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中島 公洋, 下田 勝広, 小林 迫夫
1988 年21 巻11 号 p.
2519-2528
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
肝硬変症の易感染性に着目し, 食道静脈瘤44例, 肝癌68例, 胆石症25例について, 好中球superoxide産生能 (SOP), 血漿fibronectin (FN) を術前, 術後にわたって測定し, その変動と術後感染発生との関連を検討した. 肝硬変症を中心とする肝障害例においては, 術前すでにSOP, FNが低く, 術後FNがさらに低下した状態において, SOPの上昇反応遅延あるいは低下が観察され, このことが肝障害例の術後感染準備状態につながるものと考えられた. しかし, いったん感染が発生すれば, FNは低迷するのに対して, SOPは充分に上昇反応をおこすことが示された.
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佐々木 哲二
1988 年21 巻11 号 p.
2529-2534
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
胃切除例117例を再建術式別に術後逆流性食道炎について検索し, 食道炎防止を目的とした残胃空腸Roux-Y吻合の適応について検討した. B-I法, B-II法再建例109例では, 症状あるいは内視鏡所見いずれか一方の症例が22例, 両者の症例が11例の33例に食道炎がみられた. これら食道炎例では, 術前胃X線検査時に食道内逆流が90. 9%にみられた. Roux-Y吻合再建例8例では, 全例が術前食道内逆流がみられたにもかかわらず術後逆流性食道炎は1例もなかった. 術前胃X線検査時に食道内逆流がみられる症例は, B-I法, B-II法による再建では術後逆流性食道炎の発生率が高く, Roux-Y吻合による再建の適応と考えている.
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大谷 吉明
1988 年21 巻11 号 p.
2535-2541
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
胃癌患者87名についてその末梢血NK活性を測定し, 予後推定因子の1つとなるかどうか検討した. NK活性の測定は末梢血リンパ球をeffector細胞 (E), K562細胞を標的細胞 (T) とする
51Cr release法を用いた. 結果: 1. 胃癌患者のNK活性は26.9±15.2%(E/T=40) であり, 健常者に比し有意に低下していた. 2. stage I, IIに比べIII, IVで低く, 特にP陽性例で著明であった. 3. 術後1週目で低下したNK活性は1か月で回復し, 摘脾例でも同様であった. 4. 術後NK活性の回復がみられない例, あるいは術後月数と共に活性値が漸減傾向を示す例は予後不良であった. 結論: NK活性の経時的測定は予後を推定する重要な因子であると考えられる.
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佐伯 俊昭, 田中 卓, 西山 正彦, 万代 光一, 吉中 建, 柳川 悦朗, 峠 哲哉, 新本 稔, 服部 孝雄
1988 年21 巻11 号 p.
2542-2547
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
胃癌切除例の肉眼的漿膜面浸潤程度と臨床病理学的所見ならびに予後との関係をみるため, 当科で切除された1,097症例について検討を加えた. 組織型との関係は, S
0, S
1では高分化型が多くS
2, S
3では低分化型が多かった. 5年生存率は, S
0 72.3%, S
1 63.1%, S
2 29.8%, S
3 8.2%であった. 腹膜再発との関係は, 初回手術時腹膜転移陰性で腹膜再発によるイレウスを発症した37症例について検討するとS
2が31例と最も多く, 組織型ではporが28例と多かった. S
3症例では合併切除の意義が認められた. 以上より低分化型でS
2以上の症例では, 腹膜再発がおこることを念頭におき経過観察する必要があり, 再発時の治療には, 手術を中心とした集学的治療が有用であると思われた.
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三村 久, 金 仁洗, 高倉 範尚, 浜崎 啓介, 杉生 隆直, 折田 薫三
1988 年21 巻11 号 p.
2548-2553
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
病態を明確にしえた肝内結石症30例について検討した. 結石所在部位はR8例, RL13例, L9例であったが, 胆管狭窄に主眼をおくと, 1) 左右肝内胆管無狭窄型6例, 2) 右肝内胆管狭窄型7例, 3) 左肝内胆管狭窄型15例, 4) 左右肝内胆管狭窄型2例となった. これらについて結石の分布と個数および肝内胆管狭窄の関係から進展形式について考察すると, 肝内胆管に狭窄がある型では結石は狭窄部の末梢に原発して他の部位にも移動してゆくが, 肝内胆管無狭窄型では結石は肝外胆管に原発して積み上げによって肝内に及ぶと推察された. 治療は肝内胆管狭窄を有する症例24例中22例に狭窄胆管を含む肝切除が行われたが予後は良好であった.
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北野 正義, 花井 拓美, 品川 長夫, 加藤 文彦, 由良 二郎
1988 年21 巻11 号 p.
