土木学会論文集
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1996 巻, 553 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 松尾 稔, 本城 勇介, 杉山 郁夫
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 1-19
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 本間 宏記, 栃木 博, 古川 浩平, 中川 浩二
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 21-31
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では補助工法の採用過程を解明する一手段として, 黒色片岩を主岩種とする地山に施工された双設トンネルにおける地山評価および補助工法の採用に関する現状について, 両トンネルの施工形態やトンネル掘進順序といった施工実態を考慮して考察した. その結果, 双設トンネルにおける地山条件・施工条件と地山評価ならびに補助工法の関係を明らかにした.
  • 森元 光雄, 大成 博文, 佐賀 孝徳, 前田 邦男, 斎藤 隆
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 33-40
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    数十ミクロンを平均径とするマイクロバブルの大量発生と, それを含む水域内全体の緩やかな循環流の形成を可能とするエアレータを開発した. それを, 室内外における汚水浄化実験に適用しその有効性を確認した. とくに, ヘドロを含む浮遊性汚濁物質の低減に著しい効果が明らかとなり, ゴルフ場池の現地実験においては, 実験開始668時間後に, 濁度と浮遊物質 (SS) で約90%の減少率が得られた.
  • 小林 肇, 古郷 誠, 鈴木 健一, 酒井 成之
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 41-48
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    東京湾横断道路川崎人工島における連続地中壁内部掘削に伴い, 海上サンドコンパクションパイル工法による改良地盤をTP-28.0mからTP-55.0mまで掘削, 調査する機会を得た. 本報告は改良地盤の各深度における砂杭施工後約4年経過時の砂杭の材質, 砂杭間粘性土の土質特性について述べたものである.
    調査結果から, サンドコンパクションパイル施工船により海底地盤中に造成された砂杭は材質的にも, 形状的にも良好であり, また, 砂杭間粘性土の強度増加していることが確認された.
  • 葛野 恒夫, 高崎 肇, 中尾 努
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 49-63
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    多円形断面シールド工法は, 複数の円を重ね合わせた変形断面を安全に構築できるため, 今後の都市地下工事において大いに期待されているものである. すでに実績のある2連型から3連型シールド工法へ発展させる際の施工上の主要課題として, (1) 3室が各々独立したチャンバーでの泥水管理, (2) 大型の本柱を含む3連セグメント組立, (3) 大きなテールボイドに対応する裏込め注入, などがある.
    今回大阪市地下鉄第7号線OBP停留場工事において, これら3連型特有の課題に加え, 全線が構造物直下で水圧が高く崩壊性の帯水砂層中という厳しい条件を克服, 無事3連型シールドの到達を果たした. 世界初の建設となった工事の概要と課題への取組み, 実績から得られた新たな知見を報告する.
  • 小櫻 義隆, 細矢 知秀
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 65-72
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    危険作業の多い土木工事では, 厳重な安全対策を行っているにも拘わらず, 依然として事故が跡を絶たない. このことは鋼橋の架設工事でも同じことが言える. そこで著者らは, CCDカメラやレーザ等の計測装置と警報装置をリンクさせて現場作業を随時監視するシステムを構築した. そして, それを鋼アーチ橋の旋回架設工事に適用した結果, 架設作業の安全管理が精度良く簡単に行えることが判明した. 本稿では, このシステムの内容と今回の工事で得られた成果について紹介する.
  • 鈴木 真次, 石川 信隆, 鳥場 利郎, 古川 浩平
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 73-80
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    土石流の衝突に対する砂防構造物の耐衝撃設計において衝撃力の設定が重要であるが, その衝撃力を実際に測定した研究例はほとんどなく, 最大衝撃力のみを測定したものが一例あるに過ぎない. そこで, 本報告では衝撃力を直接測定するために, 土石流を受ける砂防構造物に直接取り付けることが可能で, 面的に衝撃力を測定できる衝撃力測定法の開発を試みた. すなわち, 薄いシート状に加工した圧電素子を用いた衝撃力測定装置を開発し, ロードセルと加速度計を取り付けた重錘を3つの異なった条件下で衝突させ, 得られた荷重~時間関係の比較検討よりその有効性を確認した.
