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天野 一之, 佐藤 雅夫, 森 暁子, 大津 友見, 森 昌造
1985 年18 巻10 号 p.
2081-2087
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
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食道癌切除標本70例を対象に適切な切除範囲を検討する目的で, 癌の組織学的浸潤距離を検索した. 癌が組織学的に肉眼的腫瘍辺縁を越えて口側または肛門側に進展している例を浸潤陽性例とし, その頻度および浸潤距離と7項目の因子との関係について検討した. 組織学的浸潤頻度は肛門側に比べ口側で高く, 浸潤距離は肛門側が長い傾向を示した. 増殖様式別の浸潤頻度は膨張型 (口側11/23例48%, 肛門側7/23例30%), 中間型 (18/26例69%, 14/26例54%), 浸潤型 (14/19例74%, 14/19例74%) であり, 口側肛門側とも膨張型に比較して浸潤型で浸潤頻度が高く, また浸潤距離も長かった. 切離線は肉眼的腫瘍辺縁より口側で5cm離せば, 断端の癌遺残の危険は小さいと考えられた.
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児玉 好史, 夏田 康則, 土器 潔, 田口 純一, 前川 隆文, 蒲池 寿, 秀島 輝, 犬塚 貞光, 宮内 貞一, 小野 庸, 倉重 誠 ...
1985 年18 巻10 号 p.
2088-2097
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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胃癌手術で胃全摘脾合併切除後に脾組織片自家移植を20例に施行した. 移植方法は主として脾の1/3~2/3量を小組織片として横行結腸間膜, 腸間膜, 残余大網内ポケットに分散移植した. この方法による治癒切除例では全例3ヵ月以降
99mTc-加熱赤血球脾シンチが陽性となった. 血小板数は術後上昇するが2ヵ月以降は脾温存例と同程度に下降し, また脾摘例に比べ有意に低かった. 1年後に摘出された移植脾には正常の脾組織構築がみとめられた. 本術式は根治性を満足しかつ短期間に脾の再生が得られることから胃癌の標準術式の一つとなることが期待された.
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土屋 誉, 佐々木 巌, 今村 幹雄, 今野 喜郎, 内藤 広郎, 成井 英夫
1985 年18 巻10 号 p.
2098-2105
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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昭和40年から昭和59年までの20年間に教室で迷走神経切離術を施行した十二指腸潰瘍症例は134例で, このうち6例, 4.5%が再発した. 再発率を術式別にみると, TV+Pが63例中3例4.8%, SV+Pが29例中3例, 12.0%でV+P全体では92例中6例, 6.5%であった. 一方, TV+A, SV+Aは1例の再発もみられなかった. 再発例6例のうち3例は緊急手術例で, 再発までの期間は1年7ヵ月であった. 2例は保存的療法にて治癒し, 4例は再手術を施行した. 再発の原因についてみると, 1例はZollinger-Ellison症候群であった.残り5例のうち4例までは酸分泌亢進によるもので, 迷走神経切離術後MAOは非再発例に比べ高値を示した.
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小野 二六一, 崎浜 国治, 近藤 千博, 香月 武人
1985 年18 巻10 号 p.
2106-2110
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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硬変併存肝癌13例につきOK-432投与による免疫療法を検討した. 細胞性免疫能をskin testにて, 肝硬変症14例および健常対象者12例と比較検討すると, 肝硬変症および硬変併存肝癌にて特にSU-PSおよびSK-SDの反応低下をみた. 硬変併存肝癌におけるOK-432の臨床効果を検討すると, 生存率では, 5ヵ月で70%, 12ヵ月で58%で, 非投与群17例の5ヵ月12%, 12ヵ月10%以下と比べて有意に高かった. skin testでも改善がみられ, 血中AFPの上昇はみられず, 血中エンドトキシンの陰性化がみられた. しかし, 腫瘍サイズの縮小はみられなかった. 硬変併存肝癌に対するOK-432投与は臨床上, 期待しうることが示唆された.
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久保 正二, 酒井 克治, 木下 博明, 広橋 一裕, 街 保敏, 李 東雨
1985 年18 巻10 号 p.
2111-2117
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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胆石症142例のうち, 49例には従来からのビニール管を用いる術中胆道造影法 (従来法) のみを, 64例には著者らの考案したsilicon製balloon catheterを用いる術中胆道造影法 (本法) のみを, 他の29例にはその両者を施行した. その結果, 本法による造影像は従来法のそれに比べ左右肝内胆管, とくに外側区域枝の描出にすぐれており, また術中胆道造影のfalse positive, false negativeがそれぞれ1.1%, 0%に減少, 正診率が98.9%に向上した. さらに本法は不必要な総胆管切開術の減少や術中胆管損傷の予防および診断に有用であった. なお本法による合併症は認められなかった.
