土木学会論文集
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2005 巻 , 781 号
V-66
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
[投稿論文]
和文論文
  • 細川 佳史, 魚本 健人
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_1-781_20
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    急結剤が吹付けコンクリートに及ぼす影響についての知見はこれまで多くが定性的であったが, 示方書の性能規定型への移行に伴い, 急結剤特性の定量的な評価や吹付けコンクリートの性能照査が求められるようになってきている. そこで本研究は, 急結剤の作用が水和によることに着目して, 急結剤添加ペーストの水和度の経時変化をモデル化し, このモデルを基にプロクター貫入抵抗や圧縮強度をモデル化することで, 吹付けコンクリートの凝結・強度発現に及ぼす急結剤の影響の定量的な明示, 及び任意配合の吹付けコンクリートの性能算定を可能にした. さらに, これらモデルを組み合わせて, 吹付けコンクリートの付着・強度発現性状の照査方法を提案し, 任意配合の吹付けコンクリートについて照査の試計算を行った.
  • 中川 元宏, 生田 周史, 高木 猛志, 服部 篤史, 宮川 豊章
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_21-781_34
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    自然電位による鉄筋腐食状態の推定には様々な基準および提案があるが, 中性化による鉄筋腐食への適用性については必ずしも明確ではない. 本研究では, 中性化による鉄筋腐食状態を, 自然電位により推定する場合の問題点を明らかにすることを目的として, 促進中性化下の供試体を用いて実験を行った. その結果, 中性化を主因とする鉄筋腐食は, 塩害に基づき定められた既往の基準より貴な電位で始まり, その原因として鉄筋とコンクリートの界面の状態が塩害とは異なる可能性が高いこと, 中性化による場合には水セメント比やかぶりがコンクリート表面への散水による自然電位の変動に与える影響が大きいこと, 散水による自然電位の変化はコンクリート抵抗の変化との相関が高いことなどが明らかとなった.
  • 奥地 栄祐, 武若 耕司, 山口 明伸
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_35-781_44
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    著者らは, 南九州に未利用資源として存在するシラスを有効利用するための方策としてコンクリート用細骨材としての研究開発を進めており, これまでに普通コンクリートおよび高流動コンクリートへの適用が可能であることを確認している. しかし, シラスの材料特性は産地によって変動するため, 特に高流動コンクリートに適用するに際しては, その特性の把握を含む配合設計法を確立する必要がある. そこで, モルタル試験による高流動シラスコンクリートの配合決定手法の検討を行ない, その妥当性を確認した.
  • 鍵本 広之, 菊池 浩一郎, 佐藤 道生, 長瀧 重義
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_45-781_56
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    普通セメントをベースセメントとし, フライアッシュ置換率を60%まで高めたダムコンクリートの強度発現性, 発熱特性および耐久性について検討した. このダムコンクリートは次のような特性を有する. 普通セメントの使用によりフライアッシュを高置換しても初期強度発現性に優れ, 長期強度発現性も中庸熱セメントを用いたコンクリートと比較し同等以上である. 材齢91日強度を同一とした置換率60%のコンクリートの終局断熱温度上昇量は中庸熱セメントを用いたコンクリートと比較して低く, 低発熱性が確認された. 凍結融解抵抗性, 中性化に対する抵抗性も同等である. 水和生成物のC/S比は1.18~1.57であり従来の報告値と比較して若干低いが, 通常使用されるフライアッシュ置換率30%の値とほぼ同等であった.
