日本消化器外科学会雑誌
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13 巻, 7 号
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  • 経胸的食道離断術との血行郭清の相異点についての考察
    高崎 健, 小林 誠一郎, 鈴木 茂, 鈴木 博孝, 武藤 晴臣, 原田 瑞也, 戸田 一寿, 済陽 高穂, 山名 泰夫, 長岡 巍, 朝戸 ...
    1980 年 13 巻 7 号 p. 759-765
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤に対する直達手術としての食道離断術には, 経胸的, 経腹的の二通りの方法がある.この両術式は単に食道離断を胸部で行うか, 腹部で行うかといった差ではなく, 血行郭清の考え方に大きな相異がある.しかしながら一般にはこの点について誤解があると思われ, 経腹的な方法では血行郭清が不充分であると思われているむきがある.われわれの経腹的食道離断術100例の成績は手術死亡6例, 再出血は6例であるが, 血行郭清に改良を加えた最近の58例には再吐血は認めておらず, 経胸的方法とくらべ何ら遜色ない術式であると考え, 食道静脈瘤の成り立ちより考えた両術式の血行郭清の相異点につき明らかにしたい.
  • 木下 祐宏, 遠藤 光男, 井手 博子
    1980 年 13 巻 7 号 p. 766-774
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    他臓器へ浸潤せる進行食道癌の治療として切除手術を行う場合, 多くの問題がある.すなわち, 食道に接して癌が滲潤する他臓器のうち大動脈, 気管, 気管支肺, 脊椎など, 単純に癌浸潤があるからとて, 合併切除のできない場合が多い.このような症例に対して, 根治切除ということにのみとらわれて, 無理な拡大手術を強行することは, いたずらに手術死亡率を高くし, 術後合併症の併発を多くして危険が大となる.われわれは可及的に安全な範囲で癌病巣を切除し, 術後は放射線治療によって患者の延命を計ることとし, 合併切除がどの範囲に行われ, その有効性はどの程度であるかを検討した.
  • 守田 知明, 福田 重年, 野間 史仁, 野村 真一, 丹山 桂, 兼行 俊博, 小原 正
    1980 年 13 巻 7 号 p. 775-780
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    門脈圧亢進症に起因する食道静脈瘤破裂に対し, Mesocaval H Shuntを8例に行った.原疾患は肝硬変6例, Banti症候群1例, 特発性門脈圧亢進症1例で, 6例は待期的に, 2例は緊急に手術した.術前リスクはChildの分類にしたがえばClass A2例, B2例, C4例で手術死亡は2例, いずれも緊急手術症例であり, 1例は肝不全, 1例は心不全にて死亡した.術後の減圧率は36%で, 5例に術後血管造影を行ったが, Graftは全例開存していた.術後食道造影では, 2例は1ヵ月位で静脈瘤は消失したが, 3例は減少にとどまり, この内2例は消失するまでに6~7ヵ月を要した.肝性脳症の発生は, いずれも軽度ではあるが2例にみられた.再吐血は2例にみられ1例が死亡した.
  • 井手 博子, 荻野 知己, 吉田 克己, 村田 洋子, 茂木 登茂子, 林 恒男, 吉田 操, 山田 明義, 遠藤 光夫
    1980 年 13 巻 7 号 p. 781-789
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    食道癌治療成績向上のため壁内転移例の実態を臨床病理学的に検討した.検索症例813例中壁内転移例は8.4%にみられた.転移巣は単数, 複数例ほぼ同率にみられ, 転移の方向は口側44%, 肛門側38%, 両側18%でa因子よりn因子が進んでいるものが多く, 手術時の進行度はIV度が79%を占めた.壁内の転移部位は1pm≧sm>mpの順に多くm-a (s) の全層型は全て胃壁内転移巣であった.転移距離は5cm以内が多かったが多発例では7~8cmもかなりみられ最高は口側12cm, 肛門側11.5cmであった.予後は進行度IV度は術後6ヵ月以内に約半数が死亡したがIII度は半数以上が術後1年以上生存した.長期生存例, 短期死亡例を検討し早期切除および術後合併療法の必要性を強調した.
  • 河野 洋
    1980 年 13 巻 7 号 p. 790-795
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤に対する外科療法において, 各術式が肝血流に及ぼす影響を知ることは必要である.そこで, 肝圧縮法による実験的門脈圧亢進症を7頭の雑種犬に作成し, 撰択的短絡術式の1つである遠位脾腎静脈吻合術を施行したところ, 門脈圧は28%の減少が, 門脈血流量 (電磁血流計による) は35%の減少が認められた.つぎに直達手術における経胸的到達法と経腹的到達法とについてICG消失率により肝血流に及ぼす影響を臨床的に比較検討してみた.食道静脈瘤症例に対して経胸経横隔膜的直達手術を施行した20例と経腹的直達手術を施行した10例について, 術前後のICG消失率の変化を比較したところ, 明らかに前老の方が術後の変化は少なく, 肝血流に及ぼす影響は少ないようであった.
