本論文の目的は, 既存のラスタ地図のデジタル化に際して, 広領域に分布する建物を自動抽出し, その構成ベクトルチェーンを整形することである. この際の問題点は, 多種多様な幾何形状の自然物, 人工物, 記号が輻輳して混在し, 接触・重複・分断されていることである. 本論文では, 建物の幾何学的特徴である, ループ・直線・直角特性とその大きさに着目し, ベクトルチェーンのノード近傍の歪みの除去, およびループ間のブリッジの除去により, 建物の幾何特徴に則ったループを検出し整形する方法を提案する. これにより, 例えば, 計画中の地物を含む3DCG画像を作成して, 安全性・景観の評価作業の効率化と高信頼化が期待される.
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