2554-2561
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
胆石症患者35例の胆嚢内胆汁の細菌と胆汁酸組成の関係について検討した. 胆汁中に胆汁酸脱抱合菌, 特に腸球菌が存在する場合には, 細菌陰性例や脱抱合菌陰性例に比べて遊離胆汁酸の割合および遊離型DCA濃度が有意に高かった.
腸球菌の病原性と遊離胆汁酸の起炎性を比較検討するために, 家兎胆嚢に腸球菌または腸球菌によって脱抱合された胆汁酸を含む胆汁を接種し, 胆嚢炎の作製実験を試みたところ (n=3), 腸球菌接種によって全例胆嚢炎が起きたが, 遊離胆汁酸を含む胆汁の接種のみでは胆嚢炎は起こらなかった. 遊離胆汁酸の胆嚢炎起炎作用に関してはなお検討を要する課題と考える.
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近藤 哲, 二村 雄次, 早川 直和, 神谷 順一, 久保田 仁, 前田 正司, 河野 弘, 早川 英男, 椰野 正人, 井垣 啓, 小木曽 ...
1988 年21 巻11 号 p.
2562-2566
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
過去8年8か月間に相対非治癒切除以上の治癒度をもって切除しえた胆道癌症例のうち再発が確認されたのは42例で, うち9例に再発巣切除を, 5例に外科的動注療法 (3例は両者併用) を施行した. 再発巣切除により6か月~3年3か月, 平均1年7か月経過した4例の非担癌生存例が得られた. 癌死した4例でも平均生存期間は1年4か月で延命効果やquality of lifeの改善が得られたものと考えている. この経験から, 再発巣がその臓器内で限局性であれば臓器欠損に対する再建方法を考慮した上で, 積極的に切除にのぞむべきと考えられた. 特に手術創ないしは外胆汁瘻孔への癌細胞播種によると考えられる胸腹壁再発例では, 視触診で早期に発見し状況が許せば開腹術も付加して十分に切除すべきである.
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膵管胆道合流異常との関係について
三浦 連人, 田村 利和, 川原 弘行, 矢田 清吾, 大久保 卓, 三好 康敬, 宇高 英憲, 古味 信彦
1988 年21 巻11 号 p.
2567-2572
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
膵管胆道合流異常 (以下合流異常) を有する先天性胆道拡張症 (以下本症) での膵障害について臨床的および実験的に検討した. 本症56例中, 発熱, 腹痛, 高アミラーゼ血症の膵炎様症状を9例に認め, 成人例で肝外胆管拡張形態では嚢胞状, 合流異常形態では古味b型を示す頻度が高く, 結石合併率, 細菌検出率は低い傾向があった. 3例に術中肉眼的に膵炎を認め, 物理的要因の存在が認められた. 実験的に古味b型合流異常モデル犬を用い膵障害を検討したところ, 乳頭部の機能異常が認められたが, 明らかな膵障害は認められなかった. 以上より, 本症での膵障害発現の機序として, 合流異常による乳頭部の機能異常および物理的要因により活性化膵酵素の膵への逆流が示唆された.
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宮本 幸男, 竹下 正昭, 蒔田 富士雄, 井上 智博, 棚橋 美文, 泉雄 勝, 横森 忠紘
1988 年21 巻11 号 p.
2573-2576
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
膵頭十二指腸切除後, 膵空腸吻合44例で膵液瘻の原因につき, 手術時の黄疸と残存膵の膵管直径から検討した. 膵液瘻の発生率は44例中11例25%であった. 手術直前のビリルビン値との関係では, その発生率は5mg/dl以上の11例中5例45.4%, 4.9mg/dl以下の33例中6例18.1%であった. 膵管直径との関係では黄疸例で直径2mm肝の4例で1よ75%, 2.1~4mmの3例では66.6%で, 4.1mm以上の4例では0%であった. 麺の無例では2mm以下の14伊1中21%, 2.1~4mmの8例中12%, 4.1mm以上の8例では12%であった. 黄疸例で膵管の細い症例に膵液瘻の発生が多い傾向であった.
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山田 哲司, 花立 史香, 山村 浩然, 宗本 義則, 高畠 一郎, 村上 真也, 疋島 寛, 森 善裕, 林 外史英, 北川 晋, 中川 ...
1988 年21 巻11 号 p.
2577-2583
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
大腸癌治癒手術後の再発様式の検討を行うと同時に, 再発巣発見のための画像診断の有用性に検討を加えた. 大腸癌治癒手術180例中32例に再発がみられ, 87.5%(28例) は2年以内に再発していた.
再発様式としては結腸癌, 直腸癌とも局所再発が最も多く, 次いで肝転移再発であった, 局所再発に対してCTにて57%の診断を下しえたが, 早期発見は困難であった. しかし肝転移再発の診断は容易で再切除率も71.4%と高かった. 以上より大腸癌治癒手術後の再発巣発見のための画像診断は, 局所再発の早期発見を目的としたCTが中心となるべきと考えられた.
