日本消化器外科学会雑誌
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11 巻, 9 号
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  • 陣内 森之祐, 猪口 吉三, 武岡 有旭, 福島 駿, 山名 秀明
    1978 年 11 巻 9 号 p. 679-693
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    手術侵襲後の異化亢進状態を筋組織蛋白について観察した結果, 筋可溶性蛋白およびM1分画の低下として端的に把えることができた.
    術前症例の栄養状態を評価する際, 循環アルブミン, 全交換アルブミンおよび, アルブミンturnover rateは良き指標になると思われる.また, アルブミンturnover rateの検討からすると食道癌, 上部胃癌ではアルブミン代謝の亢進がみられ, アルブミンプールの減少が認められた.術後経日的に筋可溶性蛋白, M1分画を観察すると術後第3病日では著明な低下がみられ, 12-14病日では前値に復した.
    術後経管栄養として用いるspecial diet の価値を投与蛋白の同化, 利用率といった観点から検討した結果, 満足すべき成績を得た.
  • 小林 衛, 嶋田 紘, 新明 紘一郎, 池田 義雄, 米沢 健, 土屋 周二
    1978 年 11 巻 9 号 p. 694-700
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸25例 (対照10例) に経口的GTT (50g) をおこなった.黄疸例の耐糖能は低下し, 糖尿病型を示すものは60%に達し, insulinogenic index, 120分ΔIRI/ΔBSは対照例の1/2以下であった.黄疸の原因疾患の種類, 血清ビリルビン値, 血清K値, 年齢の各因子と耐糖能低下, インシュリン反応低下とを関連づけることはできなかった.黄疸例, 対照例ともに, GTT時血中セロトニン, アドレナリン, ノルアドレナリン値は正常範囲以上の変動を示すものがあったが, とくに黄疸例のセロトニン変動にこの傾向が強かった.胆管閉塞解除後3週間では, 耐糖能およびインシュリン反応の改善はみられなかった.
  • 統計学的解析による
    松末 智, 柏原 貞夫, 倉本 信二, 田中 英夫, 佐藤 守, 中村 義徳, 酒井 知昭, 宮下 正, 前谷 俊三
    1978 年 11 巻 9 号 p. 701-706
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    天理よろづ現談所病院で過去12年間に経験した, 悪性腫瘍による閉塞性黄疸 (悪性閉塞性黄疸) は, 114例である.この症例を手術死亡群17例と耐術群に分け, 術前の各検査データー, 病歴などに統計的解析 (2群間のStandardized Distance, Probit解析) を行い, 本症を有する患者の手術のRisk予測を試みた.黄疸が強く, 高齢で, BUNが高く, 黄疸の進行度が大きい膵癌の患者の手術死亡率が高くなる傾向を見いだした.しかし, 厳密な意味でのCritical pointの設定までには至らず, 新たな症例の予測を行うには, 解析に用いた症例数が少なすぎる点は向後の検討を要す.
    悪性閉塞性黄疸の治療方針 (一期手術か, 二期的手術かPTCDを行うか否か等) を決定するための判定基準の設定が必要なことを強調し, その1つの試みを提案する.
  • 小澤 正則
    1978 年 11 巻 9 号 p. 707-720
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    教室で施行した経十二指腸括約筋形成術40例の切除標本について, 剖検32例を対照に臨床病理学的検討を試みた.
    手術例における組織学的観察から, 総胆管末端部胆汁排出障害の所見としては, 炎症終末像としての線維化のみならず, 亜急性, ならびに急性炎所見, 場合によっては対照例と差のない所見などのみられることが判明した.以上の所見ならびに対照例の検討から, 胆汁排出障害の招来される背景の1因として, 総胆管二指腸内部の生理的狭小化と同部に密に分布する特殊な粘膜ヒダ, とくに前膨大部ヒダを中心とする弁状構造が些細な刺激によって容易に充血, 浮腫などの炎症を招来し, これが同部内腔の狭窄を悪循環的に助長するためと判断された.
  • 勝部 宥二
    1978 年 11 巻 9 号 p. 721-733
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸癌術後の局所再発予防の目的で, 術後はもとより, 術中にも使用される抗癌剤が, 縫合創治癒にどの程度の影響を及ぼすかについての研究は少なく, 明確な結論が得られていない.著者は, まず犬結腸にMitomycin Cを局所投与して, 投与法および投与量によっては潰瘍形成, 壁内出血, 上皮の変性, 動脈壁の類線維素性変性などが生じることを確かめ, また, 結腸縫合創治癒への影響を検索し, 動脈内投与の障害が最も強く, 次いで腹腔内投与, 腸管内投与の順となり, 投与量として比較的障害が少ないと考えられる臨床使用適量は, 動脈内0.2mg/kg, 腹腔内0.5mg/kg, 腸管内0.5~1.0mg/kgであると結論した.
