日本消化器外科学会雑誌
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16 巻, 11 号
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  • 遠藤 渉, 渡辺 登志男
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1881-1889
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    イヌを用いて食道再建用有茎小腸および胃管モデルを作成し, 吻合予定部胃腸管壁血液中の乳酸値を測定して正常部との較差 (ΔLa, 値) を求め, この値が再建用胃腸管のviability判定の指標になるか否かを実験的に検討した結果, 有茎小腸では作成後15分のΔLa. 値が1.0mmol/l以下の場合, また胃管では同様に1.5mmol/l以下の場合にviableであると判定可能であり, 簡便かつ迅速な本法の有用性が強く示唆された.
  • 頚・腹郭清優先術式の提唱
    田辺 元, 西 満正, 加治佐 隆, 黒島 一直, 末永 博, 川崎 雄三, 吉中 平次, 馬場 政道, 四本 紘一, 福元 俊孝, 松野 ...
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1890-1896
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胸部食道癌におけるリンパ節転移状況ならびに食道リンパ流の検索の結果, その対策として, 頚・腹郭清優先術式を提唱した.
    リンパ節転移状況はRII以上の郭清症例105例について検討した. 105例のリンパ節転移率は60%, 転移度8.4%であった. リンパ節番号別転移率および再発例を検討すると, 占居部位にかかわらず, 頚部郭清, 胸部食道全摘, 上縦隔郭清, 腹部郭清が必要と考えられた. またRI-lymphoscintigraphyを行い食道のリンパ流を検索した結果, 左右No.104 (鎖骨上リンパ節) は胸部食道より上行性の終末リンパ節と考えられ両側頚部郭清が必要である.
    このようなリンパ節転移状況および食道リンパ流への配慮より, 胸部食道癌に対して頚部および腹部の郭清を先に行った後, 胸部食道全摘, 縦隔郭清を行う頚・腹郭清優先術式を提唱した.
  • とくに術後新鮮凍結血漿大量投与を中心に
    中村 亮, 長崎 雄二, 橋口 文智, 後藤 雅彦, 安藤 博, 中村 浩一
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1897-1903
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    過去8年10ヵ月の間に食道静脈瘤に対し直達手術を行った44例をretro spectiveに術後新鮮凍結血漿大量投与を行ったI群10例, および新鮮凍結血漿を投与しなかったII群34例に分け術後合併症の発生について比較し, 同時に血清アルブミン, コリンエステラーゼの変動にも注目し検討を加えた. 術後合併症はI群で腹水1例 (10.0%), 呼吸器障害2例 (20.0%), 縫合不全1例 (10.0%), II群では腹水11例 (32.4%), 呼吸器障害15例 (44.1%), 縫合不全7例 (20.6%) であった. 血清アルブミン, コリンエステラーゼはI群で全例術後1~21日, 平均7日以内に正常値を回復したがII群では前者は18例 (52.9%) が平均26日, 後者は9例 (26.5%) が平均35日で正常値に回復したにすぎなかった.
  • 生越 喬二, 近藤 泰理, 中崎 久雄, 田島 知郎, 三富 利夫
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1904-1909
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過塩素酸に可溶性を示す血清ムコ蛋白 (acid soluble glycoproteins: ASP) を胃癌82例で測定し, 48例では, 細胞性免疫能, α1-アンチキモトリプシン (α1-ACT), immunosuppressive acidic glycoprotein (IAP), immunosuppressive substance (IS物質), sialic acidとともにその臨床的意義を検討した. 血清ASP値は組織学的進行程度stage2でもっとも低値を示し, 臨床病期の進行とともに高値を示した. 組織型別では, 印環細胞癌がもっとも低値を示し, stage4では中等度分化型管状腺癌との間で有意の差が認められた. 血清ASP値と, 血清IAP, IS物質, α1-ACT, sialic acid値との相関で臨床病期によっては, 相関関係の逆転, 喪失が認められ, 癌の病態により少しずつ異なる分子量の蛋白の合成などが考えられた.