  • 肥後 満朗, 牧 宏久, 中垣 圭介, 河原 幸弘, 古川 浩平, 中川 浩二
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 81-92
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ウレタン注入式フォアポーリングにおけるウレタン材の注入形態を把握すべく, 3種類の模擬地山を対象にした室内実験および現場実験を実施し, 以下の知見を得た. (1) 含水比が小さい山土やマサを対象にした注入では, 固結体は塊状になるが, 湿潤状態では葉片状になる. (2) 山土やマサを対象にした注入で, 球状ないし円筒状の固結体であっても内部構造は“割裂・浸透注入”の注入形態となる. (3) 間隙径の大きい礫の場合には“浸透注入”となると思われる. (4) 山土やマサでは, 注入量の3.5~6倍程度の改良体積となるが, 礫では6.5~10倍程度となる. (5) 地中の注入材の換算発泡倍率は山土やマサでは2~4倍, 礫では2~7倍と大きくなる.
  • 庄野 豊, 井上 義之, 中園 眞人, 中川 浩二
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 93-102
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論は, 高速道路の景観設計に関し, トンネル坑門と遮音壁の設計案を対象とした心理評価アンケート調査結果をもとに, 設計主体である土木技術者と関連分野デザイナー・一般利用者による評価の相違性を, SD法及び統計的手法を用いて明らかにし, 設計段階における事前評価のあり方について論じたものである.
  • 浜田 純夫, 阿部 宗人, 石川 哲
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 103-116
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    交通量の増加および自動車荷重の増大により橋梁床版はますます過酷な状態にさらされている. そのため多くの床版がより強い床版に取り替えられつつある. 従来のRC床版を増厚することなしに再びRC床版を打設するには多少無理があり, プレストレストコンクリートの適用が望まれている. また, 新設の橋梁でも省力化のため用いられる様になっている.
    本研究においてはプレキャスト床版が開発される中で, それぞれの特性について研究を試みるものである. また, 特に静的耐力および耐久性に注目して種々の継手構造に対して実験を行った. その結果RC構造, PC構造のいくらかの継手は耐荷力, 耐久性の一つの要素であるひび割れ特性ともに優れていた.
  • 林 亜紀夫, 成田 信之, 前田 研一, 岩崎 興治
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 117-128
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    免震による慣性力低減の効果を期待する設計においては, 使用限界状態設計法に用いられる中小規模の地震動に対してだけでなく, 終局限界状態設計法に用いられる大規模な地震動に対しても有効に働くことが要求される. 本論文では, 大きさと振動特性の異なる両地震動に対して同等に有効な免震特性値を探索するための実用的な計算方法, および最適値を探索する手法を提案する. さらに, 一般的な橋梁下部構造が有する特性を, 非免震時固有周期など4種類の指標値で表現し, 地盤種毎に規定された入力地震動と指標値を組み合わせた9ケースについて最適値を探索した. 免震装置としては, 鉛プラグ入り積層ゴム支承を用いるものとした. その結果, 実務設計において特性値を選定する際に有用となる資料が得られた.
  • 米田 昌弘, 瀬戸内 秀規, 吉岡 昭彦, 下田 郁夫, 川原 壮一郎
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 129-142
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本文では, 長さがl=200mおよびl=100mなる並列ケーブルモデルを対象として複素固有値解析を実施し, 減衰機能付きスペーサ方式 (並列ケーブルのほぼ中間に治具を介して粘弾性体を設置するタイプ) によって付加される減衰特性はケーブルのねじれ剛性の大きさに著しく依存すること, ケーブル中心間隔やケーブル径の差異によっても変化することなどを明らかにした. また, アスファルト系の粘弾性体を減衰材とばね材として使用した減衰機能付きスペーサを製作して実橋ケーブルに適用し, 本方式の実橋ケーブルにおける減衰付加特性を定量的に把握した. さらに, 実橋ケーブル試験結果と複素固有値解析結果との対比から, 実橋ケーブルのねじれ剛性を評価するなど, ウェイクギャロッピングの制振に関する実務上きわめて有用な技術資料を提供した.
  • 北條 明, 中村 真, 打田 靖夫, 櫻井 春輔
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 143-153
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    不連続性岩盤に掘削されるトンネルや地下空洞の支保として, 全面接着型のロックボルトが多用されているが, その設計法はロックボルトが岩盤の強度・変形特性を向上させる効果を十分に表現するものとはなっていない.
    本研究では, 不連続性岩盤における全面接着型ロックボルトの効果を不連続面の剛性の向上として, ロックボルトで補強された不連続性岩盤の構成式を導き, この構成式を用いた等価連続体解析により, ロックボルトエの設計を行う手法を提案した. さらに, 既設地下空洞をモデルにケーススタディを行い, 提案したロックボルト工の設計法の有効性を確認した.
  • 林 英雄, 森 麟
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 155-170
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    盛土と軟弱な盛土基礎地盤の間や盛土内に敷設するサンドマット層やフイルター層に使用する良質のセレクト材の枯渇や材料採取, 運搬に伴う環境保全の観点から, 最近セレクト材の代替としてジオテキスタイル排水材が面排水材として採用されることが多い. しかしこれらの排水層の設計に当たっては排水材の目詰りの結果生ずる透水性の低下を予測し, その低下量を考慮したうえで排水層の設計を行なうべきである. しかし現状の設計では目詰りによる透水性の低下やその他重要な項目が欠落している.
    このため, 排水材の実状に合った透水性低下を予測する試験結果とその他不可欠な項目を考慮した不織布系排水層の合理的設計についての提案をした.
  • 橋爪 正博, 塩月 隆久, 古川 浩平, 中川 浩二
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 171-185
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    市街地近郊でのトンネル工事あるいは宅地造成工事等の建設工事において発破工法を用いる場合, その発破振動が住民感覚に及ぼす影響を合理的に評価する必要がある. しかしながら, 発破振動は, その特殊性から振動規制法の対象とされず, 明確な評価基準が存在しないのが現状である. 本研究では, 発破振動値が有するばらつきを考慮した上で, 重畳シミュレーションを用いて発破振動波形を創出する. さらに創出した発破振動波形から振動レベルを求め, 発破振動の評価尺度であるPPVmaxおよびVLmaxの特性を明らかにする. そして, そのシミュレーションで得られた特性に関する結果を基に, 環境問題として捉えた場合の, 管理側から見た発破振動の評価尺度に関して検討を行う.
  • 伊藤 義人, 平野 徹, 永田 裕規, ハンマード アミン, 西土 隆幸, 加島 章
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 187-199
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年, 環境問題は世界的な関心を集めており, その研究が進められているが, 土木・建築の分野においても, 環境負荷に対する検討を行う必要がある. 本研究では, 橋梁架設時における環境負荷に対する評価も行えるように, エネルギー消費量及びCO2排出量の算出を行える橋梁形式選定支援システムを開発した. また, 本システムを用いて各橋種の環境負荷を算出し, その比較を行い, 現在の橋梁建設においてどの部分が最も大きな環境負荷を与えているかを示すとともに, どの橋種が環境に大きな負荷を与えているかを算出している. さらに, リサイクルを行うことによってどの程度環境負荷値を抑えられるかについても検討している.
  • 須藤 敦史, 三上 隆, 韮澤 憲吉, 斉藤 知秀
    1996 年 1996 巻 553 号 p. 201-208
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    寒冷地における道路トンネルは, 冬期間の凍上防止のために断熱材を施工する例が多くなっており, 施工性・経済性の観点から, 断熱材の合理的な設計が課題となっている. 断熱材の設計厚はトンネル周辺地山の熱定数 (熱伝導率・熱容量) やトンネル内の気温に大きく依存する. しかし, 実際の地山熱定数は不均質性を有し, 試験値は誤差を含むため, その正確な推定は難しく信頼性の高い断熱材の設計計算が行えないのが現状である.
    そこで本論文は, 断熱材設計における解析の精度向上とその基礎資料収集を目的として, 地山熱定数の同定を拡張カルマンフィルタを基本とした手法と有限要素法の非定常熱伝導解析により試み, その妥当性を実際に観測した温度履歴を用いた数値解析により検証している.
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