  • 梅津 健司, 平 喜彦, 高木 康宏, 藤田 学, 山〓 淳
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_57-781_74
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    外ケーブル方式PC桁の曲げせん断耐荷性能について, 内ケーブル方式と対比し検討した. a/dを4.0とした単純T桁の静的載荷実験を行った結果, 外ケーブル方式桁ではせん断支間において内ケーブル方式桁よりケーブル張力の増加が顕著であることにより引張応力の発生が抑制され, せん断耐荷力が向上した. そこで得られた構造特性を踏まえ, さらに連続桁の実橋試設計モデルで検討した. その結果, 実橋モデルでは外ケーブル方式が内ケーブル方式よりせん断耐力が向上する要因は, せん断支間の中間断面では見られたものの中間支点付近では見られなかった. これより, 外ケーブル方式PC桁のせん断耐力を内ケーブル方式の設計手法に準じて評価している現状の手法は, 安全側であることを見いだした.
  • 西田 孝弘, 大即 信明, 浜本 純平, Melito BACCAY, 陳 旭
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_75-781_87
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    コンクリートは複合材料であるため, 材料分離の影響を受け易い. また, コンクリートの材料分離は鉄筋の腐食に起因する耐久性の低下を引き起こす. さらに, 鉄筋の腐食は電気化学反応により生じるため, その速度は周辺温度の影響を受ける. 以上より, 本論文では材料分離の影響を受けたコンクリート中鉄筋の腐食速度の温度依存性を明らかにすることを目的とした. そのために, まず, (1) 材料分離がコンクリートの諸物性に与える影響を評価した. 次に, (2) 材料分離がコンクリート中鉄筋の腐食速度に及ぼす影響を評価した. 最後に, (3) 材料分離の影響を受けたコンクリート中鉄筋の腐食速度の温度依存性を評価した. その結果, 材料分離の受けたコンクリート中鉄筋の腐食速度は温度依存性を有することが明らかとなった.
  • 加藤 佳孝, 伊代田 岳史, 西村 次男, 魚本 健人
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_89-781_99
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究は, コンクリート構造物の補修工法として広く適用されている表面被覆工法を対象とし, その基本性能およびひび割れを有する鉄筋コンクリート床版下面に適用した場合の耐久性能に関して実験的に検討した. その結果, 被覆材の総膜厚が厚いほど, ひび割れ追従性および耐疲労特性が良好な場合が多いことがわかった. 被覆材のきれつの有無が, 中性化と塩害の複合劣化に及ぼす影響を検討した結果, きれつが有る場合におけるひび割れ近傍の塩分量は, 中性化による固定化塩分の遊離および乾湿繰り返しの影響を顕著に受け, 試験体内部の塩分量に比して上下部の塩分量が減少することがわかった. さらに, 鉄筋腐食性状に関しても, 被覆材のきれつの有無により性状が異なることが明らかとなった.
  • 日紫喜 剛啓, 高田 和法, 大野 俊夫, 一宮 利通, 盛田 行彦
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_101-781_112
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    圧縮強度150 N/mm2級の超高強度コンクリートの自己収縮低減方法について検討し, 膨張材, 収縮低減剤および人工軽量骨材が自己収縮低減や圧縮強度に及ぼす影響を実験的に調べた. 実験の結果, 自己収縮の低減を図ることによって圧縮強度は低下するものの, 単位強度低下当たりの収縮低減効果は, 収縮低減剤, 膨張材, 人工軽量骨材の順で大きく, 併用した場合には重ね合わせ効果が期待できることが分かった. 人工軽量骨材は圧縮強度の低下がやや大きいものの, 使用量や他の混和材料と組合せることで, 150 N/mm2級の超高強度コンクリートの自己収縮低減に有効である. また, 収縮を低減した配合について物性評価を試み, 人工軽量骨材によって養生中の湿度条件によらずに安定した強度発現を示すことが分かった.
  • 用皆 大輔, 山口 明伸, 松本 進, 末満 直幸
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_113-781_124
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    各種FRPロッドのクリープ, 疲労破壊等の時間依存的な破壊特性を定量的に解明し, その特性の評価手法を提案することを目的として, FRPロッドの構成材料である繊維単体のクリープ及び疲労試験を実施し, それらの特性を実験的に評価すると共に破壊確率理論に基づき定量的に把握することを試みた. さらに, 繊維や樹脂の特性及びFRPロッド内部の応力状態を考慮した破壊シミュレーションモデルを構築し, これまでに報告されている実験データと比較しその妥当性を検討した. その結果, 本モデルにより各種FRPロッドの時間依存特性の定量的な評価が可能であることを確認した.
