日本消化器外科学会雑誌
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11 巻, 7 号
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  • 縦隔内吻合術について
    三戸 康郎, 平野 雅士, 犬塚 貞光, 犬尾 修三
    1978 年 11 巻 7 号 p. 487-496
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道浸潤を有する上部胃癌 (腺癌) の外科治療に際しての問題点を挙げ, その根治的切除術に対する積極的開胸手術, 姑息的切除例を含む経腹的手術に対する縦隔内吻合術の適応および吻合方法に関し, 主として食道浸潤の範囲および食道切除範囲の問題を中心に論じた.
    食道浸潤を有する上部胃癌132例の治癒切除率は39.4%と低率で, 腹膜播種, 肝転移, 漿膜外浸潤などのため, 絶対的非治癒切除となったものが34.8%にも認められた.この他に食道切断端に癌を遺残させたために非治癒となったものが9.8%あり, 食道切除範囲を充分とるためには, 食道浸潤の口側先進部が限局型を示す例で2cm以上, 非限局型を示すもので4cm以上離して切除すべきこと, このために経腹的操作の場合, 縦隔内食道切除吻合の必要なことならびにその吻合方法として食道空腸単層吻合法および器械吻合法の工夫について述べた.
  • 田中 承男, 小玉 正智, 藤田 政良, 山岸 久一, 稲葉 征四郎, 井上 善博, 小原 正宏, 寺田 信国, 石橋 治昭, 松本 学, ...
    1978 年 11 巻 7 号 p. 497-505
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌患者をリンパ節転移陽性例: n (+) 例と, 陰性例: n (-) 例に分け, 領域リンパ節と全身の細胞性免疫につき比較すると, n (+) 例では細胞性免疫能の低下が観察された.即ち, 末梢血リンパ球のPhytohaemagglutinin-P (以下PHAと略す) 幼若化率は両者に差は見られないが, T, B細胞数はn (+) 例で低下がみられた.PPD皮内反応陽性率はStageが進むと低下した.リンパ節内T細胞分布率も転移陽性リンパ節では低い.n (-) 例のリンパ節sizeは, n (+) 例のリンパ節より大きく反応性腫大が考えられる.リンパ節反応のSinus histiocytosis (SH) とLymphoid cell reaction (LR) はn (-) 例で有意に高く, 乳癌, 大腸癌でも同様であった.リンパ節のMacrophage Inhibitory Factor (MIF) 活性は, 転移により消失するものが多く, リンパ節の抗腫瘍性は免疫反応によることを示唆する所見をえた.
  • 森 文樹, 宮下 洋, 守田 信義, 江里 健輔, 八牧 力雄
    1978 年 11 巻 7 号 p. 506-512
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵頭十二指腸切除を行った25症例について, 手術成績および残存膵の機能と組織学的所見との関係を検討した.Wipple変法9例, Child変法15例, 膵全摘出1例で, 最近の13例に対しては空腸係蹄を用いたchild変法により消化管を再建した.術後1ヵ月以内の死亡は4例 (16.0%) であったが, child変法を用いるようになり, 手術死亡は7.7%に減少した.術後半年から7月6ヵ月の追跡調査では, A/G比の軽度低下, アルカリホスファターゼの中等度上昇を認めたが, 全身状態, 肝機能は良好であった.脂肪吸収および耐糖試験による残存膵内・外分泌能は膵組織の線維化と密接な相関々係を有し, 線維化が増強するにつれて, 残存膵機能は低下した.
  • 金沢 信三
    1978 年 11 巻 7 号 p. 513-523
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸時の肝腎相関を検討するため腎から分泌され, 主に肝で代謝性除去されるレニンが最適な指標因子と考え, 閉塞性黄疸症例において血漿レニン活性を中心に有効腎血漿流量および体液量の測定を行った.
    血漿レニン活性は閉塞性黄疸症例で有意に高値を示し, 胆管炎合併の右無により有意差が認められた.肝におけるレニン不活性化能は肝硬変症例ほど著しい低下はみられないが, 閉塞性黄疸症例でも有意に低下が認められた.有効腎血漿流量についても胆管炎合併の有無により有意差が認められた.
    このように胆道感染の有無により閉塞性黄疸時の肝腎相関の病態は異なることが示唆された.
  • 谷口 勝俊, 青木 洋三, 勝見 正治
    1978 年 11 巻 7 号 p. 524-533
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    99mTc-(Sn)-pyridoxylideneisoleucine (99mTc -(Sn)-PI) は, 最近本邦で開発された優れた新しい肝胆道シンチスキャン剤である.私達ははじめて, 本剤による胆道シンチグラムを正常人および外科的肝胆道疾患症例にもちい, 臨床的検討を行った.本法によると, 正常人では胆嚢描出が10分より40分で得られた.胆石症では胆管の拡張, 閉塞部位がよくわかり, 先天性胆道拡張症の術前診断, 術後のfollow-upにはきわめて有用であった.また先天性胆道閉塞症と新生児肝炎の鑑別が腸管の描出有無により可能であった.99mTc-(Sn)-PI cholescintigramは被曝量が少なく, 短時間に検査ができ, しかも鮮明画像が得られ, 各種肝胆道疾患の診断手段としての意義が大きい.
  • 久保川 潔, 鍋谷 欣市, 花岡 建夫, 小野沢 君夫, 滝川 弘志, 本島 悌司, 新井 裕二, 川原 哲夫
    1978 年 11 巻 7 号 p. 534-538
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 11 巻 7 号 p. 539-566
    発行日: 1978/07/01
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
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