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奥野 匡宥, 池原 照幸, 長山 正義, 東郷 杏一, 西森 武雄, 本吉 宏行, 加藤 保之, 大平 雅一, 梅山 馨
1988 年21 巻11 号 p.
2584-2590
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
大腸多発癌は自験大腸癌切除例663例のうち32例 (4.8%) であり, 同時性多発癌23例, 異時性多発癌9例であった.多発癌では, 単発癌とくらべ家族内に大腸癌を有する率, ポリープの併存率が有意に高かった.同時性多発癌は進行癌と早期癌の組合せが多く, 占居部位では単発癌と差がなかった.異時性多発癌は進行癌同士の組合せが多く, 右側結腸に占める頻度が有意に高率であった.治癒切除例の累積5年生存率は, 多発癌では89.7%, 同時性多発癌では92.3%と, いずれも単発癌の76.1%とくらべ有意に良好であった.大腸癌の診断, 治療に際しては常に大腸多発癌の発現に留意した精査が望まれる.
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羽鳥 隆, 羽生 富士夫, 中村 光司, 福島 靖彦, 吉川 達也, 延島 茂人, 藤田 徹, 井手 博子, 鈴木 重弘
1988 年21 巻11 号 p.
2591-2594
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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吉住 豊, 島 伸吾, 米川 甫, 後藤 正幸, 杉浦 芳章, 田中 勧
1988 年21 巻11 号 p.
2595-2598
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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立花 光夫, 東儀 公哲, 張 玉川, 山野井 彰, 白石 守男, 中村 輝久
1988 年21 巻11 号 p.
2599-2602
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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北山 丈二, 長田 卓也, 濱口 正章, 小林 亮, 大井 俊孝, 位田 保之, 原 宏介, 富山 次郎, 市川 紀俊, 津久井 元, 糸山 ...
1988 年21 巻11 号 p.
2603-2606
発行日: 1988年
公開日: 2011/08/23
ジャーナル
フリー
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花畑 雅明, 大柳 治正, 宇佐美 真, 具 英成, 斉藤 洋一
1988 年21 巻11 号 p.
2607-2610
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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菅野 元喜, 牧 淳彦, 嶌原 康行, 中谷 寿男, 森 敬一郎, 小林 展章, 山岡 義生, 熊田 馨, 小沢 和恵, 伊藤 亨, 林 信 ...
1988 年21 巻11 号 p.
2611-2614
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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鳥井 彰人, 末永 裕之, 寺嶋 康夫, 鈴木 祐一, 奥田 哲也, 小寺 泰弘, 禰宜田 政隆, 谷口 健次, 余語 弘
1988 年21 巻11 号 p.
2615-2618
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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津村 裕昭, 増田 哲彦, 角 重信, 中井 志郎, 河毛 伸夫, 村上 義昭, 布袋 裕士, 立本 直邦
1988 年21 巻11 号 p.
2619-2622
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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尾関 豊, 鬼束 惇義, 松本 興治, 林 勝知, 日野 晃紹, 松波 英寿, 白子 順子, 冨田 栄一, 下川 邦泰, 広瀬 一
1988 年21 巻11 号 p.
2623-2626
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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辻 一弥, 木下 平, 尾崎 秀雄, 森山 紀之, 高安 賢一, 村松 幸男
1988 年21 巻11 号 p.
2627-2630
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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鈴山 博司, 咲田 雅一, 間島 進, 荻野 俊平, 古川 泰正, 伊谷 賢次, 高橋 俊雄
1988 年21 巻11 号 p.
2631-2634
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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佐々木 正寿, 太田 安彦, 川辺 圭一, 田中 松平, 龍沢 泰彦, 村上 望, 山脇 優, 笠原 善郎, 大村 健二, 川浦 幸光, 岩 ...
1988 年21 巻11 号 p.
2635-2638
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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岩瀬 弘敬, 前田 重明, 葛島 達也, 伊藤 由加志, 桐山 昌伸, 呉山 泰進, 柄松 章司, 市村 秀樹, 古田 吉行, 榊原 堅式, ...
1988 年21 巻11 号 p.
2639-2642
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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田中 雄二, 鳥山 裕史, 西野 暢彦, 今野 弘之, 青木 克憲, 馬場 正三, 阪口 周吉, 小沢 亨史, 喜納 勇, 戸倉 康之
1988 年21 巻11 号 p.
2643-2646
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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渡部 公祥, 佐々木 一晃, 筒井 完, 中坂 光宏, 阪脇 剛, 秋山 守文, 早坂 滉
1988 年21 巻11 号 p.
2647-2650
発行日: 1988年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー