食道癌治療において, 術前照射と手術という一連の侵襲が非特異的細胞性免疫能に与える影響はいまだ十分検討されていない. 食道癌患者108例を対象として, 未治療時, 照射後, 術後にin vitro, invivoで非特異的細胞性免疫能検査を行い, 以下の結果を得た.(1) 術前照射群では非照射群に比べて, 特に術後1ヵ月の免疫能低下が顕著となったが, 2ヵ月後にはほぼ同水準となった.(2) Concanavalin A/Phytohemagglutinin (ConA/PHA) 比は, 術後1ヵ月において, 照射群に有意な上昇 (p<0.01) がみられたが, 2ヵ月後には両群ともほぼ同水準となった.(3) 術後2ヵ月までは, 治癒切除, 非治癒切除間の免疫能の変動差に一定の傾向がみられなかった.
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