生活効用を用いた算定例から示された.
  • 安野 貴人, 小林 潔司, 都明 植
    1998 年 1998 巻 597 号 p. 49-60
    発行日: 1998/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 室内実験に基づいて, ドライバーが学習経験を通じて走行時間に関する合理的期待を形成しても交通情報の効果が消滅しないという交通情報の非中立性命題を検討する. そのために, 非中立性命題が合理的期待仮説と情報の中立性仮説により構成される結合仮説により表現できることを示し, 結合仮説を効果的に検定するための多重仮説検定の方法を提案する. 室内実験を行った結果, 少なくとも本実験に関する限り交通情報の中立性仮説は棄却され, 交通情報は経路誘導効果を有することが判明した.
  • 青山 吉隆, 山本 恒平
    1998 年 1998 巻 597 号 p. 61-69
    発行日: 1998/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 今後の国土・地域政策において重要な課題とされている地域間の「交流・連携」について, 文献調査から現状と問題点について把握する. そして, それを踏まえ, 今後の交流・連携政策を進めていくうえで基本的な理論となる, 都市機能サービスに対する空間的な需要構造に関してモデル構築を行い, 一部実証例を示す. また, それらに対する考察を通じて, 交流・連携を行うことによる効果についてその内容や定義を理論的に明らかにする.
  • 屋井 鉄雄, 高田 和幸, 岡本 直久
    1998 年 1998 巻 597 号 p. 71-85
    発行日: 1998/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    アジア太平洋地域における国際航空輸送のサービス水準は近年急速に向上しているが, 将来のネットワーク形態のあり方や規制緩和への対応など解決しなければならない課題は多い. そのような政策課題の解決に向けては, 政策の効果や影響を十分検討する必要がある. そこで本研究においては航空サービス変化の影響をネットワーク分析の観点より行った. まず供給者であるエアラインの立場に立ち, ネットワーク間の競合および補完関係を捉え, これらの関係を示す指標を開発する. そして実際のデータを用いて指標値を算出し, 近年のネットワーク変化の影響を考察する. 次に需要者である旅客の立場から航空サービスを評価する. その際国籍別の需要モデルの推定を行う. 最後にケーススタディとして日米主要エアラインの近年のサービス変化を評価する.
  • 三谷 哲雄, 山中 英生
    1998 年 1998 巻 597 号 p. 87-98
    発行日: 1998/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    スプロールが進行している地域に対して, 市街化をある程度コントロールする機能を持たせた骨格街路をあらかじめ計画もしくは整備することで, 秩序ある市街地形成を図ろうとする「中街路計画」が構想されている. 本研究は, この中街路計画の整備手法について検討する一環として, その適正な整備水準を捉えるための中街路計画を評価する手法の提案を目的としている. 具体的には, これまで計測を試みられてきた整備効果に基づいて中街路整備を個々に評価してきた視点を, 波及過程やその受益主体等に着目して整理することで, 費用効果分析の考え方を用いて中街路整備を総合的に評価する方法を提案するとともに, それを実際のスプロール市街地に適用し, 中街路の適正水準の検討を試みる.
  • 羽藤 英二, 谷口 正明, 杉恵 頼寧, 桑原 雅夫, 森田 綽之
    1998 年 1998 巻 597 号 p. 99-111
    発行日: 1998/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では複数の交通情報リソース下におけるドライバーの情報利用行動に着目し, 情報獲得・参照モデルを使って, 情報リソースに対する反応とドライバーの潜在的心理要因や移動時の状況, 情報の精度との関係を実証的に明らかにすることを試みる. さらにこうした情報獲得・参照プロセスを考慮した経路選択モデルを提案し, 実際に図形情報板などの異なる4種類の情報リソースが存在する東京都市圏の首都高速道路ネットワークで収集されたデータを用いてモデルの適合度の検証を行う. その結果モデルの適合度は向上し, 交通情報提供下の経路選択行動モデルにおいて情報獲得・参照プロセスを考慮することの重要性を確認した.
  • 楊 曉光, 飯田 恭敬, 宇野 伸宏
    1998 年 1998 巻 597 号 p. 113-126
    発行日: 1998/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    線形計画法を用いた都市高速道路の流入制御モデル (LP制御モデル) は, 理論的に明快であり, かつモデルの操作性, 実用性の点でも優れているが, 基本的には交通状態の定常性を仮定できる場面への適用に限定されている. 本研究では, 流入交通需要と本線上の交通状態の時間変化を考慮可能な流入制御モデルを構築するため, LP制御モデルを基礎として, その動学化を図る. 渋滞予防の制約条件としてリンク容量制約に加えてリンク走行速度制約を導入し, 交通状態が非定常な場合あるいは本線上に軽微な渋滞が存在している場面にも適用可能な制御モデルとする. 提案した動的制御モデルを用いた数値計算を通して, モデルの挙動を確認するとともに, 動的流入制御手法の役割を明確にする.
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