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竹腰 知治, 田中 千凱, 伊藤 隆夫, 松村 幸次郎, 坂井 直司, 加地 秀樹
1985 年18 巻10 号 p.
2118-2122
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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1976年~1983年の8年間に経験したpm大腸癌31例について臨床病理学的検討を加え以下の結果を得た, 頻度は大腸癌全体の13.0%を占め, 性別では女性に多く (67.7%), 発生部位は直腸が多かった. 腫瘍型では潰瘍型が多く (77.4%), 大きさでは3.1cm以上が多かった (61.3%). また組織型では高分化型が多く (80.6%), 低分化型, 粘液型は認めなかった. リンパ節転移は6例 (19.4%) に認められ, そのうちn
1 (+) 群は4例, n
2 (+) 群は2例であった. 組織別では中分化型に6例中3例 (50%) と転移陽性率の高い傾向が認められた. 脈管侵襲ではly (+) がv (+) より有意に多かった (p<0.001). 予後でみると全症例の5年累積生存率は81.7%であった. その中で隆起型, 中分化型の生存率の高い傾向が認められた.
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坂口 潮, 上原 範常, 宮内 好正, 内田 満国, 矢野 克比古, 中野 真汎, 岩奥 玲子, 児島 強
1985 年18 巻10 号 p.
2123-2130
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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溶解性材料を用いた消化管吻合器を開発する目的でこの研究を行った. ゼラチンを材料とした円筒状の支持管と, これを把持する腸鉗子を試作した. この支持管は2日間以内にイヌの腸管内で溶解した. 支持管を吻合部に挿入し, 特殊鉗子で把持した腸管のJourdan吻合による実験では, 支持管を使用しない従来のJourdan吻合より約30%の時間が短縮された. 吻合に際し支持管を使用した場合の方が出血も少なく, 運針も容易であった. 肉眼的には支持管の有無にかかわらず, 粘膜面は平担で, 4, 7, 14, 30日目の組織像でも腸管壁の癒合状態はほぼ良好で, 両者の間に差はみられなかった. 縫合不全や腸閉塞, 吻合部の狭窄などは1例もみられなかった.
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島貫 公義, 宮田 道夫, 有馬 進太郎, 柏井 昭良, 金澤 暁太郎, 平本 力, 矢尾板 英夫
1985 年18 巻10 号 p.
2131-2136
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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1974年から1983年の間に,皮膚疾患を伴った消化器癌症例(16例)として,胃癌857例中12例(皮膚筋炎3例,帯状疱疹2例,天疱瘡1例,類天疱瘡1例,紅皮症1例,結節性痒疹1例,他3例),結腸直腸癌303例中2例(皮膚筋炎1例,類天疱瘡1例),胆嚢,胆道癌81例中2例(天疱瘡1例,帯状疱疹1例)を経験し,年齢は平均66.7歳,男女比10:6であった. 全体として分化型腺癌14例未分化型腺癌2例であった. 治癒,非治癒切除術を問わず,主病変切除にて皮膚病変の改善を16例中9例に認めた. 皮膚筋炎併存例はきわめて予後不良であり,皮膚病変出現時の癌検索にて必ずしも早期病変が発見されるわけではなかった.
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消化管原発26例について
津森 孝生, 中尾 量保, 宮田 正彦, 長岡 真希夫, 荻野 信夫, 竹中 博昭, 川島 康生, 金 昌雄, 北川 晃, 杉野 盛規, 南 ...
1985 年18 巻10 号 p.
2137-2140
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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消化管原発の悪性リンパ腫26例に対し治癒切除術を17例に, 非治癒切除術を6例に施行した. 非切除は3例であった. 切除標本の組織学的な分類では, Histiocytic cell type 16例, Lymphocytic celltype 10例であった. Stage分類ではStagbe I 5例, II 11例, III 6例, IV 4例であった. 術後の補助化学療法をVEMP療法を中心に15例に施行した. 予後は20日~15年8ヵ月の間で生存12例, 死亡13例, 不明1例であった. 治癒切除群が非治癒切除群および非切除群に比べ生命予後が良好であった (p<0.05). Stage別ではI, II期とIII, IV期の間に生存率に有意の差がみられた (p<0.05).
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武田 裕, 小関 和士, 平川 久, 松本 宏, 松岡 富男, 菅谷 彪
1985 年18 巻10 号 p.
2141-2144
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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左野 千秋, 隈本 正司, 小金丸 茂喜
1985 年18 巻10 号 p.
2145-2148
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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堀井 明, 野口 貞夫, 柴田 信博
1985 年18 巻10 号 p.
2149-2151
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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山本 明, 周防 正史, 水本 明良, 朱 大慶, 平野 正満, 藤村 昌樹, 肥後 昌五郎, 岡田 慶夫
1985 年18 巻10 号 p.
2152-2155
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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片見 厚夫, 鎌野 俊紀, 佐藤 輝彦, 飯塚 康彦, 田村 順二, 東 昇, 水上 健, 城所 仂, 宮村 拓郎, 松川 正明
1985 年18 巻10 号 p.
2156-2159
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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増尾 光樹, 雷 哲明, 中村 輝久, 福本 四郎, 長岡 三郎
1985 年18 巻10 号 p.
2160-2163
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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牛島 聡, 川浦 幸光, 岩 喬
1985 年18 巻10 号 p.
2164-2167
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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千賀 省始, 林 力, 国藤 三郎
1985 年18 巻10 号 p.
2168-2170
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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柴田 信博, 藤本 直樹, 相川 隆夫, 堀井 明, 田村 茂行, 野口 貞夫, 玉井 正光, 川上 厚志
1985 年18 巻10 号 p.
2171-2174
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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西元寺 克禮, 比企 能樹
1985 年18 巻10 号 p.
2175-2178
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
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島津 久明, 武部 嗣郎, 横畠 徳行, 森岡 恭彦
1985 年18 巻10 号 p.
2179-2182
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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田宮 洋一, 武藤 輝一, 松原 要一, 高桑 一喜, 若桑 正一, 筒井 光広, 松尾 仁之, 加藤 知邦
1985 年18 巻10 号 p.
2183-2186
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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保存治療比率の変化とその根拠について
長町 幸雄, 緒方 伸男, 西田 保二, 中村 卓次
1985 年18 巻10 号 p.
2187-2191
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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青木 照明, 秋元 博, 長尾 房大
1985 年18 巻10 号 p.
2192-2195
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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とくに背景疾患を有するsurgical poor risk例について
吉野 肇一, 窪地 淳, 熊井 浩一郎, 大谷 吉秀, 高橋 孝行
1985 年18 巻10 号 p.
2196-2199
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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渡部 洋三, 津村 秀憲, 川島 利信, 工藤 猛, 巾 尊宣, 能美 明夫, 佐々木 浩, 大久保 剛, 矢吹 清隆, 佐藤 浩一, 森本 ...
1985 年18 巻10 号 p.
2200-2203
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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とくに出血性消化性潰瘍およびZollinger-Ellison症候群を中心に
佐々木 巌, 土屋 誉, 佐藤 寿雄
1985 年18 巻10 号 p.
2204-2207
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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フリー
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上尾 裕昭, 杉町 圭蔵, 甲斐 秀信, 松浦 弘, 松岡 秀夫, 松藤 英正, 古賀 善彦, 前川 宗一郎, 北村 昌之, 井口 潔
1985 年18 巻10 号 p.
2208-2212
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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新本 稔, 平林 直樹, 荒田 壽彦, 吉中 建, 野宗 義博, 峠 哲哉, 服部 孝雄
1985 年18 巻10 号 p.
2213-2217
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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高橋 俊雄, 萩原 明郎, 高橋 滋, 西岡 文三, 山口 俊晴, 沢井 清司, 水沢 広和, 小棚木 均, 尾形 直人, 福田 健, 高橋 ...
1985 年18 巻10 号 p.
2218-2222
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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とくに胃癌, 大腸癌肝転移例について
奥山 和明, 小野田 昌一, 唐司 則之, 竜 崇正, 山本 義一, 木村 正幸, 粟野 友太, 塚本 総一郎, 小出 義雄, 小高 通夫, ...
1985 年18 巻10 号 p.
2223-2226
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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温熱効果を修飾する因子を中心にして
前田 迪郎, 古賀 成昌, 浜副 隆一, 村上 篤信
1985 年18 巻10 号 p.
2227-2230
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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阪上 賢一, 宮崎 雅史, 松岡 順治, 西岡 豊, 松永 琢也, 塩崎 滋弘, 渕本 定儀, 折田 薫三
1985 年18 巻10 号 p.
2231-2235
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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食道癌を中心に
花岡 建夫, 鍋谷 欣市, 小野沢 君夫, 李 思元, 新井 裕二, 本島 悌司, 入村 哲也, 中田 芳孝, 栄田 好一朗, 大倉 聡, ...
1985 年18 巻10 号 p.
2236-2239
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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放射線・化学療法について
花輪 聡, 山川 雅之, 加藤 孝一郎, 中島 厚, 新江 良一, 小木曽 実, 大内 孝文, 片桐 一郎, 青木 達哉, 木村 幸三郎
1985 年18 巻10 号 p.
2240-2244
発行日: 1985年
公開日: 2011/03/02
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