  • 西澤 辰男
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_125-781_131
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    舗装構造の信頼性設計法では, 交通量, 材料, 構造などの設計変数のばらつきを考慮し, 設計期間内に舗装が破壊する確率を算定する必要がある. 本研究では, わが国のアスファルト舗装の構造設計に用いられているTA法に対し, 2次モーメント法によって, 舗装の信頼性を算定する手法を提案する. 本手法によれば, 設計変数のばらつきおよびTA法自体の精度を考慮して, 破壊点および信頼性を直接求めることができる. 本手法をモンテカルロ法によって検証した上で, 各設計変数が信頼性に及ぼす影響について検討した.
  • 城門 義嗣, 加賀谷 誠
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_133-781_143
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本論文は, 軽量で吸水率の大きい秋田県産火山礫を用いたポーラスコンクリートの基礎物性とヒートアイランド現象を抑制する機能を評価する指標, 適切な配合および温度低減効果を普通コンクリートと比較した上で明らかにしたものである. このコンクリートの単位容積質量は, 普通コンクリートの1/2以下であり, 圧縮強度は2N/mm2と低強度であるが, 乾湿繰り返しによる耐久性の低下は明確には認められなかった. 放水率の経時変化から求められる初期放水速度が最大となるペースト粗骨材容積比の存在が認められ, この配合を用いた平版の屋外暴露試験を実施した結果, 断面中心温度および平版表面の気温が普通コンクリートより1~9℃低く, 気化潜熱に起因する気温低減効果を有することを熱収支計算により明らかにした.
  • 渡辺 暁央, 五十嵐 心一, 川村 満紀
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_145-781_155
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    反射電子像の画像解析法とPowersモデルを組合せ, さらに選択的溶解法により求めたポゾラン反応度を使用して, シリカフュームおよびフライアッシュを混入したセメントペーストの内部組織構成相を求めた. ポゾラン反応が進行することにより, 全毛細管空隙量に対する粗大な毛細管空隙量の割合が増大する. 細孔構造と圧縮強度の対応から, 強度発現には粗大な毛細管空隙量の減少が重要である. また, 混和材を用いた場合もゲル空隙比説の適用が可能であるが, セメントペーストの圧縮強度の発現には粗大な毛細管空隙量および微細な毛細管空隙量の相対的な割合が重要な役割を果たすため, 混和材を混入すると粗大な毛細管空隙の割合が増大し, 同一ゲル空隙比であっても強度は低くなる.
  • 鳥取 誠一, 宮川 豊章
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_157-781_170
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    昭和40年代~50年代前半には, 相当量のコンクリート構造物に除塩不足の海砂等が使用されており, これらの構造物に対する維持管理手法の確立が必要と考えられる. そこで, 本論ではまず, 既往の研究を分析することにより鉄筋の腐食速度を評価し, かぶり, 初期塩化物イオン量および水セメント比をパラメータとする腐食速度算定式を作成した. さらに, 比較的大型の供試体を用いた暴露試験により, 上記の腐食速度算定式の適用性を確認し, これらの結果を基に構造物の劣化予測法を示した.
  • 藤波 潔, James MAINA, 松井 邦人
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_171-781_179
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    トラックやトレイラーのような大型車が左折するとき, 舗装表面では鉛直方向の荷重だけでなくすえ切り荷重のようなトルクが作用することが知られている. しかし, トルクによる多層構造物の応答解析の類例は皆無に近い. 本研究では, 多層弾性構造の表面にトルクが生じるような円形分布のせん断応力の作用に対する理論解を誘導している. すでに求めた鉛直方向の分布荷重作用時の理論解とこの理論解を組み合わせることにより, すえ切り荷重作用時の舗装に発生する応力, ひずみ等を予測することが可能となる.