  • 大橋 広文, 日野 輝夫, 伊藤 善朗, 土屋 十次, 野々村 修, 林 幸貴, 坂田 一記
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1910-1917
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸ラットを使用して, 拘束ストレス下に, 1) 胃嚢内に試験液を注入, 各電解質のnet fluxを測定, 2) 水素ガスクリアランス法により胃粘膜血流量を測定, 閉塞性黄疸にともなうストレス潰瘍発生の機序を検討した. 閉塞性黄疸は各電解質のnet fluxに影響を与えなかった. cimetidine はH+の分泌に大きな影響を与えるが, 他の電解質分泌には小さな影響しか与えなかった. 拘束ストレス下で, 胃酸分泌能が維持される一方, 胃粘膜血流量が低下することが, 酸性液注入時発生する潰瘍の発生機序と考えられた. 各電解質のnet fluxの結果を解釈し, 何らかの法則性をみいだそうとする場合, neutralization-diiutionとdiffusionの両方の機序が働いていると考えると好都合であった.
  • 渡辺 栄二, 水谷 純一, 今野 俊光, 平岡 武久, 田代 征記, 宮内 好正, 前田 浩, 横山 育三
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1918-1924
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌21例に対してスマンクス/リピオドールの肝動脈内投与を行い, 投与後の超音波像について検討した.(1) 投与後全例に斑点状, 点状ないし線状の高エコーが散在性, 部分的ないしびまん性にみられ, この高エコーは腹部単純X-P像, 切除標本のsoftex写真でスマンクス/リピオドールの停滞部と一致していた.(2) 投与後低エコーまたは無エコーと変化した症例のうち, 切除例の切除標本と対比した結果, 低エコーまたは無エコーは出血, 液状壊死と一致していた.(3) 投与後ほとんどの症例が腫瘍の境界は明瞭となった.
  • 稲吉 厚
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1925-1934
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    四塩化炭素による硬変肝家兎9羽と非硬変肝家兎12羽の計21羽に移植したVX2肝癌のエコー像を検討した. 四塩化炭素硬変肝家兎の肝エコー像を四塩化炭素投与前と比較すると, 硬変肝では肝の腫脹および肝内部エコーレベルの上昇が認められ, 肝硬変の高度なものに特徴的であった. 四塩化炭素による硬変例および非硬変例ともVX2肝癌のエコーパターンは, 腫瘤の増大とともに低エコー型から混合型や正エコー型または高エコー型に変化した. 四塩化炭素による硬変群および非硬変群とも, 腫瘤内非融解壊死部はechogenic area, 非壊死部はhypoechoic areaとして検出された. 腫瘤内線維化は腫瘤のエコーパターンの形成に関与は少ないと考えられた.
  • 三村 久, 津村 真, 戸田 佐登志, 高倉 範尚, 柏野 博正, 笹岡 和雄, 折田 薫三, 玉井 豊理
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1935-1943
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    肝切除後の肝機能を左右する重要な因子は残存肝実質の血流量であるとの観点から, 著者らの考案した198Auコロイド法による肝血流指数 (KLAu) を肝切除前後において測定した.
    肝切除後にはKLAuは切除量に比例して減少し, 残存肝KLAuの予測値と実測値とは相関係数0.9で相関した. 残存肝KLAuを予測して切除線を決定することにより, 術後肝不全の発生を防止することができた.198Auコロイド法とH2クリアランス法による測定値はイヌの肝切除実験で臨床と類似の変化を示した. ラットの網内系抑制および賦活実験でKLAuは変化しなかった, KLAuは肝シヌソイドの血流を示す示標と考えられた.
  • 分離肝細胞および分離Kupffer細胞を用いたin vitroにおける生化学的・形態学的研究
    平田 公一, 江端 俊彰, 臼井 朋明, 丸山 芳朗, 及川 郁雄, 小柴 博文, 白松 幸爾, 早坂 滉
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1944-1950
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    エンドトキシン (ET) による肝細胞変化におけるKupffer細胞の果たす役割について, 実験的にラットの分離肝細胞と分離Kupffer細胞を用いてin vitroで検討した. 肝細胞変化の指標として電子顕微鏡を用いた形態学的所見とリソソーム酵素活性 (酸性ホスファターゼ・酸性DNAase) と糸粒体ATPase活性変化を用いた.
    その結果, 血清因子の存在下でETとKupffer細胞を反応させて肝細胞を加えると, 肝細胞に形態学的変性所見とリソソーム酵素活性の上昇をまた糸粒体ATPase活性の代償性上昇あるいは消耗性低下 (前者は短期間培養, 後者は長期間培養) が生じた. 一方. Kupffer細胞にあらかじめ大量のzymosanを貪食させておくと, 既述の変化がかなり抑制された.
    以上の結果からETとKupffer細胞の反応の結果, 肝細胞障害性が生じ, また大量のzymosan処理でこれがかなり抑制されることが理解できた.
  • 嶋田 紘, 中川原 儀三, 工藤 琢也, 森田 修平, 仲野 明, 石黒 直樹, 小林 衛, 土屋 周二
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1951-1958
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    胆汁外瘻例の病態を胆汁酸代謝を中心に検討した. 1) T字管ドレナージ後の胆汁中総胆汁酸排泄量 (≒胆汁酸生成量) は2~3週後で5~7g/日で正常の10~14倍に増加した.しかしPTCドレナージ例では増加しなかった. この相違は肝硬変, 黄疸などの肝細胞障害によるものと思われた. 胆汁の腸肝循環を再開すると胆汁酸排泄量は速やかに減少した. 2) ドレナージ後, 血清総コレステロールは平均50mg/dl/2w低下した. NEFA, アルブミンは低下傾向を, トリグリセライドは上昇傾向を示した. 3) 障害肝や長期間の胆汁外瘻は胆汁酸の喪失が脂質や蛋白代謝の異常を引き起こす可能性があることから, 胆汁の還元または胆汁酸の投与を考慮する必要がある.
  • 相場 哲朗
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1959-1967
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵頭十二指腸切除後の症例および麻酔下の雑種成犬を対象に, elemental dietおよびその主要構成成分である12%アミノ酸液, 20%ブドウ糖液と10%脂肪乳剤を上部空腸に持続注入し, 膵内外分泌反応の変動を観察した. 膵液は, 臨床例では残存膵の膵管内に挿入したシリコンチューブより, 実験例では主膵管に挿入したポリエチレンチューブより採取した. pH6.0のelemental dietおよび10%脂肪乳剤は膵外分泌に対して無刺激であり, 前者については12%アミノ酸液の膵外分泌抑制作用と20%ブドウ糖液の亢進作用が相殺された結果と考えられた. pH2.0のelemental dietおよび20%ブドウ糖液は膵外分泌を強く刺激し, 血漿セクレチンは有意に上昇した.
  • 加藤 知行, 森本 剛史, 山村 義孝, 安江 満悟, 高木 弘, 紀藤 毅, 加藤 王千, 中里 博昭, 宮石 成一, 山田 栄吉
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1968-1975
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1965~1980年迄の大腸早期癌外科的切除例76病変 (m29, sm47) について検討した. これらの肉眼型をIp, Ips, Is, IIa, IIa+IIc, ポリープ集族型, villous型に分類し, 大きさも加味して検討したが術前にその深達度を適確に診断することはむつかしいと思われた.
    m癌の治療は内視鏡的ポリペクトミーか局所切除でよく, その局所再発例に対しても局所切除をfirst choiceとしてよい. sm癌のリンパ節転移は4例あり, 肉眼型はIs 1, IIa+IIc 2, ポリープ集簇型1例, 再発死亡は4例でIIa+IIc 1, villous 1, ポリープ集簇型2例である. sm癌の治療は, どの肉眼型のものにもリンパ節転移や再発死亡の危険性があり根治手術が望ましい.
