日本消化器外科学会雑誌
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9 巻, 6 号
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  • 高田 忠敬
    1976 年 9 巻 6 号 p. 791-803
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸ならびに胆道感染症に対しルーチンに行いうる安全な非開腹的胆汁外瘻処置として, 影像下直達法による経皮的胆管ドレナージ手技を創案確立した.影像下直達法の原理は, 胆管造影では情報を得ることができない腹背方向の深度を, X線投射方向に針を挿入することにより無視しうるものとしたことである.これにより1回の試みで選択的に胆管を穿刺しチューブを挿入することが可能となつた.
    さらに, 呼吸による胆管の位置移動, チューブ周囲の線維性瘻孔形成期間, チューブ挿入に対する肝実質内における反応について検討し, 経皮的胆管ドレナージ施行後3週以内のチューブの抜去は, 胆汁漏出・胆道内出血・腹腔内出血の危険が大きい事を明らかにし, その対策として, 胆管内深部への4cm以上のチューブの挿入留置と体表面での固定を巌重にする必要を認め, 先端弯曲型外筒・目盛り付き内筒・固定ゴムの作製を考案した.
  • 伊藤 信義, 石川 羊男, 三浦 順郎, 楠 徳郎, 山村 武平, 森垣 驍, 中井 亨, 辰己 葵, 琴浦 義尚, 嵯峨山 敏, 嵯峨山 ...
    1976 年 9 巻 6 号 p. 804-810
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵頭十二指腸切除術の直接成績向上のためには, 閉塞性黄疸に対する術前処理と安全確実な膵空腸吻合を行うことであろう.前者はPTC-Dによる減黄策がほぼ確立された.著者らは後老に対する試策として, 1回目の手術では膵空腸吻合を置かず若干の工夫を凝らして膵液を体外に誘導, 後日膵断端部の安定した頃に, 改めて2期的に膵空腸吻合を行うことを考案, これを14例に施行し, 第1期, 第2期を通じて同部での合併症はなく, 安全な膵空腸吻合を行い得た.第1期手術と2期的膵空腸吻合施行との期間は平均36日間で, この期間を利用して, 残膵機能検査や, また第2期手術にそなえての切除標本の組織学的検索に寄与する利点も得られた.
  • 白鳥 常男, 中谷 勝紀, 高橋 精一, 小西 陽一, 小島 清秀
    1976 年 9 巻 6 号 p. 811-815
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    当教室における最近11年間の胃癌症例1,224例中, 肉眼的に肝転移を認めた症例は80例であつた.これら肝転移例に対し外科治療の立場から検討を加えた.
    肝合併切除を行つた7例の内2例は腹膜転移, 他臓器浸潤がみられず, リンパ節廓清も充分行われ, 11年生存中, 5ヵ月生存中である.残りの5例は腹膜転移か他臓器浸潤を認めリンパ節廓清も充分行われなかつた症例で平均5.2ヵ月で死亡した.これはH1症例における胃切除のみの平均5.3ヵ月と差はみられなかつた.H2~3症例の胃切除のみ, 平均4.5ヵ月, 非胃切除3.4ヵ月で, H1症例の胃切除のみ, 平均生存月数5.3カ月, 非胃切除3.9ヵ月とあまり差はみられなかつた.しかしH1~3症例とも胃切除の方が非胃切除に比しやや予後がよい結果が得られた.
  • とくに粘膜上皮細胞の胞体の変化について
    吉原 一郎
    1976 年 9 巻 6 号 p. 816-820
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆嚢に胆石があると, 胆嚢には程度の差はあるが, 胆嚢炎を併発しているものが多い.しかも胆嚢中の変化のある胆汁とともに結石が存在するときには, 炎症のある胆嚢の粘膜上皮も加わつて, 相互に影響を及ぼしている.
    そこで胆石症胆嚢炎の胆嚢粘膜の変化を, 細胞診の立場から, とくに胞体の変化について検討した.
    胆嚢の粘膜上皮細胞の核上部には, 空泡状構造を認めるものが多かつた.それをPAS染色でみると, その空泡は, PASに染まるものと染まりにくいものとがみられた.これは粘膜より粘液が分泌されていると考えられた.また非上皮性細胞の胞体内にGiemsa染色で, 暗緑色の顆粒を認めたが, これは恐らく胆汁色素を貪食したものであろう.ところが同様の顆粒が粘膜上皮細胞の胞体内にもみられた.しかしこの機序についてはなお明らかになし得ない.
    またCholesterosisの擦過細胞診では, 泡沫細胞が多数みられたが, これはCholesterol-esterを貪食した像とみられる.
  • とくに良性異型細胞について
    吉原 一郎
    1976 年 9 巻 6 号 p. 821-825
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆嚢癌は高率に胆石を合併しているところから, 癌の発生と, 胆嚢結石との間には密接な関係があるといわれる.そこで炎症, 結石, 胆汁などが相互に影響しているなかで, 胆石症, 胆嚢炎の胆嚢粘膜の変化, とくに良性異型細胞について, 細胞診の立場から検討した.