  • 上田 隆雄, 長尾 賢二, 芦田 公伸
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_181-781_191
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究は, 内在塩分を含むフライアッシュまたは高炉スラグ微粉末を混和した鉄筋コンクリートに対して, デサリネーションを適用した場合の脱塩効果および補修効果を評価した. さらに, 同様に作製したモルタル供試体から高圧抽出した細孔溶液のイオン組成から, 混和材がCl-の固定化, Cl-の電気泳動挙動, および鉄筋腐食環境に与える影響についても検討を加えた. この結果, 内在塩分による塩害単独劣化の条件下では, 混和材の添加により, Cl-の固定化割合が増加するとともにCl-の電気泳動も阻害されるために, 脱塩効果は低下した. これに対して, 内在塩分による塩害と中性化の複合劣化条件下では, 中性化の影響により細孔溶液中に遊離したCl-が優先的に除去されることで脱塩効果が向上した.
  • 川村 力, 谷村 幸裕, 曽我部 正道, 鳥取 誠一, 長谷川 雅志, 東川 孝治
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_193-781_204
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    塩化物イオンに関する耐久性照査を合理的に行うためには, 構造物が置かれる環境条件を考慮して, 鉄筋位置における塩化物イオン濃度を適切に推定する必要がある. 本研究は, 全国の海岸線付近に位置する142箇所の鉄道コンクリート構造物の調査に基づき, コンクリート中への塩化物イオン浸透について検討を行った. その結果, 塩化物イオンの浸透状況は, 海岸線からの距離や, 日本海側や太平洋側などの地域の違い, さらに構造物が位置する周囲の状況によって異なることが明らかになった. また, 全国を3つの地域に区分して, 耐久性照査に用いる表面塩化物イオン濃度係数の値を提案した.
和文報告
  • 馬場 弘二, 伊藤 哲男, 松本 健次, 矢吹 増男, 吉武 勇, 中川 浩二
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_205-781_212
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    はく離・はく落防止策の一手段として, トンネルの覆工コンクリートにしばしば繊維補強コンクリートが採用されるようになった. 本研究は, トンネル火災時における繊維補強コンクリートの耐火特性について実験的な検討を試みたものである. 特に, 従来のコンクリートに比べ, 有毒ガス発生や爆裂規模の問題が懸念されたプラスチック系繊維を中心に, プレーンコンクリートや鋼繊維補強コンクリートと比べながら, その高温加熱時の特性を評価した. その結果, 他のコンクリートに比べて, プラスチック系繊維補強コンクリートは, 爆裂規模が小さい範囲にとどまり, 且つ放出ガスが人体に有害なレベルに至らず, 一般的なコンクリートと同等以上の耐火性能を有することが確認された.
和文ノート
  • 園田 恵一郎, 蛯名 貴之
    2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_213-781_218
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    パーフォボンドリブ (PBLと略称する) は鋼リブの孔を貫通するコンクリートにより, せん断力を伝達させる, ずれ止めの一種である. 本研究では, 3軸圧縮応力下でのコンクリートを完全塑性体にモデル化し, 極限解析法の下界定理を用いて, PBLの押し抜きせん断耐力を理論的に検討した. まず, 既往の押し抜きせん断実験におけるPBLのせん断耐力, 破壊性状などについて調べ, ついで, 線形Mohr-Coulombの破壊規準を適用したときの静的許容かつ安全 (statically admissible and safe) な応力場を不連続応力場によって与え, 極限解析法の下界定理を用い, PBLの孔径, 板厚およびコンクリートの1軸圧縮強度と孔1面の終局せん断強度との関係などを示し, 得られた結果と既往の実験値との整合性について検討した.
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