  • 榎本 光伸
    1978 年 11 巻 9 号 p. 734-747
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    結腸吻合には, Albert-Lembert内翻二層縫合が一般的に用いられてきたが, 最近の諸家の研究の結果, 断端一層縫合あるいは層別二層縫合の有効性が言われるようになった.しかし一層縫合では, 二層縫合と異なり, 一針の縫合糸のゆるみや, 一箇所の縫合糸間隔の広すぎがあっても, 吻合後早期の内容の漏れが起こる危惧があり, 縫合手技にはとくに注意が必要である.著者は, Gambee一層縫合における縫合手技について, 縫合糸間隔, 系の締め方が, 吻合創治癒にいかなる影響を与えるか, また吻合部もれ圧試験の意義に関して, 実験的研究を行ったので報告する.
  • 青柳 和彦, 西村 久嗣, 石塚 慶次郎, 木村 信良, 浅野 献一
    1978 年 11 巻 9 号 p. 748-756
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    近年, 外科手術の安全性が飛躍的に向上するとともに, 開腹術は普及し, 長時間の複雑な手術症例も年ごとに増加している.他方, 開腹術後に強い愁訴をもつ患者も増加し, Polysurgeryといわれる複雑な病態に発展するものもあるが, この方面の研究は極めて少ない.
    著者らは, 教室の21年間において, 良性疾患の開腹術後癒着障害で再入院した延べ213例について, その臨床像を統計的に分析し, 主としてPolysurgeryに至る過程を考察し, その対策について検討を加えた.
    患者は20歳台が33%で最も多いが, 最も重篤な症状であるイレウス症状を呈するものは男女ともに, この年代で最も低率である.入院時の診断適中率は低く, とくに女子の診断は難しい.既往手術4回以上の多期手術例も女子に多い.手術々式は約半数が癒着剥離術である.内科的治療のみで治癒したものが男女ともに約60%である.また症状の発現時期は病理組織学的にみた癒着形成の時期とは著しく異なる.これらのことは, 開腹術後障害で比較的症状の軽いいわゆる癒着症患者には, 心因が病態形成の主要な因子となっていることがあることを物語っている.したがって, 術後癒着症には器質的な病変の追究とともに, 精神面の病態を把握することが治療上重要なことである.
  • 遠藤 巌, 長嶺 信夫, 山藤 和夫, 正 義之, 外間 章, 赤松 隆, 山城 則亮, 加藤 繁次
    1978 年 11 巻 9 号 p. 757-763
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Mirizzi症候群の3例を棚した.1例は遺残結石によるものであった.肝門部狭窄, 全周性狭窄等悪性閉塞像に似ることがあるがよく検討すれば鑑別しえ, また血管造影は悪性腫瘍との鑑別に有用であった.胆管高度狭窄例でも主病巣たる胆嚢, 胆難の剔出, および炎症性瘢痕組織から肝外胆管前壁を露出させ下流から狭窄部を通して肝門部近くまでT-tubeを入れることで治癒させることができた.狭窄部胆管を切開しての拡張術, または狭窄部切除, 肝管空腸吻合術を追加する必要性は少ないように思われる.
  • 鈴木 範美, 高橋 渉, 植松 郁之進, 木村 晴茂, 高沢 欣煕, 仲里 尚實, 佐藤 寿雄
    1978 年 11 巻 9 号 p. 764-768
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 高田 忠敬, 内田 泰彦, 福島 靖彦, 今泉 俊秀, 佐藤 裕一, 竹村 由美子, 金山 成保, 吉川 達也, 原 俊明, 鈴木 重弘, ...
    1978 年 11 巻 9 号 p. 769-774
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • とくに, III, IV型肝内結石症について
    原田 昇, 土屋 凉一, 田中 紀男, 宮本 峻光, 山本 賢輔, 山田 隆平, 角田 司, 宮田 昭海, 伊藤 俊哉
    1978 年 11 巻 9 号 p. 775-779
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 栄太郎, 岡本 英三, 桑田 圭司, 菅原 一郎, 豊坂 昭弘, 京 明雄, 劉 燦太郎, 朱 明義, 岡空 達夫, 柏谷 充克, 光 ...
    1978 年 11 巻 9 号 p. 780-784
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 小野 慶一, 嶋野 松朗, 横山 義弘, 鈴木 英登士, 大内 清太
    1978 年 11 巻 9 号 p. 785-789
    発行日: 1978年
    公開日: 2011/03/02
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