    良性異型細胞には, 核優性, 不整型の核, 核縁肥厚, クロマチンは多くは微細網状でその分布は不均等, 核小体の増大などの所見が得られた.これはいわゆる癌細胞判定規準からみれば, いずれも個々の所見に悪性徴が乏しく, とくにクロマチン形態に著しい.そこで細胞異型の良性と悪性との鑑別には, 個々の特徴を取りあげることはもちろん必要ではあるが, その中でもクロマチンの凝集像が最も役立ち, さらに悪性の特徴が重複しているかが, 重要な鑑別点となる.
    すなわち良性疾患である胆石症, 胆嚢炎の胆嚢粘膜には, その上皮細胞に種々の程度の異型細胞が存在している.
  • 石榑 秀勝, 服部 龍夫, 三浦 馥, 中島 伸夫, 川瀬 恭平, 家田 浩男, 二村 雄次, 弥政 洋太郎
    1976 年 9 巻 6 号 p. 826-835
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    われわれは128例の早期胃癌を手術し4例の再発例を経験した.早期癌の症状は無症状45%, 上腹部痛28%であつた.リンパ節転移はn1 27.1%, n2 2.7%で, 隆起性早期癌は陥凹性早期癌の3倍の転移率を示し, リンパ管侵襲はm癌9.3%, sm癌63.5%の高い侵襲率がみられ, 再発の可能性を秘めている.その他年齢, 性別, 占居部位, 大きさ, 肉眼型, 組織型, 浸潤増殖様式などについてもそれぞれ特徴がみられた.4例の再発例の中, 前2例はいずれも隆起性早期癌, 後2例はいずれも陥凹性であつた.肝再発は進行癌と同じく再発までの期間が1年5ヵ月と短かつた.早期癌の治療も, 進行癌と同様にとり扱い, 十分なfollow upが必要であると考える.
  • The Influence of the No-touch Isolation Technic on Survival
    Rupert B. Turnbull
    1976 年 9 巻 6 号 p. 836-850
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    I have presented 317 patients with cancer of the sigmoid colon giving the reasons experimentally and technically that the no-touch isolation technic gives the best results for five-year survivals and I have discussed the technic employed.I have presented the survival rates with computer analysis tables for close inspection.I believe that these improved results are due to the no-touch isolation method of resection and I feel that with the evidence at hand, the old conventional manipulative resection technic for cancer of the colon should be abandoned in favor of the isolation technic, as described.
  • 井口 潔
    1976 年 9 巻 6 号 p. 851-858
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 9 巻 6 号 p. 859-864
    発行日: 1976/11/30
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
  • 腸管漿膜の修復と癒着の電顕的観察
    矢野 博道, 溝手 博義, 進藤 憲文, 吉成 元希, 納富 冒徳, 松瀬 仙史, 甲斐田 滋, 脇坂 順一
    1976 年 9 巻 6 号 p. 865-873
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 前谷 俊三, 柏原 貞夫, 倉本 信二, 田中 英夫, 香川 嘉宏, 松末 智, 青木 孝文, 中村 義徳
    1976 年 9 巻 6 号 p. 874-881
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    癒着性腸閉塞の中には腸管の長軸の周りの捻れが原因である例が少なくない. この腸管の捻れは腸捻転だけでなく, 単純性イレウスにもみられるが, 腸間膜の動きに注意しなければ捻れを見逃して, 共存する屈曲などをイレウスの原因と見誤ることが多い. 腸管が膨らむと, 捻れのある場合はこれが1ヵ所に集り閉塞は増強する. ところが単なる屈曲の場合は一般に膨張により閉塞は緩和される. 癒着性イレウスでは主閉塞部より肛門側に狭窄や癒着など第2の通過不良部位のある例が多く, これが原因で腸管が膨張すると口側腸管に捻れが生じたり, 捻れが増悪して悪循環が成立することが考えられる.
    以上の知見に基づく癒着性イレウスの予防や治療法としては, まず腸管の捻れを防ぐことである. このためには腸管腸間膜の反対面同士の癒着を避け, もしその恐れがあれば同側同士で癒着させる方がよく, これはNobleの手術と軌を一にする. また腸管の膨張を防ぐ保存療法は捻れの増悪を防ぎ悪循環を断つことに意味がある.
  • 田井 千秋, 木村 秀幸, 青木 邦武, 徳田 直彦, 荒田 敦, 田中 早苗
    1976 年 9 巻 6 号 p. 882-887
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 土田 嘉昭, 牧野 駿一
    1976 年 9 巻 6 号 p. 888-894
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 樋口 道雄, 千見寺 勝, 奥井 勝二, 更科 広実, 古山 信明, 橘川 征夫, 小川 清, 伊藤 健次郎
    1976 年 9 巻 6 号 p. 895-901
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 粕川 剛義, 鎌田 重康, 尾作 忠彦, 小野 田肇
    1976 年 9 巻 6 号 p. 902-908
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 9 巻 6 号 p. 909-947
    発行日: 1976/11/30
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
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