  • 神津 照雄, 久賀 克也, 磯野 可一, 小野田 昌一, 山崎 義和, 円山 正博, 佐藤 博
    1980 年 13 巻 7 号 p. 796-800
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道癌の縦隔リンパ節転移の診断およびその治療法として, 経気管的に分岐部後壁を注射針で穿通し, 造影剤および制癌剤を注入する方法を雑犬において基礎的検討を行った.分岐部に注入された油性造影剤は107番リンパ節を介し, リンパ管内を上行し, 縦隔リンパ節の造影が可能であった.また注入された造影剤は分岐部より上方では食道気管間隙を上行, 下方では食道外側を下行し, 食道周囲の情報が得られた.同様にブレオマイシンを注入すると縦隔内リンパ節では最高3.1r/gの濃度が得られ, 24時間後でも0.4r/9以上を保っていた.本法による制癌剤の投与は全身投与に比して, 肺への移行も少なく, 縦隔リンパ節に選択的に高濃度とりこませることができた.
  • 中谷 勝紀, 宮城 信行, 江崎 友通, 白鳥 常男, 小西 陽一
    1980 年 13 巻 7 号 p. 801-806
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    術後5年以後に再発した胃癌は20例で, 再発形式は残胃再発9例, リンパ節再発7例, 他臓器再発2例, 腹膜再発2例であった.これら再発例の初回手術時の臨床病理学的所見では占居部位Aが14例 (70%), 中胃癌以下のものが19例 (95%) であり, stage分類ではI 6例, II 4例, III 8例, IV2例であり, 癌型の肉眼的分類では0型2例, 1型2例, 2型5例, 3型11例, リンパ節転移はn (-) かn1 (+) が15例' (75%), 浸潤度もα~βが11例 (55%) を占め比較的限局したものが多かった.再発形式別の初回手術時の特徴としては, 残胃再発ではstageIII, IVが多かったが, リンパ節再発ではstage I, IIが多く, 浸潤度ではα~βがγより多かった.他臓器再発はすべてstage I, 占居部位Aの小胃癌で分化型の腺癌で浸潤度はα, βであった.
  • 佐藤 源, 福田 和馬, 荻野 健次, 小松原 正吉, 曽田 益弘, 内田 発三, 田中 聰, 寺本 滋
    1980 年 13 巻 7 号 p. 807-813
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    上部消化管手術を除く術後胃十二指腸大量出血の15手術症例を経験したが, 原疾患は血管と消化器疾患が大半を占め, 発生頻度は0.5%である.出血は73%が原疾患手術後2週間以内に起こり, 概ね重篤なほどより早期に出血している, 症例は出血性胃炎2, 胃潰瘍6, 十二指腸潰瘍7からなり, 多発性病巣が多い.広範囲胃切除術による治療成績は生存率67%, 死亡率33%, 再出血1例であり, 術前合併症を有するものの成績が不良である.胃潰瘍症例は全例救命しているが, 他の病変の成績がわるい.待期々間別の成績は3日以内が75%で最も良好である.治療にさいしては合併症の存否を斜酌して, 早期に手術適応の可否を決断すべきである.
  • 平田 公一, 臼井 朋明, 菅野 裕介, 横川 金弥, 時田 捷司, 戸塚 守夫, 早坂 滉
    1980 年 13 巻 7 号 p. 814-821
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去10年間に当教室で経験した胃肉腫17例について検討した.全胃悪性腫瘍769例の2.2%で, 悪性リンパ腫 (細網肉腫) 5例, 平滑筋肉腫11例, 癌肉腫疑1例である.
    悪性リンパ腫は胃内・浸潤型が多く, 転移はリンパ行性にあり予後が悪い.しかし, 腫瘍細胞が粘膜筋板までにとどまる, 早期胃癌に準ずると早期細網肉腫と考えられる1例のみが生存中である.これに対し平滑筋肉腫は胃外.限局型が多く, リンパ行性転移例はなかったが, 血行性転移は2例にあった.血行性転移の有無の可能性, あるいは予後の判定にはStoutらが唱えた腫瘍組織中における細胞分裂数による指標が臨床的に重要な意義があると考えられた.
  • 太田 博俊, 早川 直和, 本原 敏司, 金 仁洙, 山本 英昭, 大橋 一郎, 高橋 孝, 高木 国夫
    1980 年 13 巻 7 号 p. 822-827
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    当外科における1973年までの胃癌結腸合併切除例は394例で胃癌手術例の6.9%に相当する.これら結腸合併切除例に対し外科治療の立場から検討した.結腸および結腸間膜浸潤例は28.3%を占め予後的漿膜面因子PS (+) は66.3%で, 肉眼癌型では浸潤型が多かった.5生率は11.4%であり, PS (+) 例のそれは23.5%であり治癒切除例の5生率は32.9%であった.癒着か浸潤かは肉眼的には判別しがたい場合があり, 癒着と判定した中に9.8%は浸潤例があったために結腸癒着例または浸潤型の結腸間膜癒着例ならびに限局型でも癒着部分を切除後, 結腸への血行が保持できないような症例には積極的に合併切除すべきであると考える.
  • 京 明雄
    1980 年 13 巻 7 号 p. 828-836
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃切除後吻合部潰瘍症例21例, 十二指腸潰瘍症例60例, 胃切除後吻合部潰瘍のない症例17例を対象として, 刺激前基礎酸分泌, 血清ガストリン値およびテトラガストリン, セクレチン, レギュラー・インスリン, Ca*グルコネート刺激による胃酸および血清ガストリン反応を検索した.吻合部潰瘍では, かならずしも残胃の大きさと相関しない機能的壁細胞量の残存過剰が認められ, しかもその約4割が基礎分泌状態において持続的に機能している状態にあり, これは主として迷走神経の影響を受けた残存壁細胞の機能異常と密接な関連性を持ったことが推定された.
  • 石神 博昭, 藤本 茂
    1980 年 13 巻 7 号 p. 837-842
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    健常人8例, 消化性潰瘍患者8例, 胃癌患者10例より早期空腹時テトラガストリン刺激下に, 胃内pHを7前後に保ちつつ胃液を採取した.これら胃液を濾過, 遠沈し, 8~10℃の流水中にて透析した後真空乾燥し, 各群のそれぞれの症例より同一蛋白量つつを取り混合したものを各群の胃液抽出物質とした.健常人および消化性潰瘍胃液抽出物質は, 健常人9例の末梢血リンパ球を用いたPHA, Con AあるいはSepharose Protein Aによるリンパ球幼若化反応に対してほとんど影響を与えなかった.一方, 胃癌胃液抽出物質は上記mitogenによるリンパ球幼若化反応を30μg/mlの添加で17.3~35.1%, 100μg/mlの添加で40.9~55.9%の抑制を示した.また, 健常人の末梢血リンパ球を用いたone-wayリンパ球混合培養に対し, 健常人・消化性潰瘍胃液抽出物質は100μg/mlの添加によりそれぞれ32.8%, 33.6%の抑制を示したのに対し, 胃癌胃液抽出物質では30μg/mlの添加で86%, 100μg/mlの添加で87.3%の抑制を示した.以上より, 胃癌患老胃液抽出物質はT, Bリンパ球の幼若化を非特異的に抑制する因子を含んでいると考えられた.
  • 第1報, 胆道閉塞時における胆道感染の肝におよぼす影響について
    永川 宅和, 浅野 栄一, 佐々木 紘昭, 宮崎 逸夫
    1980 年 13 巻 7 号 p. 843-849
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    著者らは, 種々の黄疸遷延因子のうち, とくに胆道感染をとりあげ, それが肝に対し如何なる影響をあたえているかについて検討するため, 雑種成犬を用いて, 単純胆道閉塞犬と胆道完全閉塞・胆道感染犬の両群を作製し, 閉塞4週までの肝の病態について, 主として色素移送能, 蛋白合成能, 肝線維化の面から観察を行った. その結果, 閉塞性黄疸に胆道感染が合併すると, 肝細胞機能障害が著明となり, 肝線維化が増進することが判明した. さらに, 閉塞性黄疸においてICG plasma transfer rate, Vit K負荷hepaplastin test, 血清monoamine oxidase値などを測定することは肝の病態を知る上で意義が大であることが示唆された.
  • 福嶋 博愛, 小深田 盛一, 足達 剛, 橋本 謙, 磯本 浩晴, 山内 胖, 武田 仁良
    1980 年 13 巻 7 号 p. 850-855
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1976年より1979年までの4年間に遺残結石症10例, 肝内結石症5例に対して術後胆道価erscopeによる結石除去を行った.
    その結果, 総胆管結石症に伴う遺残結石症は平均1.8回のapproachで全症例に結石摘除が可能であり, 予後は最長36ヵ月, 最短3ヵ月であるが, 全例にほぼ満足すべき結果を得た.
    一方, 肝内結石症の5例では予後良好例は2例にすぎなかった.とくに結石摘除が完全になされたと思われた3例のうち1例は胆管炎を併発死亡し, 不完全摘除例の2例中1例は16ヵ月後に左右肝内胆管に結石の充満をきたした.症例が少なく結論を出すのは早計とも考えられるが, 総胆管結石症に伴う遺残結石に対しては術後胆道Hberscorpeによる切石は根治的な方法といえるが, 原発性肝内結石症における位置づけはむしろ術中精査法として有用であり, 術後の切石による根治性はあまり期待できないと思われた.
  • 三輪 晃一, 米村 豊, 萩野 茂, 宮崎 逸夫
    1980 年 13 巻 7 号 p. 856-862
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    ヒトにおける膵内分泌機能よりみた膵切除量の限界を, 胃全摘膵尾側合併切除, 膵十二指腸切除, 膵全摘.胃全摘の51例で, 経静脈的糖負荷試験, インスリン, グルカゴン分泌能の面より検討を加えた.
    胃全摘膵尾側合併切除42例では, 膵切除量に対応してインスリン分泌能の著しい低下がみられ, 糖尿病の発生は膵切離腺が腹腔動脈直下 (50%切除) の25例では認めなかったが, 門脈直前 (65%切除) の17例では3例 (18%) にSandmeyer型糖尿病が発生した.
    膵十二指腸切除の腹腔動脈直下膵切離 (50%切除) の7例では, 糖尿病の発生をみなかった.
    3例のSandmeyer型糖尿病は6ヵ月~1年後に発生し, インスリン分泌能は全く欠如していたが, グルカゴン分泌能はよく保持されていた.
  • 石黒 直樹, 福島 恒男, 久保 章, 川本 勝, 仲野 明, 土屋 周二
    1980 年 13 巻 7 号 p. 863-867
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    非絞扼性腸閉塞症42例の腸液中の胆汁酸分析を行った.総胆汁酸濃度は減少し, 抱合胆汁酸G/T比は低下した.腸内細菌の増殖が認められ, 遊離胆汁酸の検出率は増加した, 胆汁酸分画ではdeoxychol酸が減少した.
    治療後にはG/T比は上昇し, 腸内細菌は減少した.しかし, 総胆汁酸濃度, 胆汁酸分画組成比, 遊離胆汁酸検出率は, 手術的治療後には改善がみられたが, 非手術的治療では改善が認められなかった.
    胆汁酸には腸管における水分, 電解質の吸収を阻害する作用のあることが報告されており, 腸閉塞時には腸管内の液体貯留の一因となっていると考えられた.
  • 三輪 恕昭, 小野 二三雄, 折田 薫三
    1980 年 13 巻 7 号 p. 868-873
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸癌例にlevamisole (LMS) を1日150mg, 連続3日間投与, 後11日休薬のスケジュールを手術3日前より1ヵ月以上可能な限り継続し, 術後6ヵ月以上の経過の判明した44例の生存率を, 対照群90例の値と比較検討した.LMSの生存率上昇効果はStage I~IV例でみられず, 最も進行したStage V例でみられた.またその効果は, 腫瘍占居部位が腹膜翻転部より口側の大腸である時, 腫瘍の拡がりが大腸管周の1/2未満である時, 腫瘍の深達度が漿膜面に及ばない時にみられた.LMSの大腸癌例への抗腫瘍効果をみた報告は, 本報告が2例目であり, 他臓器癌例へのLMSの効果と関連づけて若干の文献的考案を行った.
  • 太田 博俊, 高橋 孝, 梶谷 鐶
    1980 年 13 巻 7 号 p. 874-879
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    括約筋保存直腸切除術の術後合併症を検討した.その目的は術後合併症の少ない手技の追求である.われわれの施設で施行された218例について検討した結果, 術後合併症の発生率は34.4%で, 内訳は手術創感染, イレウス, 縫合不全の順に多く, 術式別では, 貫通式, 重積式前方切除の順に多かった.また歯状線からの腫瘍下縁までの距離別では歯状線に近いほど, その発生率も高かった.以上より注意点を列挙すると, 1.術野の汚染および骨盤内出血による血腫の防止.2.吻合部および引出し腸管の支配血管の緊張防止すなわち脾弯曲部ならびに左横行結腸までの十分な授動.3.後腹膜欠損部の丁寧なる修復と腹壁創への腸管癒着防止などであった.
  • 巨大な胃外性増殖胃癌の1例
    曹 桂植, 曽和 融生, 西野 裕二, 加藤 保之, 長山 正義, 林 宏輔, 三谷 栄時, 辰己 駿一, 本田 良寛
    1980 年 13 巻 7 号 p. 880-885
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 熊谷 一秀, 屋良 昭彦, 滝沢 直樹, 前川 勝治郎, 渡辺 伸介, 山下 啓爾, 権田 厚文, 卜部 元道, 林田 康男, 世良田 進三 ...
    1980 年 13 巻 7 号 p. 886-890
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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