近年, 都市部における離隔距離1m程度の近接トンネルでは, 通常, めがねトンネル形式が適用されている. しかし, この形式では, 重要な構造部材であるセンターピラーの安定性や構築に伴う工期, 工費などをはじめ, その施工における安全・環境上の諸問題を抱えている. そこで筆者らは, センターピラーを構築せず, 中間部の地山を補強した近接トンネル, さらには中間部の地山を残置せず, 離隔を設けない新しい近接トンネル工法を考案し, めがねトンネルで計画されたトンネルにおいてそれらの工法を適用した.
本文は, このセンターピラーを構築しない近接トンネルの設計の考え方を示し, 施工時の計測結果からセンターピラーを構築しない近接トンネル工法の適用性について記述する.
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