  • 梛野 正人, 高橋 孝, 太田 博俊, 小鍛治 明照, 藤原 章, 久野 敬二郎, 加藤 洋
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1976-1985
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    直腸癌 (1946~1979年の単発根治776例) の占居部位をその腫瘍の中心と歯状線との距離により1cmごとに区分し, 発生頻度, 年齢, 男女比, 腫瘍中心の壁在位置, 組織型, 肉眼型, 深達度, 大きさ (環周度, 長径), リンパ節転移, stage分類, 術後5年生存率の11因子を部位別に検討した. その結果, 部位別にみた直腸癌の特徴からは, 歯状線上1.0~3.0cm, 8.0cm, 12.0cmを境界線として直腸癌を4つの部位にまとめることができた.さらに, 直腸癌のための直腸の部位区分として, 歯状線上1.0cm, 8.0cm, 12.0cmを境界線とすることが規約の部位区分のあいまいさを補い, 直腸癌の特徴をよく反映している点で望ましいと考えられた.
  • 水間 公一, 島津 雄一, 宇野 賢, 古家 隆司, 戸塚 守夫, 早坂 滉
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1986-1990
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    最近3年間における教室のインシュリン併用TPN症例を集計・検討した. インシュリン併用TPN症例のうち高齢者の占める割合が高く, 加齢に伴う耐糖能の低下が一因であると思われた. レギュラーインシュリン点滴注入が多く行われたが, 症例によっては分割皮下注, 中間型インシュリンの併用が有効な場合もあった. 検索症例とくに糖尿病型症例ではTPNの投与カロリーは少ない傾向にあり, この点充分なインシュリン投与による高カロリー投与に留意しなければならないと考えられた. 糖尿病型症例では併用インシュリンの量・期間ともに他群に比べて多く血糖管理に細心の注意が必要であると思われ, 合併症の点からも発熱の頻度が多く充分な経過観察などが必要であろう. しかし, また重症な代謝性合併症は経験しておらず, 耐糖能の低下があってもインシュリン併用によってTPNは安全に施行できることも指摘した.
  • 加藤 岳人, 七野 滋彦, 佐藤 太一郎, 秋田 幸彦, 金井 道夫, 片山 信, 三浦 由雄, 山本 英夫, 加藤 庄次, 二村 雄次, ...
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1991-1995
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 鳥枝 道雄, 守田 信義, 平岡 博, 宮下 洋, 江里 健輔, 毛利 平
    1983 年 16 巻 11 号 p. 1996-1999
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 古川 敬芳, 浅野 武秀, 陳 文夫, 山本 義一, 渡辺 義二, 神津 照雄, 川村 功, 磯野 可一, 小高 通夫, 佐藤 博, 長尾 ...
    1983 年 16 巻 11 号 p. 2000-2004
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 宮原 勅治, 野田 秀樹, 竹内 稔彦, 鈴木 敞, 戸部 隆吉, 石川 光紀, 佐古 伊康, 山辺 博彦, 野原 隆彦
    1983 年 16 巻 11 号 p. 2005-2008
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
  • 志田 晴彦, 増田 幸蔵, 長島 郁雄, 大西 律人, 中村 清, 松村 健三, 仙波 大右, 町田 武久, 山本 登司, 浅野 哲
    1983 年 16 巻 11 号 p. 2009-2012
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 宇野 武治, 内村 正幸, 脇 慎治, 木田 栄郎, 神田 和弘, 水町 信行, 山田 護, 矢次 孝, 鈴木 昌八, 岡田 朋久
    1983 年 16 巻 11 号 p. 2013-2017
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 長谷川 洋, 鳥本 雄二, 二村 雄次, 弥政 洋太郎, 小松 克己, 福田 浩三
    1983 年 16 巻 11 号 p. 2018-2021
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
  • 早川 直和, 二村 雄次, 神谷 順一, 前田 正司, 長谷川 洋, 横井 俊平, 宮田 完志, 中神 一人, 安井 健三, 犬飼 偉経, ...
    1983 年 16 巻 11 号 p. 2022-2025
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 坂崎 庄平, 中河 宏治, 樽谷 英二, 紙野 建人, 梅山 馨, 三橋 武弘
    1983 年 16 巻 11 号 p. 2026-2030
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 野田 秀樹, 今村 正之, 前谷 俊三, 戸部 隆吉
    1983 年 16 巻 11 号 p. 2031-2034
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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