土木学会論文集
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1996 巻, 542 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 田中 總太郎, 杉村 俊郎, 高崎 健二, 堤毅 一
    1996 年 1996 巻 542 号 p. 1-7
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    JERS-1/OPSの立体視の機能からDTM (Digital Terrain Model) を作成するプロセスについて研究した. まず, 従来の観測衛星システムとの比較からJERS-1/OPSの立体視機能の特徴を検討し, 水平位置観測精度を推定した. 研究対象画像には, 基準点で0.27画素程度の誤差が残存した. これは, 高さ方向に換算して, 約20mの誤差に相当する. 次に, 自動立体視の実験を行った結果, ノイズと測定精度との間にトレードオフの関係があることが判った. ウインドウサイズは, 7×7画素程度が適当であると判断した. OPSからDTMを自動作成し, 立体視画像を生成表示することができた. 自動作成されるDTMを国土地理院DTMに対して評価したところ, 作成精度は, 標準偏差で約30m程度に収まることが判った.
  • 西川 肇, 近田 文弘, 塩坂 邦雄, 工藤 勝輝, 藤井 寿生
    1996 年 1996 巻 542 号 p. 9-18
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    多くの海岸では, 防潮堤が築かれることによって, 高潮などによる住民への直接的被害を防ぐことができるようになった. しかし, 一方では堤体や付帯施設工等による風環境の変化が後背地に生育する海岸林の成育を阻害する事例が各地で見られるようになった.
    本研究は, 防潮堤の堤体構造の異なる位置や付帯施設工等に接する海岸林の林縁部において発生している成育阻害事例を地球観測衛星で観測された可視光~近赤外線波長域のリモートセンシングデータ (多重分光) から算定される植生指標を使って判読するとともに, その成育阻害の程度と当該個所における潮風の風速分布との因果関係を調査し, 土木工学的な防潮堤と海岸林に見る植生環境との相互関係を検討したものである.
  • 吉田 朗, 原田 昇
    1996 年 1996 巻 542 号 p. 19-31
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 都市圏における自動車と公共交通機関の複合的利用施策を評価するために, 鉄道に結節する交通行動を考慮した, より広範囲な交通手段の選択モデルを提案する. 多次元に及ぶ選択構造を単純化するため、鉄道の路線, 乗車駅, 降車駅, 駅アクセス交通手段, 駅イグレス交通手段がすべて選択可能な状況で, 一般性の高い「鉄道経路」選択肢の生成とラベリングの方法を考案するとともに, 駅アクセス交通手段と駅イグレス交通手段の選択構造の共通性に配慮している. 実証分析の結果, 様々な交通目的のトリップに対して, 代表交通手段から, 鉄道経路, 駅アクセス・イグレス交通手段に至る Nested Logit モデルの有意性が認められた.
  • 上田 孝行, 松葉 保孝
    1996 年 1996 巻 542 号 p. 33-44
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 一極集中や多極分散など様々な構造の人口分布を出現させ得る都市群システムをモデル化し, その構造を規定する諸要因, とりわけ交通ネットワークとの関係を分析する. モデルは集積の経済 (不経済) を反映した非線形システムであるため, 解析的な手法と数値実験の両方により各種パラメータと実現する構造の関係を把握していく. その際には, システムの均衡状態として実現する人口分布パターンが安定であるかどうかの検討が不可欠であるため, その判定条件を提示した上で判定をおこなっている.
    以上の分析を通じて, 交通条件を規定するパラメータの変化に伴って集中と分散のパターンが出現することを示し, また, パラメータの組み合わせによっては不安定な構造が出現することを明らかにしている.
  • 吉田 朗, 原田 昇
    1996 年 1996 巻 542 号 p. 45-55
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 駐車場のサービス能力を評価するために, 駐車待ち時間を目的変数とするパフォーマンス関数を提案する. このパフォーマンス関数は, 従来の待ち行列モデルと比べて極めて簡潔であるが, 駐車場容量を考慮した複数窓口のモデルであり, かつ駐車待ち発生過程を内生化した合理的なモデルである. 実際, 駐車場実態調査のデータにより, モデルのパラメータを推定した結果, その説明力は極めて良好であることを確認した. このモデルは, 簡潔な構造ゆえに操作性は極めて高く, 確率的利用者均衡を規範とする駐車場需要予測のフレームの中で, 駐車場選択モデルとともに活用可能である. またこのモデルだけでも, 駐車待ち時間を目標水準とする容量決定問題に適用できる.
  • 小浪 博英
    1996 年 1996 巻 542 号 p. 57-67
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    駅前広場の計画において, 鉄道乗降客以外の広場利用者の推計手法を検討するため, 広場に接して立地する建物の特性について分析するとともに, そこから発生集中するパーソントリップ数を試算し, それについて考察したものである. その結果, 広場に接して立地する建物は商業系が中心ではあるが, 町の歴史や駅前広場整備手法などにより影響されながら, 業務系, ホテル, 住居系が進出し, その傾向を駅別に分析することによって, その将来の比率はある程度推定可能であることがわかり, それに基づくパーソントリップ数の試算結果では, 大都市圏以外の地域において鉄道乗降客数の2~3倍に相当する駅前広場隣接建物からの駅前広場利用者の存在が試算された.
  • 分析指標の提案とその適用
    谷口 守, 堀 健一
    1996 年 1996 巻 542 号 p. 69-77
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    道路, 公園, 下水道等の生活関連の社会資本整備が都市化に追いついてこなかった経緯を持つわが国において, 都市成長の状況に比較して社会資本整備にどの程度ギャップが生じているかを捉えることは重要な課題である. 本論文では社会資本に対する「充足人口」という概念に基づき, 都市成長と社会資本整備のギャップを分析するための3種類の分析指標を提案した. さらに, これらの指標を1955~1990年の東京大都市圏において適用することにより, 各指標の特性を把握するとともに, 東京大都市圏における社会資本整備ギャップの特質を明らかにした.
  • 内山 久雄
    1996 年 1996 巻 542 号 p. 79-87
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    高速道路上では夜間工事時の飽和交通量以下での交通流の時でさえ工事規制による渋滞が発生している. こうした渋滞はある意味で人為的に惹起されていると言えなくもなく, それ故その軽減は急務であると考える. 本論文は, この検討のために必要不可欠な車線規制部手前での自動車が実際にどのように合流しているか, すなわち個々の車両に着目した合流挙動特性を詳細に分析することを目的としている. 時々刻々変化する個々の車両の走行軌跡を効率的にしかも精度高く取得するシステムを開発し, 合流開始から終了に至る時間の経過に対応した先行車, 合流車, 追従車を1組として, これら車両の相対的な位置関係からミクロ的な車両の合流挙動を確率事象として明示することを試みる.
  • 近藤 光男, 青山 吉隆, 廣瀬 義伸, 釣田 浩司
    1996 年 1996 巻 542 号 p. 89-98
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 地域の魅力度とその構成要因との関係を分析することを目的に, 地域環境構成要素の構造モデル, およびニューラルネットワークモデルを提案し, 人口の社会移動における地域選好度に基づいてモデルを推定した. その結果, 提案した2つのモデルとも良い精度で推定することができ, さらに, 従来から良く使われている線形関数を魅力度関数としたモデルを含めた3つのモデル間の比較を行い, 構造モデルおよびニューラルネットワークモデルの特徴を明らかにするとともに地域の魅力度推定への適用可能性を示すことができた.
  • 川崎 ひとみ, 宮村 忠
    1996 年 1996 巻 542 号 p. 99-100
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
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